◆尼崎連続変死事件の登場人物まとめ(1)◆
角田ファミリー / 橋本家 / 猪俣家 / 皆吉家 / 谷本家 / 大江・川村家 / その他
日本戦後犯罪史に残る稀代の極悪人「角田美代子」!次々と赤の他人の家族を籠絡し弱みを握り支配させる手口、一家の財産を根こそぎ奪い去る強欲、マインドコントロールで血の繋がった実の肉親を憎しみ暴力を振るい一家の絆をバラバラにする恐怖、そして殺されていった人々…この事件に関係する登場人物を今一度まとめてみる事にする。ちっとも整理が付かないのだが…
【角田ファミリー】
尼崎連続変死事件の主犯グループである角田美代子を頂点とした「角田ファミリー」に属する極悪人一覧。
角田美代子(死亡):主犯格。プロフィールや半生については冒頭のページで詳しく書いた。2011年11月に逮捕され、翌年には角田ファミリーの残されたメンバーが次々逮捕され、身内からの全面自供が始まるやいなや、歪な擬似家族のあっけない瓦解を思い知り、事件の全容を語る事もせず自らの王国の終焉を「自殺」という身勝手な手段で終わらせた。
2012年12月12日、兵庫県警本部拘置施設内で看守の目を盗んだ僅かな時間の間に3人が寝起きする雑居房で、自らの腕力だけで長袖のTシャツで首を絞めるというアクロバティックな方法で死亡。享年64歳。遺体は引き取り手もおらず、神戸市によって荼毘に付された。
角田三枝子被告:角田美代子とは幼少期から半世紀以上の長い付き合いをしてきた。1986年、角田優太郎を出産しているが、戸籍上、角田美代子の実子として届け出された。元の苗字は「谷輪」だが、1998年に角田美代子の母親と養子縁組、角田姓を名乗るようになった。角田家の金庫番として金銭管理を任されていて、美代子からは最も信頼されていた。他の角田ファミリー同様、2012年11月に逮捕されている。事件の全容について本格的に自供を始めたのが三枝子で、美代子の指示でつけていた日記が警察に押収されている。現在60歳。
角田優太郎被告:生みの親は角田三枝子だが、戸籍上の実子は角田美代子。角田家唯一の血の繋がった子という事で美代子からは溺愛され、贅沢三昧。タレント養成所などに通わせ、将来はアイドルにすると熱を上げていた。谷本家の次女・瑠衣被告と2007年1月に結婚し、2人の子供がいる。角田美代子の逮捕後は妻の瑠衣被告とダイニングバーを経営しだすが、それまでは職についた事もなく、パチンコで生計を立てていたパチプロ稼業だったという。橋本次郎さんの死体遺棄容疑などで2012年11月に逮捕。現在27歳。
鄭頼太郎被告:角田美代子の内縁の夫で、20代の頃からの長い付き合いで、1974年から内縁関係になった。韓国籍の在日コリアンだが東(あずま)という通名も名乗っており、角田美代子もこの東姓を名乗っていた事がある。大人しい性格で、気性の激しい美代子には常に従属関係にあり、ぞんざいにあしらわれて奴隷のように利用され続けていた。橋本次郎さんの死体遺棄容疑などで2012年11月に逮捕されている。現在63歳。
李正則受刑者:在日韓国人。皆吉家長男の再婚相手の息子で、少年時代から皆吉家や長女・初代さんの嫁ぎ先である谷本家との交流があった。高校時代までは野球少年として健全に過ごしていたが高卒後は素行の悪い友人と付き合い始め入れ墨を彫ったりし始めている。
2002年に角田美代子と知り合ってから、角田ファミリーの「暴力装置」として君臨した。美代子からは「マサ」と呼ばれ寵愛され、2004年には角田美代子の伯父と養子縁組をし「角田正則」と名乗るようになる。元ヤクザだったともあるが、角田美代子が恐喝した相手には実際に「マサは元ヤクザやから怒ったら何をするかわからんで」と脅していたという。大江和子さんに対する死体遺棄容疑で2011年11月に逮捕、翌2012年9月には懲役2年6ヶ月の実刑判決を受け、以後服役中。現在39歳。
月岡靖憲:角田美代子の実の弟とされる人物。一連の連続変死事件には関わっていないが、弁護士を恐喝して総額10億円を奪ったとして逮捕されていたり、グリコ・森永事件に関連して重要参考人として事情聴取を受けるといった事もしている、かなり曰くのある人物であるには違いない。現在の年齢は60歳前後。
【橋本家】
角田美代子の幼少期から付き合いがある一家で、橋本芳子さんは2人の息子と共に角田家に間借りして暮らしていたという関係だった。長女も居たとの事だが1997年頃に逃亡して行方不明になっている。角田美代子とは基本的に同居生活を続けていた一家だが、長女以外の他の家族は全員不審死を遂げている。
母・芳子さん(死亡:不審死の可能性大):角田家とは1960年代から付き合いがある。夫は早くに亡くしていて、2人の息子と1人の娘がいた。1987年頃に行方不明になる。殺害されて尼崎市内の海に遺体を遺棄されたという証言があり、戸籍上の扱いでは「1994年に66歳で死亡」。
長男・久芳さん(死亡):2000年9月、長洲東通の分譲マンション購入の名義人。当時の同居人の中で住宅ローンが組めるのは久芳さんだけだったので狙われたと報道にある。2001年、角田美代子の指示で三枝子被告と結婚、角田久芳となるが、2005年、生命保険金目的で旅行先の沖縄県の万座毛で自殺強要され転落死。享年51歳。生命保険は計4社に加入。妻の三枝子被告に約1億円が支払われたという。
次男・次郎さん(死亡):尼崎市内で溶接工の仕事をしていた。角田ファミリーとの同居生活に嫌気が差し度々逃亡。2005年に一度潜伏先の東京から連れ戻されるが再び逃亡、皆吉家次男と共に東京都足立区に暮らしていたが2009年8月に潜伏先に角田美代子が現れ、次郎さんだけが連れ戻される。2011年7月、同居人少女への猥褻行為を行い角田美代子の逆鱗に触れた結果、激しい監禁・虐待行為に遭い死亡。遺体はドラム缶にコンクリート詰めされ、同年11月5日、好物のカキオコをいつも食べに来ていたという土地勘のよしみで岡山県の日生港にドラム缶入り死体が遺棄される。享年53歳。