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 ハイニックスがドル建て社債の発行を取りやめ、国内で転換社債に切り替えた今日この頃、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。まだまだ暑い日が続きますが、お身体に気をつけてお過ごしくださいませ。

韓国ハイニックス半導体がドル建て債発行中止、転換社債で代替
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-33352520080820
 韓国のハイニックス半導体(000660.KS: 株価, 企業情報, レポート)は20日、市況悪化を理由に、計画していたドル建て社債の発行を取り止め、代わりに韓国市場で9月5日に総額5000億ウォン(4億7770万ドル)の転換社債を発行する方針を明らかにした。
 同社が韓国取引所に提出した文書によると、転換社債は期間5年で、普通株への転換価額は2万9120ウォン。
 10月5日から転換可能。満期まで保有すると付与される金利は年間5.8%。
 ドル建て債は、4億7100万ドルの転換社債償還と事業資金に充てる予定だった。市場筋は8億ドルの発行を見込んでいた。』

 市況悪化とか、発行を取りやめたとか言っているけど、単に「発行できない」だけじゃないの? などと言ってはいけません、大人ならば。しかしこの「転換社債償還」によりキャッシュを受け取った外国人投資家は、瞬く間にドルに両替してしまい、韓国のドル枯渇に拍車が掛かる気も致しますが、まあ、他人の国のことでございますね。
 本日の主題は、我が国、日本国の経済についてです。

 8月2日のエントリーで、日本の「個人消費が減少しているという嘘」を、実質GDPや単独世帯数などを分析することで証明しました。
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/14301021.html

 これに対し、「デフレだからですよ」氏から「デフレだから、実質値が増えて見えるだけです。名目値は増えてません」という反論がありましたが、実は名目値で見てもここ数年、日本の個人消費は増えて続けているというデータ(と言うか、事実)を、またまた「dejita」さんから頂戴いたしました。いやあ、「デフレだからですよ」氏のような「日本ダメポ論者」が、いかに事実やデータを捏造するか、と言うかそれ以前に「全くデータを見ていない」かよく分かりました。
 「デフレだからですよ」氏のような「日本ダメポ論者」にとっては、事実とは自分の頭の中にある「規定事実(例:日本経済は破綻する)」で、現実の数値が示すものではないのですね。いやあ、勉強になります。「dejita」さん、ありがとうございます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_10.html#Meimokuti

 内閣府のデータによると、日本の個人消費は名目値であっても堅調に増え続けています。もちろん「アメリカの個人消費に比べれば、伸びていないじゃないか!」と言われれば、「ああ、そうですね」という感じですが、少なくとも「デフレだから、実質値が増えて見えるだけです。名目値は増えてません」は明らかに嘘でしょう。
 今年の上半期に絞ってみても、第一四半期が対前期比で0.8%、年換算で3%以上増加し、第二四半期は反動で対前期比0.3%、年換算で1%強の減少と、トータルでは明らかに増加しています。(名目値でも)
 ちなみに内閣府のページには、実質の数値も掲載されています。比較すると、大変面白いことが分かります。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe082/krnshihanki.pdf

 今年の日本の国内家計最終消費支出(実質値)は、第一四半期が0.7%増、第二四半期が0.5%減でした。いずれの四半期も、個人消費に限っては名目値が実質値を上回っているわけです。もちろんこれは物価の上昇の影響なのですが、それよりも何よりも重大なのは、この事実は日本がついに長きに渡ったデフレを抜けた事を意味しているのではないでしょうか?
 
 ちなみに、わたしが
日本及び先進諸国の経済について(前編)
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/15178076.html
のエントリーで使った個人消費の数値は、家計最終消費支出の方です。国内家計最終消費支出とは、微妙に数値が違うのは、そのためです。
 いずれにしても、今年の第一四半期から名目値の増加が、実質値の増加を上回っているのをご確認いただけるでしょう。

 また、内閣府のデータを見ると、一口に「個人消費」あるいは「国内会計最終消費支出」とか呼んでも、中身には色々ある事が分かります。具体的には、耐久財、半耐久財、非耐久財、そしてサービスの四種類ですが、この四つの増減を比較すると、なかなか興味深いです。
 例えば2008年になって、半耐久財の消費減少が著しく(Q1が-0.7、Q2が-2.1)、明らかに他の三項目の足を引っ張っています。では、果たして半耐久財とは何なのか? 興味がある人は、調べてみてください。

 さて、今後、つまり今四半期(第三四半期)からの日本の個人消費ですが、物価の悪影響ということであれば、第二四半期で終わりのようです。原油高が一息ついたというのもありますが、商品先物全般の指数であるCRBが今年の七月からから激減を始めており、物価の先高感は薄れてきました。(この辺もdejitaさんからの情報提供です、多謝)

http://www.trex-net.co.jp/market/sonota_chart/crb.html

 もちろん世界的な食糧不足(供給不足)の問題は解決しませんが、少なくとも日本の物価先高感は相当解消されるのではないでしょうか。今期以降の国内の個人消費は、かなり盛り返すと予想しています。
 但し、不動産と外需崩壊が日本経済の成長の足を引っ張る可能性は高く、残りの内需でカバーできるかどうかがポイントになります。
 その意味で、改造内閣以降の最近の日本政府が、内需に目を向け始めた事実は、少なくとも以前よりは大分マシだと考えています。(「日本経済はアメリカへの輸出次第だ」などとのたまう、財政重視派筆頭の与謝野が(金融、経済財政政策、規制改革担当)特命大臣なのが、正直限りなく不安ではあるのですが)

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