世界的なラテンアメリカ文学ブームの中心となった小説「百年の孤独」の作者で、ノーベル文学賞を受賞したコロンビア人作家、ガブリエル・ガルシア・マルケスさんが、17日、メキシコ市の自宅で死去した。87歳だった。3月下旬に肺感染症などで入院、4月上旬に退院したが自宅療養が続いていた。AP通信が伝えた。

 コロンビア北部アラカタカ生まれ。大学中退後、新聞記者としてローマやパリに駐在するかたわら創作を始める。独裁政府の弾圧で新聞が廃刊になるが、55年に初の作品集「落葉」を刊行した。

 59年のキューバ革命後、フィデル・カストロ前国家評議会議長と親交を結ぶが、政治とは一線を画す。メキシコで映画の脚本などを書きながら、67年に長編「百年の孤独」を刊行。奇想天外な事件や大洪水に錬金術など神秘的な事が起こる村マコンドを舞台に、ある一族の歴史を描いた神話的物語で、世界的ベストセラーとなった。