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【社会】

中学公民教科書、独自採択 竹富町、文科省に説明

 沖縄県竹富町が採択地区協議会の選んだ中学公民教科書とは別の教科書を使っている問題で、町教育委員会の慶田盛安三(けだもりあんぞう)教育長が十七日、文部科学省を訪れ、教科書採択での国の是正要求に従わないと決めた経緯を説明した。文科省は今後、地方自治法に基づく違法確認訴訟に踏み切るかどうかを判断する。

 慶田盛教育長は、前川喜平初等中等教育局長と面会した。町は石垣市、与那国町と八重山採択地区協議会をつくっている。協議会は二〇一一年八月に保守色の強い育鵬社の中学公民教科書の使用を答申した。

 竹富町はこれを拒否し、東京書籍の教科書を独自に採択。一二年度から、民間から寄付された東京書籍の教科書を生徒に配っている。

 慶田盛教育長は面会後に記者会見し「町の学校現場では何も問題は起きておらず、何ら違法とは思わない。主張を全く理解してもらえず、こんなに残念なことはない」と話した。

 前川局長は、協議会の答申通り育鵬社の教科書を採択した上で東京書籍版を副教材で使ってはどうかと提案したことを明かした。違法確認訴訟は「町教委の今後の取り組みをみて判断する」と述べた。

 文科省は三月、採択地区内での同じ教科書使用を定めた教科書無償措置法に違反するとして、竹富町教委に地方自治法に基づく是正要求を出した。町教委は従わず、四月から九つの中学校の生徒四十六人に東京書籍の教科書を配布した。

 

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