作家・村上春樹さんの9年ぶりの短編集「女のいない男たち」が18日、発売された。午前0時に販売した東京都内の深夜営業の書店は、いち早く手にしようと詰めかけたファンらでにぎわった。全6編のうち1編は書き下ろし。事前予約も殺到し、版元の文芸春秋はすでに計30万部の発行を決めている。

 東京都新宿区の紀伊国屋書店では17日深夜から、発売を記念したカウントダウンイベントを開催。0時を過ぎると、ファンら約40人がクラッカーを鳴らして祝った。列に並んでいた練馬区の会社員橋口真哉さん(27)は「19歳のときからファン。明日は仕事ですが、今夜中に少しでも読めればと思って来ました」と話した。

 月刊誌「文芸春秋」(昨年12月号)で発表した短編「ドライブ・マイ・カー」では、北海道中頓別町出身の女性が車窓から火のついたたばこを外に投げ捨て、主人公が「たぶん中頓別町ではみんなが普通にやっていることなのだろう」と思う場面に対し、町側が「誤解を招く」として抗議していた。単行本では、架空の町「北海道**郡上十二滝(かみじゅうにたき)町」に変更されていた。村上さんの初期の長編「羊をめぐる冒険」の舞台だった十二滝町を連想させる。