韓国、兵役拒否の代替服務を撤回　国防省「時期尚早だ」　

　【ソウル２５日共同】韓国国防省は２５日までに、宗教上の理由などによる「良心的兵役拒否者」に、病院や高齢者施設などでの代替服務を認めるとした盧武鉉前政権時代の決定について「時期尚早だ」として事実上、白紙撤回した。市民団体や野党陣営は「人権政策の後退だ」と強く反発している。

　徴兵制を実施している韓国では「エホバの証人」の信者ら毎年約５００－８００人が入隊を拒否。大半が懲役刑を科されているが、国防省は昨年９月に「『前科者』を量産する現制度を改善する」として代替服務を認める方針を発表した。

　来年１月にも導入する計画だったが、李明博現政権の与党ハンナラ党や退役軍人らは反対。国防省は今月２４日、兵務庁が委託した電話世論調査で、国民の約７割が代替服務に反対していると発表し「現時点で認められない」と態度を一転させた。

　市民団体などはこの調査について、代替服務制度では兵役拒否者に厳しい業務が課され、期間も通常の兵役の約２倍になることを説明せず、恣意的に行われたと指摘。