ジャッキー・チェンの最高傑作といえばカンフー路線なら「ドランクモンキー/酔拳」&「スパルタンX」、スタントアクション路線なら「プロジェクトA」&「ポリス・ストーリー/香港国際警察」を挙げる人が多いと思います。ここではジャッキーの刑事もの映画についていろいろ書いていきます。
▲「ポリスト」(警察故事)のチェン・カクー(陳家駒)刑事
最近発売されたばかりの「ポリスト1」完全日本語吹替収録版DVDではTV版と新録版の2種類の日本語吹替音声が聞ける仕様。映像は日本劇場公開版ではなく香港版(OP主題歌やマースの誕生日やラストのデパート外やNG集最後のガッツポーズがないJCディレクターズカット版)だが、香港劇場公開版そのままかどうかは判らない。
というのも、続編「九龍の眼」(以下「2」)はほぼ日本劇場公開版がDVD化されているので、要するに権利元のフォーチュンスター社がバージョン違いを全く把握してないという事ですね。「2」は微妙にカットされているらしく、日本のビデオ用吹替が映像とシンクロしないため、わざわざ新録吹替を作って収録している。「1」は日本でTV放送されたバージョンがBGMも含めて日本劇場公開版とあまりにも違うので、TV版吹替に追加録音してもファンは納得しない。
というワケで「1」も音楽をマイケル・ライ&馬飼野康二(主題歌「英雄故事」編曲)に戻して新録する事になった。新録という事はジャッキー日本語吹替声優・石丸博也サンの高齢化による声の限界が気になるので手放しでは喜べない状況だが、それでも今のうちに録音しておかないと取り返しのつかない事になる。とりあえず、JC版(日本公開版にないショットも複数ある)も最高の音楽で日本語版を楽しめるのは有難い。
悪徳刑事に裏切られワナにはめられたチェン刑事の逆転劇を描く「ポリスト1」は、染色工場の村を丸ごとぶっ壊すカークラッシュとそれに続くバスチェイスに度肝を抜かれ、クライマックスのデパートアクションでは美人女優ブリジット・リンまでもがガラスクラッシュバトルに巻き込まれる。それがあまりにも痛そうで、見ているこちらまで泣けてくるのが斬新だった。ジャッキーのアイドル性をかなぐり捨てた武田鉄矢チックな半狂乱演技も含めて、あらゆる意味で破壊が見所の傑作。言わば「クラッシャーJ」です(チェン刑事の英語名はケビンだったが後にジャッキーに統一)。ジャッキーは本作で“漢(おとこ)”になった。