Financial Times

ウクライナ:分離主義者に肩入れしていると非難されるオリガルヒ

2014.04.17(木)  Financial Times

(2014年4月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ウクライナ、対テロ作戦開始で東部に部隊集結

ウクライナ東部のスラビャンスクへ通じる道路上に築いたバリケードで、こん棒を持って警備に当たる親ロシア派の活動家〔AFPBB News

親ロシア派の分離主義者がウクライナ東部の政府庁舎を週末に占拠する中、首都キエフの親欧州派の活動家たちは一風変わった報復対象を見つけ出した。

 彼らが襲ったのはシステム・キャピタル・マネジメント社のビル、つまりウクライナ最大の富豪リナト・アフメトフ氏の本部だった。同氏は分離主義者の脅威に対して何もしないどころか加担さえしているという批判を、ビルの正面玄関にスプレーペンキで書きなぐったのだ。

 「リナトは分離主義者だ」「キエフから出て行け」。現場にはそんな文も書かれていた。

大きな政治的影響力を持つオリガルヒ

 これらのスローガンは1日足らずで書き上げられた。しかし、政界やテレビのトークショー、ソーシャルメディアなどで燃えさかる議論を沈静化させるには至っていない。アフメトフ氏をはじめとする、ウクライナ東部の工業地帯の出身で政界とのつながりの深いオリガルヒ(新興財閥)は今回の危機で二股をかけているのではないか、という議論だ。

 ビクトル・ヤヌコビッチ氏が今年2月に大統領の座を追われ、ロシアが「秩序を回復する」ための軍事行動をちらつかせた直後には、少数のオリガルヒが称賛された場面もあった。ウクライナの東部や中部で知事になってほしいという新政府からの性急な要請を受け入れ、ウクライナの結束を維持すると約束したオリガルヒも数人いた。

 ところが、次のような批判の声が上がっている。ウクライナで最も裕福なビジネスマンたちの中には、分離主義者の脅威をキエフの親欧州派政府との交渉材料として利用している者がいるかもしれない、というのだ。汚職にまみれ、オリガルヒが支配する政治経済システムに反対する集団抗議行動によって新政府が権力を掌握した後も影響力を保持するのがその狙いだという。

 ウクライナ大統領府のアンドリー・センチェンコ副長官は、オリガルヒはウクライナ東部を「さらに収奪できるように」、そして「数百万人の人々を(安価な労働力として)搾取し続けられるように」支配力を維持しようとしていると非難した。

 こうした見方が絶えないのは、オリガルヒたちがウクライナ東部でほとんど王様のような地位を得ているからだ。アフメトフ氏の持株会社は多種多様な事業に手を伸ばしており、ウクライナの巨大な鉱業、鉄鋼、電力セクターの半分近くを支配している。

 ウクライナ系の英国人で、ウクライナでの対政府活動関…
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