愛犬V
桜王子駅から路線バスで25分、風景が緑一色に変わり
駅からかすかに見え隠れした山々が間近に感じられる場所に『桜王子市立桜王子動物園』はあった。
昭和35年に建てられたこの動物園はまだテーマパークなど無かった時代には
入園するのに行列が幾重にも連なったほどの賑わいを見せていたが近隣に人気の動物達を
そろえた動物園が出来たのに加えレジャーの対象に動物園を選ばない世代が多くなり
最近では休日の入園者数も数人というのも珍しくはなかった。
今年で26になる加藤沙織はここで飼育係補佐として働いていた。
沙織が入職後は財政悪化から新人職員の募集が無く
ここ1〜2年はリストラで古い職員達は動物園を辞めさせられていたのだった。
沙織はため息を1つこぼすと目の前のドアをノックした。
コンコン…
「はいはい…どうぞ…」
「失礼します…」沙織は事務所のドアを開けてタバコの煙が立ち込める部屋の中へと入っていった。
事務所にはやる気の無い事務員達が暇そうに欠伸を繰り返していた。
(この人達をリストラすれば良いのに…)
先週、一緒に働いていた初老の飼育係が辞めさせらた事に沙織は怒りを覚えていた。
「えーと…加藤さんは明日からチンパンジーの飼育係だからよろしくね。」
「えっ…そんな急に…無理です」
沙織の担当していたのはニホン猿の飼育補佐だったので
経験の無いチンパンジーの飼育を明日からしろという言葉に驚いていた。
「大丈夫…大丈夫…同じサルの仲間なんだから出来るさ…」
動物の飼育に対する知識のかけらも無い事務員は笑顔で言った。
「まー死んじゃったら…しょうがないから気にしないで…」
「………。」
沙織は事務員の言葉に頭に来て言葉が出なかった。
「じゃっ…頼んだよ…」
無言のままでいる沙織の肩を叩いて事務員は男性誌を広げている隣の事務員の傍に寄っていった。
「おおっ…巨乳じゃん…」
沙織は男性職員の言葉を耳にしながら事務室のドアを閉めた。
翌日から沙織はチンパンジーの飼育担当として働いていた。
(あーあ…お昼のエサも食べてない…どうしよう…)
朝食に出した果物に一切、手がついておらず不安だった昼餌を食べていない事に沙織は肩を落とした。
「ねえ…ジョージ…お腹減ってないの?」
沙織は檻の隅に座って近づこうともしないジョージに声を掛けた。
今年で4歳になる雄のジョージは沙織に対して明らかに警戒していた。
「ジョージ…」沙織はしかたなく餌の皿を片付けると管理室に戻っていった。
「どうしたの…」
頭を抱え込んでいた沙織に和田が声を掛けた。
「全然…ご飯食べないんです…」
「そうか…食べないか…」
「このまま食べなかったら…どうしよう…私のせいで…」
「ジョージはバナナが好きだって…星谷さん言っていたけど…」
「お昼にバナナを出したんですけど…だめでした…。」
「そう…」
「……。」
「そうだ…星谷さんの日記を見れば…何かヒントになるかも…」
和田は管理室にある机の引出しを開けて1冊のノートを持ってきた。
『飼育日記』と書かれたノートには担当であった星谷が辞める日まで
事細かにジョージについて記してあった。
「こ…これ借りても良いですか…?」沙織は暗闇の中に一点の光を見つけた感覚を得ていた。
「ああ…本当は持ち出し禁止なんだが…どうぞ…」和田は笑顔で言った。
「あ…ありがとうございます…」
「じゃ…俺は掃除に行かなきゃならないから…」
「ありがとうございます…ありがとうございます…」
ドアから出て行く和田に向かって沙織はお辞儀を繰り返していた。
「そうか…」
沙織はジョージの檻の掃除を終えるとコンクリートの床に座って星谷の日記を読んでいた。
「お前…今…反抗してるんだね…?」
ジョージは何か気に入らない事があると
餌を食べない事で抵抗を示すという事が日記に記されていた。
(…やってみよう。)沙織は対応策として書いてあった内容を試してみる事にした。
「ジョージ…ほら…バナナだよ…」
沙織は檻の隅にいるジョージに向けて手にしたバナナを振った。
「どれどれ…あー…おいしいー」
ジョージの目の前で沙織は手にしたバナナを食べ始めた。
(見てる…見てる…よーし…)
「もう…1本食べようっと…」
沙織は再び餌皿に盛られたバナナに手を伸ばした。
「あーおいしー…おいしいーなー…」
バナナを食べ続ける沙織の姿をジョージは見つめていた。
唇の端に指をかけ物欲しそうにしながら時折、小さな声を発していた。
「ジョージも食べない…?」
沙織はバナナを頬張りながらもう片方の手に持ったバナナをジョージに差し出した。
「……。」
(食べて…)
やがてトコトコとジョージが沙織の傍にやってきて沙織の手からバナナを奪っていった。
檻の隅に駆け寄ったジョージはよっぽど空腹であったのか瞬く間にバナナを食べていた。
沙織がジョージの担当をするようになってから約1ヶ月経った頃に異変は起こった。
(昨日よりもグッタリとしてる…ご飯も残すようになってきたわ…)
日中、だるそうにコンクリート床に体を横たえている姿が多く見られていた。
表情にも覇気がなくうつろな目をしているジョージの姿に沙織は心配していた。
「眠れてないのかな…」沙織はジョージが
不眠状態になっているのではと思いその日は泊まってみることにした。
「AM2時ね…行ってみよう…」
管理室内にある宿直用のベットから体を起こし沙織はジョージのいる飼育部屋に行った。
夜行性の動物達の鳴き声が響くなか沙織はジョージの檻の鍵を開けた。
「クーン…クーン…」
檻の中でジョージは寂しそうな鳴き声をたてていた。
中に入ってきた沙織の姿を見るとジョージはタタタタタッと走り寄ってしがみついてきた。
今まで沙織に接近しようともしなかったジョージが
自分の体に強くしがみつくのに沙織は切なさを覚えていた。
「寂しいんだね…やっぱり寝られなかったんだね…」
星谷の日記に記してあった通りたまにジョージは孤独感から不眠に陥っていたのだった。
「よしよし…」沙織は腰を下ろし壁に背中をつけるとしがみついてくるジョージを抱いてやった。
(一人じゃ寂しいよね…)
ジョージの檻にはつい1年前までジョージの他に5匹のチンパンジーが
いたのだが経費削減の為にジョージの他のチンパンジーは近隣の動物園に引き渡されていった。
ジョージが不眠症になったのは一人ぼっちになってからで
前任の星谷も度々宿直して朝まで檻の中で過ごしてしたのだった。
ジョージは沙織の胸に顔を押し当てて安堵した表情で沙織の顔を見つめていた。
「眠りなさい…今日は一緒にいてあげるよ…」
ジョージは沙織の柔らかい胸に頬寄せながら甘い体臭を嗅いでいた。
星谷に抱かれたときに感じられなかった疼きがジョージは感じていた。
ジョージは唇を伸ばして沙織の乳首の辺りに吸い付いた。
「キャッ…」
宿直室のベットで仮眠を取ろうとしていた沙織は
Tシャツの下に何もつけていなかったので突然の感触に小さく声を発し体を起こした。
「クーン…クーン…」
ジョージは寂しげな声を出して沙織の顔を見つめていた。
沙織が再び抱きかかえるとジョージはうれしそうに沙織の胸に唇を押し当てていた。
「赤ちゃんみたい…もう…」沙織はジョージの唇が乳首に当たるくすぐったい感触を我慢することにした。
ジョージは執拗に沙織の乳首を唇で弄っていた。
翌日もジョージの目には沙織に対して雌としての対象に映っていた。
沙織にしがみつきながら勃起させたペニスを沙織の体に擦り込んでいた。
(ジョージ…)
沙織はそんなジョージが不憫でならなかった。
(雌のチンパンジーがいれば…こんなに苦しまないのに…)
沙織はジョージの体を抱きかかえながら、考え込んでいた。
(ジョージ…辛いの…?)
沙織は自然にジョージの腹を撫で始めた。
ジョージは吃立した自分のペニスと沙織の顔を交互に見ていた。
(………。)
柔らかい腹の部分を擦っていた沙織の手はゆっくりと下降していった。
意識がこめられた手の動きはやがてジョージの股間へと辿りついていた。
(ジョージ…)
(………。)
沙織は優しく真っ赤に膨張しているジョージのペニスに触れた。
ビクッ…
沙織の手が触れた瞬間にジョージは一瞬、体を振るわせた。
「大丈夫………私が……」
沙織は手のひらで吃立している熱い肉棒を包み込んだ。
熱をもった粘膜の感触が手のひらに伝わっていった。
「私が……してあげる…」沙織はゆっくりとその手を上下に動かし始めた。
人間のモノと違う感触は不思議な興奮を沙織に与えていた。
落ち着きの無かったジョージは気持ちよさそうに体を寄せてきていた。
細長いジョージのペニスは沙織の白い手の中で見え隠れしていた。
「気持ち…いいの?…ジョージ…?」
沙織はさらに硬化していく肉棒の感触を感じていた。
ジョージは沙織の胸に顔を押し付けたまま与えられる快感に浸っているようであった。
沙織はジョージの横顔を見ながらその手の動きを速めていった。
(あっ…)
沙織のTシャツに熱い飛沫が降りかかった。ジョージは
沙織の手が精液でまみれるほど何度も何度も射精を繰り返した。
沙織はしばらくの間、ジョージの精液を体で受け止めていた。
やがて膨張したペニスの芯が和らぎ始めジョージの射精は終わった。
「ビショビショになっちゃった…」沙織は鉄臭いジョージの精液臭にまみれながら立ち上がった。
ジョージは満足気な顔をして沙織の傍から離れいつも遊んでいる運動場の古タイヤに走り出していった。
「元気でたのかな…?」沙織は遊びまわるジョージの姿をみながらTシャツを換えるために檻を後にした。
ジョージの精力は休む事を知らず日中何度も沙織の手を欲しがった。
「もう…こんなことばっかりして……」
最近、ジョージが覚えた顔へのキスをされながら沙織はジョージの股間に手を伸ばした。
ジョージは沙織からペニスへの愛撫を気持ちよさそうに受けていた。
相変わらずジョージは沙織の乳首へ唇を伸ばし始めていた。
「また……ジョージのH…」
ブラジャーをしていてもまるで場所が分かっているかのように蕾部分を的確に捉えていた。
「………。」
沙織も実は期待している自分がいる事を知っていた。
ジョージの熱いペニスを擦りながら硬化していく乳首の感触を感じていた。
「………。」沙織は周囲を見渡しブラをずらした。
「んっ…ふぅぅぅぅっ…」
Tシャツの下で露わになった乳首にジョージの唇が触れていた。
「はぁぁっ…んんんんんんんっ…」
日中でもあり他の担当者がいつ来るかも分からない為沙織は声を殺していた。
ジョージは沙織が反応していくのを知っているのか器用にTシャツ越しの蕾を吸い付いた唇で愛撫していた。
「んんんんんっ…」沙織は敏感な乳首をジョージに弄られながら手にしたペニスを激しく扱いていた。
ビュッ…ビュッ…
やがてジョージは熱い精液を何度も放った。
ジョージは満足したのか沙織の胸から顔を離し体を移動させようとした。
しかし沙織は萎んでいくペニスを尚も扱き続けた。
「もっと…もっと…だして…」
沙織はジョージの精液の染みがTシャツに広がっていくのも構わずに
赤く細長い肉棒を上下に摩擦していた。
ジョージのペニスはすぐに機能を復活させ硬度を増していった。
生殖本能がそうさせるのかジョージは沙織の手の動きにあわせ腰を動かしていた。
「もっと…もっと…ジョージ…」
沙織の空いている手はいつしかジーンズ越しに股間を擦っていた。
興奮の極地にあるジョージは沙織の肩に手をかけて無我夢中で腰を振っていた。
沙織は何度もジーンズのジッパーを下ろし洪水状態になっている恥裂を弄りたいと
感じていたが他の担当員の動きが気になり実行できずにいた。
(あああああっ…私も…感じたい…)自らの股間を弄る沙織の手に力がこもっていた。
やがてジョージは沙織の顔目掛けて大量の精液を放った。
頬を伝うジョージの精液が唇の端から流れ込んできた。
酸味のある精液味に沙織は恍惚の表情を浮かべた。
「そう…急に宿直かい…大変だね…」
「ええ…あまり…元気ないみたいなんで…」
「じゃ…がんばってね。さようなら…」
「お疲れ様でした…さようなら…」管理室を出ていく和田の姿を沙織は見送っていた。
「……。」
ジョージに異常は無かった…
自分が…
ジョージの檻で泊まりかった…。
警備員が帰る12時までがとても長く感じられた…。
1時になると沙織は管理室から外に出ていった。
ジョージは檻の隅で寝息を立てていた。
鍵を外す音に気づいたジョージは沙織の姿を見つけるとうれしそうに掛け回った。
「起こしちゃった…?ごめんね…」
沙織はジョージに謝りながら檻の中に入っていった。
いつものようにジョージは沙織の正面からしがみついてきた。
「ジョージ…よしよし…」
沙織はこないだのようにジョージを抱いたまま壁に背をつけて座り込んだ。
「ジョージ…」
ジョージはすぐにブラジャーを外したままのTシャツの乳房に唇を押し当ててきた。
「………。」柔らかい唇が沙織の蕾を包み込みこないだと同じ快感が沙織を酔わせてきた。
沙織は乳首にむしゃぶりつくジョージの頭を撫でながら乳房から伝わる淡い快感を感じていた。
「ちょっと…待ってね…」
沙織は少し恥ずかしそうにジョージに言うとTシャツを脱いだ。
暗い檻の中に差し込む淡い月明かりに沙織の白い乳房が映し出されていた。
ジョージはすぐさま露わになった沙織の乳首に吸い付いてきた。
ジョージの柔らかい唇が敏感な乳首にダイレクトに伝わる刺激に沙織は悶えた。
「……んふぅぅぅ…」
沙織の口から快感を表す甘い吐息が漏れていた。
乳房の蕾が硬化していく感触を覚えながら
沙織は股間に熱い疼きがこみ上げてきているの感じていた。
「……ふんんんっ…あふんんんっ…」
鼻から抜けてくるような恥ずかしい声を沙織は漏らしていた。
熱い滴りが下着に染み出していくのを沙織は感じていた。
「あ…んんんんんっ…」
ジョージも沙織の放つ性臭に気づいたのか乳房から顔を離して股間に移動させた。
沙織はジョージの行動に気づきゆっくりとジーンズのジッパーを降ろしていった。
「ジョージ…ジョージ…」
沙織はジーンズを足首から抜いて白いパンティを露出させた。
「嗅いで…いいのよ…」
ジョージは初めてみるパンティに少し驚いたようであった。
沙織は背中が汚れるのも構わずに体を床に這わせると両手で膝の裏を抱え込んだ。
ジョージの目の前に沙織は下着姿の股間を曝け出していた。
パンティの中央部は肉裂の膨らみを見せ滲んだ愛液の染みが広がっていた。
やがてジョージはクンクンと鼻を鳴らしながら沙織の股間に鼻を押し付けてきた。
「……んっ……んっ……んっ……んっ……」
数え切れないほどの絶頂を味わい放心状態の沙織は貫かれる度に唇から低い声を漏らしていた。
「も…もう…やすま…せて…」
沙織の言葉が発情し本能のままに動くジョージの耳に届くわけがなく
己の精を放つまでジョージは激しく責め続けていた。
「ん…ん…あああああああああああああああっ…」
深い吐息とともに沙織は十数回目の絶頂に達した。
辺りはすでに昼間の光景を見せていたが昨夜から延々と続くジョージの責めは終わりを見せなかった。
もう沙織は何も感じなかった。
感覚が麻痺していた。
現実感さえなくなっていた。
何も考えられない…
ガラガラガラ…
「か…加藤さ……ん…」
沙織の事が心配で和田は様子を見にきたのだった。
檻の扉が開く音と人の気配に沙織は顔を向けた。
そこには驚いた顔をしている和田の顔がぼやけて見えた。
(あっ…和田さん…)和田は何やら慌てた表情で叫んでいたが沙織の耳に入らなかった。
(私…)
沙織はジョージに犯されたまま朦朧した頭で和田に声をかけようとした。
(私…ジョージと関係つくれたみたい…です)