株式会社三橋貴明事務所
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『規制緩和を考える(前編)①』三橋貴明 AJER2013.6.11(3)
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6月30日(日) 益茂証券主催「アベノミクスと日本経済の行方」(会場:福井県福井市)
※好評につき満席となりました。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#Masmo
もしくはhttp://www.masumotto.com/contribution?id=cnt47113
7月11日(木) 第11回烏山講演会「世界経済とマスコミの嘘」(会場:東京都)
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_42.html#karasuyama
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伊勢から帰ってきました~。幹事会の皆様、お疲れ様でした。
しかし、伊勢は何を食べても美味しいですね。だからこそ、天照大御神をお遷ししたのでしょうけれども。
あまりメディアでは取り上げられていませんが、先日の世界経済フォーラムの関連会合で、安倍総理が実に「画期的」なことを仰っています。
『成長なくして財政再建なし=安倍首相
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013061100382
安倍晋三首相は11日午前、東京都内で開かれた世界経済フォーラムの関連会合で演説し、経済政策に関して「成長なくして財政再建なしだ。財政緊縮ありきのやり方でいくと日本は成長できない」と述べ、成長戦略に最優先で取り組む意向を強調した。
首相は「アベノミクスとは世界経済と日本経済のウィン・ウィン(相互利益)、経済成長と財政再建のウィン・ウィンだ。これ以外、日本の選択肢はない」などと語った。』
日本の総理大臣が、
「財政緊縮ありきのやり方でいくと日本は成長できない」
「成長なくして財政再建なし」
と、まとも(というか普通)のことを発言するのは、もしかしたら初めてなのではないでしょうか。麻生財相の総理時代ですら、ここまではっきりとは言えなかったように思えます。
本ブログで何度も取り上げた「ラインハート・ロゴフ論文がウソだった」件は、意外に影響力が大きく、すでに欧州では、
「緊縮財政で経済成長をもたらす」
という主張が説得力を持たなくなっています。国民が「緊縮財政疲れ」に陥っているのが大きいですが、そもそも「緊縮すれば、財政健全化が達成できる」というロジックが、「現実」と「理論」により否定されつつあるわけです。
もちろん、この流れは一部の政治家(特にドイツの政治家)にとっては我慢ならないもので、まもなく開催されるG8で議論になると思います。
日本に話を戻しますが、問題の「成長戦略」がどうなっているかといえば、総理は同講演で、
「投資に手がける税制改革は、前年の年末に決めるのが通例だが、今年は秋に決める。思いきった投資減税や新陳代謝を促す税制など私の成長戦略に制限はない」
と、語られていまzす。
「それ(設備投資減税)は成長戦略というよりは、財政出動では・・・?」
という突っ込みを入れたくなってしまいましたが、「デフレ対策」「成長のための政府の政策」としては真っ当です。麻生財相や(まともな)内閣官房参与の方々の影響力が回復し始めているように思えます。
総理の意向を受け、設備投資減税は自民党の参議院選挙の「公約」に盛り込まれるべく調整が行われています。
『自民党 公約に投資減税で調整
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130616/k10015333621000.html
自民党は経済の成長戦略の1つとして企業の設備投資を促したいという安倍総理大臣の意向を踏まえ、参議院選挙の公約に「思い切った投資減税を行い、法人税の大胆な引き下げを実行する」という文言を盛り込む方向で最終的な調整を行うことにしています。(後略)』
法人税の「無条件」の減税と、設備投資減税は、政策の性質が全く違います。
もちろん、法人税の無条件減税にしても、企業の設備投資を誘発するためにやるわけですが(いわゆるトリクルダウン)、
「法人税を減税しても、企業が設備投資を増やしてくれるか否かは、誰にも分からない」
という問題を抱えています(そもそも、日本の法人企業の七割超は赤字で、法人税をほとんど払っていませんが)。法人税を減税し、企業が内部留保や配当金を増やす「だけ」では、国民経済の成長への貢献は著しく低下します。
無条件の法人税減税を求める人たちは、
「法人税を引き下げ、外国企業の投資を呼び込む」
などと「それっぽいこと」を言いますが、これほどまでに国民所得が高く、デフレで需要が伸びない国に投資するような酔狂な企業は、そうはありません。と言いますか、この手の発言をする人は、やはり「経済的自虐史観」に冒されており、日本国が「外国の手を借りなければ成長できない」と思い込んでいるのだと思います。
日本国は資金、技術、人材等のリソースは十分であり、十分すぎる故にデフレが継続しているだけです。日本に必要なのはリソースが投入されるべき「需要」であり、外国企業のリソースなど不要です。
1990年代のアイルランドは、法人税を劇的に引き下げることで外国企業の投資を呼び込み、「ケルトの虎」と呼ばれる成長を果たしました。が、当時のアイルランドは資金、技術、人材等のリソースが「不足している」という問題を抱えていたのです。しかも、国民所得は欧州最低クラス(人件費が安い)で、さらに国民が英語を喋るとなると、法人税減税による外資呼び込みは確かに効果があったのでしょう。
とはいえ、現在の日本は当時のアイルランドが備えていた条件を「一つも」保有していません。「ある国」の「ある時期」に適切だった政策が、「他の国」「他の時期」にも有効とは限らないわけでございます。
さて、総理が、
「財政緊縮ありきのやり方でいくと日本は成長できない」
と発言した以上、今後、財務省の圧力が高まり、メディアのミスリードが頻発してくるでしょう。消費税増税という「致命的政策ミス」を回避するためには、「成長こそが全ての解である」という正しい認識を持つ国民を増やし、政治的な圧力をかけていくしかありません。国民が「政治的圧力」を加える絶好の機会である参議院選挙が、一か月後に迫ってきました。
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◇日本経済復活の会
積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。
Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
連載中
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