安倍政権はオバマ大統領の滞在が2泊になるように懸命の努力を注ぎ、この要請が受け入れられた。
米国が日本の要請を受け入れたということは、これと引き換えに日本が米国の要請を受け入れたということでもある。
それが何であるのかが問題だ。
推察されることが二つある。
一つは、集団的自衛権行使を安倍政権が憲法解釈を変更して容認すること。
もう一つは、TPP交渉で日本が米国の要請を受け入れて譲歩することである。
しかし、もしこのような取引が行われたとするなら、これは安倍政権の個人的な利益と国民の不利益が交換されることを意味することになり、問題である。
集団的自衛権の行使容認とは、米国が世界中で創作する戦争に、日本が戦闘要員として駆り出されることを意味する。
米国としては、米国のための戦争に日本軍を活用できるわけだから、これを要望することは分かる
しかし、日本には日本国憲法があり、
「国際紛争を解決するための手段としては、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使を、永久に放棄する」
ことを定めている。
集団的自衛権の行使は、国際紛争を解決するための手段として武力を行使することであり、憲法違反であることは明白である。
憲法解釈について、専門家を名乗る人々がさまざまな詭弁を呈するが、そもそも憲法は専門家のために存在するものではなく、すべての主権者国民のために存在するものである。
憲法の解釈は、専門家が詭弁を駆使して、政治権力の意向に沿うものとするべきものでなく、主権者国民が条文の文言から一般的に読み取れる内容に依って解釈されるべきものだ。
憲法は、主権者のために、政治権力が勝手な行動をとらぬよう、政治権力の行動を縛るために存在している。
政治権力自身が憲法の解釈を勝手に変更して、憲法に定められていることを踏みにじる行為を正当化しようとする行為は許されない。
主権者はこのようなことを断じて許してはならない。
TPPについては、2012年12月の総選挙においても、2013年7月の参院選においても、国民にかかわる重大問題として重要争点に掲げられた。
安倍晋三氏が率いる自民党は、
「聖域のない関税撤廃を前提とする限りTPP交渉には参加しない」
ことを明確に示しただけでなく、6項目の公約を提示した。
つまり、安倍政権は主権者国民との間に、6項目の公約を交わしているのである。
したがって、最低限、この公約を守る必要がある。
6項目の公約とは、
1.特定5品目の関税を維持する
2.食の安全・安心の基準を守る
3.自動車等について数値目標を受け入れない
4.国民皆保険制度を守る
5.主権を損なうISD条項を受け入れない
6.政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる
である。
大事なことは安倍政権が主権者国民との約束を守りつつTPP交渉を行っているのかということだ。
メディアは、関税撤廃、関税率の引き下げばかりに焦点を当てるが、最大の問題は言うまでもない。
ISD条項である。
ISD条項が盛り込まれると、日本の主権は侵害される。
国家の決定の上位に世銀傘下の裁定機関の決定が位置することになる。
現代版の治外法権である。
自民党は、主権を侵害するISD条項を受け入れないことを主権者と約束している。
安倍政権が交渉を進めているTPPにISD条項が盛り込まれていないのかどうか、まずはこの点を確認しなければならない。
安倍自民党が主権者国民との公約を無視してTPP交渉で米国と大筋合意することが許されてはならないのである。
メディアはオバマ大統領の訪日を大きく伝え、安倍政権の対応に対する批判的評価の姿勢を持たないが、このようなことでは国益や国民の利益を守ることなど不可能になる。
主権者国民は厳しい監視の目を光らせねばならない。
これまでに報じられているところによると、日本のTPP交渉は、主権者国民
を完全に裏切るものでしかない。
自動車等に関する数値目標の設定について、実は日本政府は米国政府と単独で
交渉し、すでに主権者との約束を踏みにじる決定を交わしている。
つまり、米国との間で自動車輸入の数値目標の設定を受け入れているのであ
る。
日米先行協議である。
また、日本郵政に対して保険新商品の認可を見送ることも決定している。
さらに、米国の自動車関税の撤廃を最大限、遅らせることも決定している。
安倍政権は自動車の数値目標、日本郵政への保険新商品認可見送りなどが、公
約違反だと指摘されないように、これらの事項を、TPPそのものにではな
く、日米先行協議の中に盛り込んでいるわけだが、これこそ、ペテン行為=詐
欺行為である。
よく知られているように、自民党は2012年12月総選挙の際に、
ウソつかない。
TPP断固反対。
ブレない。
日本を耕す!!自民党
のポスターを貼り巡らせた。
主権者は、当然のことながら、自民党がTPP反対であると認識して投票に臨
んだ。
その自民党が2013年3月に、TPP交渉参加を決めた。
「聖域のない関税撤廃を前提とする限りTPP交渉には参加しないと言ってき
たが、聖域のない関税撤廃を必ずしも前提とはしないということだからTPP
交渉に参加する」
のだとの説明が示された。
ところが、実際のTPP交渉では、米国が執拗に関税撤廃を迫っている。
一部品目に関税設定が認められるとしても、その関税率が低いものであれば、
関税撤廃と同等の影響が発生する。
関税を残存させることは自由貿易に反するから、関税を維持すべきだとの意見
は、自由貿易に反する、国内農業への過保護政策であるとの批判があるが、こ
の批判は一面的なものでしかない。
関税を維持することは、国内農家を守るための措置ではなく、日本国民の生
活、日本社会そのものを守るための措置なのである。
詳しくは東大教授である鈴木宣弘氏の著書
『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』
(文春新書)
http://goo.gl/wxTNAq
元農水相である山田正彦氏の著書
『TPP秘密交渉の正体』(竹書房新書)
http://goo.gl/14k4Fj
「食政策センター ビジョン21」を主宰する安田節子氏の著書
『自殺する種子‐アグロバイオ企業が食を支配する』(平凡社新書)
http://goo.gl/lx3NJ1
などを熟読する必要がある。
TPPに参加すれば、単に重要品目の関税率が大幅に引き下げられる懸念が大
きいだけでなく、食の安心や食の安全を確保できなくなる可能性が極めて高く
なるのである。
取り返しのつかない大きな代償を払わされることになる。
また、日本農業を崩壊させてしまうことは、日本の食糧自給率を大幅に引き下
げる結果を生み出すだろう。
日本社会は変質されてしまうだろう。
農業には、国土保全機能、生物多様性保全機能、景観保全機能などの重要な機
能がある。
農業を目先だけの金銭だけの損得勘定だけで考えることは、より重要な大きな
価値を失うことを意味するのである。
憲法9条にさまざまな意見があるのは事実だ。
しかし、憲法は国の基本法であり、日本が法治国家である以上、憲法を遵守
し、尊重することは当然である。
日本国憲法は日本の武力行使について、明確な規定を置いている。
「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決
する手段としては、永久にこれを放棄する」
ことが明記されている。
集団的自衛権行使とは、日本が直接に攻撃を受けていなくても、同盟国である
米国が攻撃を受けた場合に、日本が海外で米国のために武力行使することを認
めるものである。
誰がどのように憲法を読んでも、これが憲法違反であることは明白である。
憲法の規定があるのに、屁理屈を並べて、解釈を変えてしまうというのは、あ
まりにも愚かなことである。
愚かな政党が愚かな提案をして、それを国会が毅然と排除するというのなら理
解できるが、国会を構成する多数の政党が、この愚かな提案に賛意を示すとい
うのでは、日本の法治主義は根腐れを起こしているとしか言いようがない。
政治は本来主権者国民のものである。
この基本に立ち返るべきだ。
国民が政治的関心を失い、選挙にも行かず、法の支配をないがしろにするよう
な政党が、議会多数議席を占有して、独断専行で政治を行うようになれば、国
は滅びてしまうだろう。
いま日本は、この意味での滅亡の危機に直面しているのだ。
この事態を打破するには、もう一度、主権者である市民が政治に積極的に参加
し、主権者が主導する、まっとうな政治を再確立しなければならない。
2009年から2010年にかけて、主権者が主導する政治が確立されかけた
が、既得権益の猛反撃によって、このまっとうな道が破壊されてしまった。
しかし、ここで諦めたのでは未来はない。
もう一度、一から出直し、主権者の主権者による主権者のための政治再確立を
実現してゆかねばならない。
« ★飛行機雲ではないよ ケムトレイルだよ! l ホーム l ★お鎮まりジャッパン大作戦! »