漸化式について
漸化式(ぜんかしき)は、数列分野の最重要事項の1つである。その漸化式で最も重要なのは、一般項を求めることができるかという点である。10以上のパターンを素早く認識し、各パターンに応じた解法をとる必要がある。パターンは多いが、根本的には、等差・等比・階差の3パターンのいずれかに帰着する型がほとんどであり、ポイントをおさえて要領よく学習していけば、それほど網羅は難しくはない。また、常に、「一般項を予想して数学的帰納法で証明する」という最終手段があるということは意識しておいてほしい。
これらのパターンの中で、特に2次記述試験で重要なのは、「等差数列型」「等比数列型」「階差数列型」「特殊解型」「n次式型」「指数型」「和混在型」「基本分数型」「隣接三項間型(異なる2解)」「連立漸化式(対称型)」である。センター試験では、最初の4つの型が重要である。
また、数列分野は、検算が容易な分野の1つである。特に漸化式の一般項を求める問題の場合、n=1、n=2、・・・をいくつか代入してみるだけで、正解か否かがほぼわかる。最終的な答えが出た後、必ず検算する癖をつけておくこと。
等差数列型・等比数列型・階差数列型・調和数列型の漸化式
等差・等比・階差型は、他の漸化式の基礎となるものであり、確実に見抜けるようにしておかなければならない。見抜きさえすれば、後は漸化式は関係なく、普通の数列の問題である。
調和数列型は、分母を払った形で登場すると非常に気付きにくいが、たまにこの型も見かける。
漸化式から一般項を求めるとき、式変形ではなく、漸化式の意味を考える必要があることに要注意である。
特殊解型の漸化式 an+1=pan+q
特性方程式を利用するこの漸化式は、漸化式特有のパターンの中で最も重要で頻出の漸化式であり、必ず解けるようにしておく必要がある。
n次式型の漸化式 an+1=pan+(n次式)
この型は、誘導されていることが多いが、誘導なしでも解けるようにしておくのが望ましい。2つの方法のどちらも、漸化式を解く上で重要な考え方を基になっているので、しっかり理解しておいて欲しい。
指数型の漸化式 an+1=pan+rn
この漸化式は、基本的に誘導なしで出題されるので、パターンとして暗記しておかなければならない。
階比数列型の漸化式 an+1=f(n)an
差がnの式である階差数列に対し、比がnの式になっている漸化式だが、正式な用語ではない。答案には「階比」という用語は使わないほうがよいだろう。
f(n)an+1=f(n+1)an+qとその類似型
これらは他の漸化式とは一線を画す特殊なものであるため、経験しておかないと解くのは難しいだろう。ただし、n+1の部分とnの部分をまとめるという考え方は重要である。
分数型や階乗型の和の求め方は、階差を利用して和を求める分数型のパターン、および、階差を利用して和を求める根号型と階乗型のパターンで確認して欲しい。
対数型の漸化式 積an+1an、累乗(an)p、累乗根などを含む漸化式
和Snと一般項anが混在した漸化式
基本分数型の漸化式 an+1=pan/(qan+r)
これは、誘導なしで解けるようにしておくべき漸化式である。
一般分数型の漸化式 an+1=(pan+q)/(ran+s)
漸化式パターンの中で最も難しい。繰り返し変形の反復練習をしておかなければ、誘導があったとしても本番で解くのは難しいだろう。
隣接3項間型の漸化式 an+2+pan+1+qan=0
この型は、応用的な漸化式パターンの中では、最も頻出で重要なものであり、誘導なしで出題される。特性方程式の作り方や特殊解を用いてどのような式を作るかを暗記しておく必要がある。
連立漸化式 an+1=pan+qbn、bn+1=ran+sbn
対称型は、誘導なしで解けなければならない。一般型は、誘導されることが多い。
対称型の連立漸化式は、対称型の連立方程式の解法と類似しているので、確認しておいて欲しい。
1つおきの漸化式 an+2=f(an)
偶奇の場合分けが必要である。大まかな方法が分かっていても、細かいミスをしやすいので注意する。
推定型の漸化式(数学的帰納法で証明する最終手段)
漸化式では、常に数学的帰納法による証明という最終手段がある。数学的帰納法は、漸化式だけでなく、あらゆる自然数の命題で使える可能性があるので、正しく使えるようにしておかなければならない。また、数学的帰納法は、「最終結果を先に宣言しておく」という記述上のテクニックがあるので、ここで確認して欲しい。