(2014年4月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
金勇澈(キム・ヨンチョル)氏の内部告発をきっかけに、サムスングループの捜査が始まり、李健熙(イ・ゴンヒ)会長が脱税と背任の有罪判決を受けることになった〔AFPBB News〕
金勇澈(キム・ヨンチョル)氏がサムスングループの法務チームのトップからパン屋のレジ係に転身するまでに、たった4年しかかからなかった。
この4年間に、金氏は韓国史上最も注目を集めた内部告発者になった。サムスンの汚職を告発し、それを受けた捜査の結果、李健熙(イ・ゴンヒ)会長が2008年に脱税と背任の有罪判決を受けることになったからだ。
金氏による最も重大な告発――韓国最大の企業集団が検察官や判事、国会議員などに賄賂を送るために巨額の裏金をプールしていたという指摘など――は、金氏は信用できないと評した検察当局に退けられた。金氏は韓国南部の生まれ故郷、光州市に隠遁した。
名誉毀損の裁判で召喚され証言へ
しかし今月、金氏は全国から注目される舞台に再び登場する。黄教安(ファン・ギョアン)法務部長官が大手全国紙を名誉毀損で訴えた裁判で証言することになったからだ。
韓国日報は昨年10月、黄氏が1999年にサムスンから1500万ウォン(1万4400ドル)相当の商品券を受け取っていたと報道した。当時の黄氏は検察の幹部で、サムスン幹部が犯罪行為を行ったとの申し立てを退けた捜査を指揮した後に、この商品券を受け取っていたという。
これに対し黄氏は、不正行為など一切行っていないと反論し、韓国日報を訴えた。裁判は1月から始まっている。「黄氏はサムスンから金品を一切受け取らなかった」と同氏の弁護士は述べた。また、嫌疑をかけられた検察官の銀行口座をチェックした2008年の特別捜査により、同様な告発も既に退けられていると付け加えた。
「韓国日報は、間違った申し立てをあたかも新たな容疑であるかのごとく、それも裏付けもないまま報じることによって法務部長官の評判を著しく傷つけた」とこの弁護士は述べている。
韓国日報とサムスンは、この裁判についてのコメントを拒んだ。
金勇澈氏はこの裁判で証人として召喚され、4月30日に公の場に姿を現すこととなった。金氏は、サムスンに勤務していた時期に検察官やその他の政府高官に賄賂を配る作業に自ら関わっていたと主張しており、韓国日報の報道はそれに合った内容だった。