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今夏にも自由通行 6号国道双葉-富岡

 東京電力福島第一原発事故の影響で、帰還困難区域となり通行規制されている6号国道の双葉-富岡町間(14キロ)が、今夏にも自由に通行できる見通しとなった。石原伸晃環境相が1日の閣議後会見で、今月中に規制区間で国直轄除染を始めることを明らかにした。除染や条件整備には数カ月かかり、終了次第、浜通りを南北に貫く6号国道全線の往来が可能になる。住民の利便性が向上し、復旧・復興が加速すると期待される。
 環境省が除染するのは双葉、大熊、富岡の3町の6号国道で、通行が規制されている14キロ。道路表面やのり面などの除染作業は約3カ月で終了するとみている。さらに、政府の原子力災害対策本部が1カ月程度かけて除染効果を確認し、防犯・防災対策を整え、規制を解除する方針だ。
 規制区間の1時間当たりの空間放射線量は高い場所で約30マイクロシーベルトとなっている。同省の担当者は「現在の通行車両に配慮しながら、作業スケジュールを今後決定するが、できるだけ早く終了させたい」としている。
 同区間は、東日本大震災による被災箇所の復旧工事を終えている。現在、避難区域の住民が通勤や通院、一時帰宅を理由に各市町村から「特別通過交通」の許可を受けた場合のみ通行できる。原発の廃炉作業や、除染などの復旧・復興を担う事業者も許可を受けている。1日約2500台の車両が規制区間を通行している。
 石原環境相は会見で「6号国道は福島の復興・復旧のため重要な幹線道路。県や市町村からの要望を受け、除染を実施する」と語った。根本匠復興相(衆院本県2区)も同日の閣議後会見で「6号国道は地域再生に大きな役割を果たす。環境省に(除染を)強力に進めてもらいたい」と求めた。
 規制区間がなくなると、県内の6号国道はいわき市から新地町までの全163キロが平常通りに通行できる。
 常磐自動車道は、平成27年のゴールデンウイーク前までに全線開通する見通し。

カテゴリー:福島第一原発事故

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