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「原発に負けない双葉高」卒業生らが訴え

チャリティーTシャツを販売するOBの遠藤義之さん(左)(撮影・三須一紀)
チャリティーTシャツを販売するOBの遠藤義之さん(左)(撮影・三須一紀)

 福島第1原発から3キロ圏内にある双葉高校のOBとOGが2日、都内で学校存続を訴えた。「原発事故に負けない! たたかうぞ双葉」と題したイベントを中野で開催。「教育被災」について討論を行った。

 原発事故でばらばらになった双葉郡内の教育を再生しようと15年4月、広野町に中高一貫校が開校予定。同時に双葉高は一時、休校となる。学校設立や病院建設は復興の象徴となるが、作家の志賀泉さん(54)は「子どもを復興材料に利用してはいけない」と話す。「広野に原発作業員は多く住んでいるが以前からの住民は1000人にも満たない。新設校を作る意味はあるのか」。

 原発から10キロ圏内の富岡町に自宅を残し、いわき市内で生活する遠藤義之さん(41)は「妻子は都内に避難させている。子育て世代が双葉郡に帰りたいはずがない。教育関係者の既得権益を守るだけの新設校建設と思えてしょうがない」と言い切る。

 映画監督の佐藤武光さん(65)は「福島県内だけで議論しててもダメ。日本中で論じるべき」と、OBたちで訴え続けるつもりだ。【三須一紀】

 ◆福島県立双葉高校 1923年(大12)4月、県立双葉中として創立し48年に現校名。双葉郡内の進学校。現在は、いわき明星大を間借りして授業。野球部は夏の甲子園に3度出場。主な卒業生は元衆院議員の田中慶秋氏。震災までの住所は双葉町大字新山字広町80。

 [2014年4月3日9時18分 紙面から]

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