(テーマ音楽)
(ストコフスキ江守徹)中世ヨーロッパ最大の城。
ここはドイツ騎士団の野望の砦でした。
ポーランド北部のマルボルクです。
今日は赤レンガの堅固な城郭マルボルク城をご案内しましょう。
この城は今博物館になっており私は城を管理し歴史を研究している学芸員です。
どうです?大きな城でしょう。
城を築いたのはドイツ騎士団です。
ドイツ騎士団はカトリックの修道会ですが軍事的な集団でした。
13世紀十字軍の遠征から戻った彼らは今度はこの城を本拠地としてキリスト教の布教に携わりました。
しかし彼らは神の国のためではなく自分たちの世俗的な国のために戦い始めました。
瞬く間に力をつけヨーロッパ全土で最も強大な政治組織を作り上げたのです。
城は修道院でもあり騎士たちは僧侶でした。
個室は祈りをささげるための部屋です。
しかし実際はドイツ人の東方進出の先兵でした。
異教徒たちを武力で制圧してその土地を自分たちのものにしていったのです。
マルボルク城は彼らの権威と力の象徴でした。
ここは騎士団総長の館です。
宮殿と呼ばれまるで国王の部屋のようでした。
騎士団はこの旗のもと領土を拡大していきます。
バルト海沿岸はドイツ騎士団によって征服されました。
騎士団は13世紀から14世紀にかけて120の城と90の町をつくり自分たちの帝国を築きました。
そして金儲けにも力を入れます。
マルボルク城の金庫室です。
騎士団はヨーロッパ諸国との商取引でばく大な富を築き上げました。
その資金源となっていたのがこれ琥珀です。
バルト海沿岸は琥珀の世界的な産地で騎士団はその販売権を独占したのです。
城はヨーロッパ全土から来る客人をもてなす場所でもありました。
広間では連日供宴が繰り広げられました。
彼らをもてなし騎士団への支持を取りつけるために城には快適な設備がなければなりませんでした。
優雅で暖かい部屋これは暖房設備です。
中には暖められた石が入っています。
その部屋の地下です。
熱せられた石。
下のかまどでは絶えず火がたかれていました。
しかし栄華は長くは続きません。
騎士団の専制的な支配は地元の領主たちの反感を買いやがてポーランド・リトアニアの連合王国との戦いとなって大敗します。
それはパラドックスです。
永遠にとどまろうとする者はすぐに去らねばなりません。
権力は厚い城壁で覆われていればよいというわけではないのです。
2014/04/14(月) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「マルボルクの城郭〜ポーランド〜」[字]
騎士団の牙城 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
騎士団の牙城 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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