(テーマ音楽)
(粛宗)世子とヨニン君2人どちらも王位につかせどちらも救うのか。
いかにもそなたらしいな。
先にやらねばやられるこの宮廷でそれができるか?まさに夢だ。
そなたにしか抱けぬ夢だな。
(トンイ)王様。
(ハン内官)王様。
しばらく一人になりたい。
下がっていろ。
王様の跡を継ぎこの国の王となるべきは世子様しかいません。
ヨニン君もまた王になるしかないと思っております王様。
心の声それはできぬのだトンイ。
この国の王位を継ぐ王子は2人ではなく1人だ。
(クム)王妃様にご挨拶申し上げたい。
(イ尚宮)ご案内します。
(エジョン)ご挨拶の度にこうしてビクビクするぐらいなら宮殿を出た方がマシでした。
ほんとよね。
毎朝気が気じゃないったら…。
あの怖い目で王子様をにらみつけてるんじゃない?王妃様にご挨拶申し上げます。
今朝もお変わりありませんでしょうか?
(ヘイン)お変わりありませんでしょうか王妃様。
行こう。
はい王子様。
(ムヨル)申し訳ありませんでした。
何としてもヨニン君様を追い出すつもりでしたが淑嬪がよもやあのような計略を巡らすとは思いもせず…。
(仁元王妃)計略を巡らす…いかにもそのとおり。
王となる気が流れる場所民の心を利用しようとは考えたものです。
ですが案ずる事はありません。
淑嬪がいかに自分の息子を世子の座につけようとしても…。
しかし腑に落ちません。
少し変だと思いませんでしたか?淑嬪の行動は筋が通らないのです。
と言いますとどのようなところがですか?淑嬪は名家と姻戚関係を結ぶと思っていました。
ところが実際はあのとおり。
納得がいきません。
それは当然ソ・ジョンジェの家あの場所が…。
いいえ。
それを利用する気なら何としても逆にヨニン君をそこに住まわせたはずです。
そうしないと民はヨニン君を未来の王とは考えません。
違いますか?だからおかしいと思ったのです。
淑嬪ほどの切れ者ならそれは分かるはず。
世子の座を狙っているのならなぜそのような筋の通らない事を…。
王妃様。
そこが淑嬪のずる賢いところです。
腹の内の読めぬ女です。
(イングク)なに…未の刻の会議が延期された?それだけではありません。
内禁衛の演習視察に講義数日間の日程をすべて取り消すそうです。
だがどうしてだ?まさかどこかお体の具合でも…。
そう思いシム・ウンテク様が内医院に掛け合って調べています。
一体…。
(チョンス)シム様。
(ウンテク)ああ…聞いたか?王様が急にすべての日程を取り消された。
もしやお体が悪いのかと調べていたのだ。
今王様に倒れられては大変だ。
いいえ具合が悪いのではありません。
なに?王様がすべての日程をお取りやめになったのは別の理由があっての事です。
何だ?別の理由とは。
それでは王様にあの事を話されたのですか?はいお話しました。
ですが淑嬪様それは危険すぎます。
王様は淑嬪様を理解されていますが万が一誤解されて…。
私の言葉がどう受け止められるかそれは分かりません。
ただ私の決心は危険を伴うものです。
だから王様にはお伝えすべきと…。
ソ・ヨンギ様はどう思われます?下手すれば世子様に対する逆心と取られかねないのでは?
(ヨンギ)いや王様は淑嬪様の事を誰よりもご存じだ。
誤解などされないだろう。
それに王様はよく分かっていらっしゃる。
ヨニン君様が生き残るには王位を継ぐ以外にないという事をな。
ならば王様は一体何を悩んでおられるのです?選択だろう。
えっ?王として何を選択すべきか考えておられる。
夢とおっしゃいましたか?はい。
王様はそのようにおっしゃいました。
「私にしか抱けぬ夢だ」とおっしゃったのです。
それはどういう意味でしょうか?にいさん。
お仕えして長くなりますが今は王様の胸の内が分かりません。
世子様とヨニン君どちらも守るのが難しい事なのは分かっています。
容易にはかなわぬ事です。
ですが私は諦めるつもりはありません。
淑嬪様。
王様が何を考えどのような決断を下すのか今はそれが恐ろしくてなりません。
(サンヒョン)すべての日程が取り消された?今までにない事だ。
王様は何をされているのだ?恐らく世子様とヨニン君様の事でしょう。
王様は今まで沈黙を守り成り行きを見ておられました。
今はそう…嵐の前の静けさといったところではないでしょうか。
ではもしや…。
ええ恐らく王位継承の事と思われます。
(ミン武官)チャン様。
宮廷が異様な雰囲気だ。
近々波乱がある。
例の件はどうなった?すべて整っています。
急がねば。
万が一に備えるのだ。
承知しました。
王様が王宮殿を出られた?そうなのです。
王宮殿から出かけられました。
ですが一つちょっと腑に落ちない事が。
腑に落ちない事?それが…王様がまず最初に訪ねられたのが王妃様なのです。
そうか…王妃様のところへ。
あの…王様。
次は淑嬪様に会われるのですか?いや淑嬪には会わぬ。
行くぞ。
やる事が山積みだ。
王妃様。
なぜ急にあのような決定を…。
まさか王様は本気で淑嬪を…。
しかし急に会議を招集なさるとは一体どのようなご決断をされるのだ?
(世子)父上。
来たか。
中に入ろう。
私もですか?そうだ。
淑嬪に会う。
はい王妃様。
こうして皆と世子を同席させたのは今日余が下した重大な決定を伝えるためだ。
世子もよいな?余の言葉を胸に刻め。
はい王様。
王妃様。
入ろう。
王様のお言葉を伝えに来た。
淑嬪様何事でしょうか?王妃様が伝えるなんて…。
ヨニン君が宮廷に入ってからというもの何と噂されているかは承知しておる。
しかもその噂のせいで皆が争っている事も分かっている。
だが今後は何と言おうと後継者に関するいかなる論争も許さぬ!この国の将来の根本となり王位を継ぐ者はここにいる世子だけだ。
よいな?それが余の確固たる意思だ!余は世子の座を脅かすどのような動きも断じて許さぬからそう思え!よって今後は世子が将来王位を継ぎ円滑に政務を全うできるよう会議の際同席させる事にする。
また国の行事に関してはまず世子に稟議を諮り誰より先に世子の意見を聞くように。
ですが王様それはあまりに急な…。
まだだ!まだ余の話は終わっておらぬ!実はもう一つ今日この場で告げておく事がある。
それは淑嬪に関する事だ。
王様がそうおっしゃったのですか?ああそうだ。
王様は私にどう思うかと尋ねられた。
そこで私は「構わない」とお答えした。
よってそなたはまた宮殿を離れて暮らす事になる。
おそれながら王様。
淑嬪様を宮殿から出されるのですか?そうだ。
しかしながらそうなさる理由は…。
理由なら淑嬪自身が分かっているはずだ。
そしてそなたも同様に承知しているものと思うが。
以上が皆に伝えたかった余の決断だ。
淑嬪はイヒョン宮に居を構える。
よって担当部署は直ちにイヒョン宮を修繕せよ。
修繕が終わり次第淑嬪が宮殿から出る手続きを進めるのだ。
淑嬪様!淑嬪様!まるで訳が分かりません。
急に宮殿を出ろとはどういう事です!?何かあったに違いありません。
王様がそのような決断をされるものですか!何やってるのエジョン!どういう事なのか早く調べて!はい尚宮様。
淑嬪様きっと何か誤解があったのです。
王妃様の策略では?それしか考えられません!
(笑い声)あれは王様が世子様を守るという宣言だ。
淑嬪を追い出し世子様の体制を固めるおつもりだ。
(笑い声)これは一体どういう事なのだ?どうして…。
(チュシク)どうなってるんだ?淑嬪様をなに…どこに追い出すだって!?宮殿の外のイヒョン宮。
淑嬪様はそこで暮らすそうです。
どこのどいつだ!?そんなひどい事をするのは!畏れ多くも淑嬪様を追い出す!?王妃様だそうだろ?間違いない。
違います。
王様だそうです。
王様なんですよ!そんな…王様が?どうしてだ!?ご乱心では?王様はご乱心なされたに違いありません。
え?尚宮様。
(2人)シム様。
(チョン尚宮)淑嬪様のイヒョン宮行きの準備を命じられました。
どうなっているのですか?すでに監察府に命令が来たとはつまり王様は本気だという事ですね。
では本当に王様のご意思で?はいそうなのです。
父上。
あの決定はどういうおつもりですか?まさか宮廷に広まる忌まわしい噂のせいですか?ああそうだ。
ですが父上それは淑嬪様のせいではありません。
私はちゃんと分かっています。
一時は私も淑嬪様とヨニン君を恨みました。
ですがそれは筋違いでした。
自分の境遇を嘆くあまり怒りの矛先を罪の無い淑嬪様とヨニン君に向けていたのです。
世子。
それなのに淑嬪様はヨニン君と淑嬪様を狙った母上のことをお許しになった上その母の息子である私をいたわって下さいました。
誰よりも私を大切にして下さったのは淑嬪様なのです。
ですからどうかあの王命を取り消して下さい。
私のために淑嬪様を追い出すのはやめて下さい。
そのように思っていてくれたか。
それを聞いてうれしく思うぞ。
父上。
だがな今そなたの気持ちを聞いて一層余の決心は固まった。
父上。
決してこの決定が覆される事はない。
絶対私たちは命令に従えません。
そうです。
納得できぬ命令を監察府は執行できません。
私たち全員身を挺して抗議する覚悟です。
いけない。
それは絶対にならぬ。
ですが…。
どうか頼む。
これ以上事が大きくならぬよう手を貸してくれぬか?一体何があったのですか?なぜ淑嬪様がこのような目に遭うのです?理由があるのだろう。
淑嬪様。
黙って王命に従うのだ。
それがそなたらの務めであろう。
(ホヤン)こっちですよ早くほら!
(パク氏)どうしたっていうの?これを見て下さいよ!あらまああなた。
ホヤンの言うとおりですよ。
(テプン)そのようだな。
何なんですか!どうして息子の言葉を信じないんですか!?王様は「淑嬪様を宮殿から追い出す」そう宣言したんです!いやいやお前を信じぬのではなくどうしてあれほどかわいがっていた淑嬪様を追い出すのかと…。
だから私も腹が立ってしょうがないんですよ!宮殿の外に居る時さらおうとしたらいきなり取り上げて今更履き古したわらじみたいにポイと捨てるだなんて!王様なら何をしても許されるのか!?これ!何を言うやめぬか!お前という奴は命が惜しくないのか!?あ〜うるさい!母上!父上!止めないで下さい。
私が今度こそは淑嬪様を幸せにしてみせます!おいホヤン待て!あのバカ息子が!どうしよう…何か面倒な事を起こす前に早いところ嫁を取らせなくては。
だけど他の女じゃイヤだと聞かないじゃありませんか!こうなったら首根っこを捕まえて言うとおりにさせるのだ。
あいつのすっかりいかれた目を見たか?ほうっておいたら私たちまで巻き添えを食うぞ。
そう言われてもホヤンの願いはかなえられないし…。
ホヤン待ちなさい!全くどこまで世話の焼ける息子なんだ。
状況はどうだ?王命の取り消しを願う上奏が出されていますが却下されました。
ですがさらに気になる噂が…。
どんな噂だ?淑嬪様の側近である我々も朝廷から追放されると。
ソ・ヨンギ様にすら会おうとなさらぬとはきっと王様は淑嬪様の意図を誤解されたのです。
だから王様は罰を与えたのでしょう。
いやそれはない。
そのような事ではない。
この状況で王様が淑嬪様を信じていると言えるのですか?指示どおり進めよ。
(都承旨)王様。
本当にこれでよろしいのですか?よいのだ。
王様。
おそれながらなぜこのような命令を下されたのかお聞かせ願えますか?今は黙って余の命令に従え。
それと命令の内容が漏れぬよう細心の注意を払え。
分かったな?はい。
淑嬪はどのような様子だ?反発する監察府を王命に従うよう諭したそうです。
それからは無言でお住まいで過ごされているそうです。
なぜ王様にお会いにならぬのです!?理解しがたい命令を下された理由を淑嬪様は知るべきです!この命令は王様の「待て」という合図です。
分かりませんか?王妃様を介して伝えられたのはきっと「待て」という意味なのです。
私がやるべき事は今ここで何もせずに王命に従う事なのです。
どうやら「寝耳に水」だったか。
あの王様が不意打ちをかけるとは意外です。
あれほど寵愛した淑嬪ですのに。
そうだ。
どう見ても怪しい。
えっ?誰もが理解しかねる決定だ。
これは何か隠された真意があるやもしれぬ。
もう一度取り次いでくれ。
王様にお会いしなくては。
恐れ入りますが王様は誰にも会わないと仰せです。
王様は今どちらにおいでだ?どうか…。
王様!義禁府のチャ・チョンスでございます。
どうしてもお話したい事があります!どうかおやめ下さい。
そのような事をされると兵を呼ぶ事に…。
王様。
王様!どうしたすぐに兵を…。
王様!下がらぬか!王様。
いけません行ってはなりません!ポン尚宮。
淑嬪様は人がよすぎます。
こんな時に東宮殿だなんて!訳も分からないまま追い出されるのに世子様の事はもうよろしいのでは?ムダだポン尚宮。
私が言う事を聞いたためしがあるか?淑嬪様!世子様はおいでか?おいでです。
取り次ぎを。
・
(仁元王妃)淑嬪。
王妃様。
ここで何をしているのだ?その膳は?世子様に粥をお持ちしました。
なに?なぜそなたが持ってくる?王妃様それは…。
お前たちは何をしていた?淑嬪に直接届けさせるとは。
世子の食事がどれほど大事か分からぬのか!これは世子の命に関わる事だ!王妃様。
聞きとうない!世子の食事に手を出すとは…。
今すぐ膳を片づけぬか!
(世子)王妃様。
どうかおやめ下さい王妃様。
世子。
恐れ入りますが淑嬪様にそのような事を言わないで下さい。
淑嬪様はこの宮廷で誰よりも信じ頼る事のできるお方です。
何だと?ですから淑嬪様をこれ以上誤解なさらないで下さい。
世子。
世子様。
王様。
そなたと風に当たりたくなってな。
どうであった?チャン様の予想どおりです。
何か王命が出ているのは確かです。
ですがその内容については全く分かりません。
チャン様。
探れ。
内容を知らねば。
何としても命令の内容を探り出せ。
ここだ。
そなたが宮殿を出て暮らす場所は。
どうだ。
ここは気に入りそうか?はい。
ですが私が暮らすには大きすぎるようです。
なぜそのように平気な顔で平然と答えられるのだ?そなたを追い出す余がこうして臆面もなく会いに来たのに。
どうして何も聞かぬのだ?なぜそうして黙っている?それは怖いからです。
王様が何をおっしゃるのか怖くて聞けません。
トンイ。
ずっと王様のお言葉を待っていました。
ですが先ほど王様に会い王様の目を見たとたん私が考えていたよりずっと厳しく容易ならぬ事だと感じました。
ですがそれが何か見当がつかず恐ろしくてならないのです。
覚えているか?かつて余がそなたを宮殿から出した時の事を。
余はあの時「いっそ一緒に逃げよう」と言ったであろう。
そうだあの言葉は本気だった。
そなたとなら平凡な男として生きてもいい。
そうできるなら本当にすべてを捨ててもいいと思った。
あの時の思いは長い時を経た今でも変わりはせぬ。
余はそなたをありがたくかけがえなく思っている。
王様。
今後そなたはここで暮らす。
だがそなたは1人ではないトンイ。
余もまたそなたとここで共に暮らす。
王様…何をおっしゃっているのですか?王様がここで暮らすとは…!王様。
なに…今何と言った!?王様がどうなさるだと!?答えぬか!王様教えて下さい。
今私におっしゃった事は一体…。
そなたは余にこう言った。
「世子もヨニン君もどちらも王位につくべきだ」と。
「それが2人を救う道だ」とな。
あれはそなたが初めて見せた欲だった。
そしてそれは胸にしまっていた余の夢でもあった。
王様。
ヨニン君なら…あの子なら必ず王朝に名を残す立派な王になろう。
それゆえ世継ぎを望めぬ世子の後をヨニン君が継いでくれたらそうできたらどんなにいいだろうかとずっと考えていた。
しかし王位を継ぐ者は1人でなくてはならぬ。
それが王権を守り朝廷を治めるすべだ。
分かるか?余が王でいる限り世子とヨニン君共には王位を継ぐ事はできぬ。
王様…という事はまさか…。
そうだ。
だから余は世子に王位を譲る事にする。
余が王位を退き世子を王位につかせたら無事ヨニン君は世弟となり後に王位を継ぐ事になる。
ですが王様…いいのですか?王位を譲るなどとおっしゃって…なぜそのような…。
王様!ソ・ヨンギ様。
王位を退かれる?王様のご決意は固いご様子でした。
そしてそのための準備を進めておられます。
回想そなたとソ・ヨンギそれとシム・ウンテクは左遷される事になる。
だがこれは周りを欺く手だてだ。
すべての用意が整うまで誰にも知られぬためだ。
王様このような命令には従えません。
王様が王位を退くなど…。
そうだな。
公になればそう言われるだろう。
ゆえに今のうち返答も考えよう。
王様。
これは王室と朝廷を守るための決断だ。
そして一人の父として何より一人の女子を守るべき男としてこの決意は覆さぬ。
(武官)1!
(兵士たち)ヤッ!2!ハッ!1!ヤッ!2!ハッ!1!ヤッ!2!ハッ!1!ヤッ!2!ハッ!1!ヤッ!2!ハッ!1!ヤッ!直れ!はっ!ご苦労だった。
恐れ入ります王様。
あ…。
(ハン内官)王様大丈夫ですか?何をしておる早く主治医を呼ばぬか!急いで王様をお連れしろ!王様。
大丈夫だ。
疲れてふらついただけであろう。
よくある事だ。
少し休めばよくなる。
ですが王様主治医の診察はお受け下さい。
そうして下さい王様中へお入り下さい。
案ずるな。
王様。
清国に行っていた者が戻りました。
そうか。
王宮殿へ連れてこい。
(内官)承知しました。
清国の密使が温陽に到着しました王様。
思ったより早かったな。
直ちに主治医を呼べ。
そして明日余が温陽へ療養に出かけると皆に告げよ。
承知しました。
ソ・ヨンギ様。
どうであった?奴らの動きが怪しいのだな?はいさようです。
イム様。
お〜来たか。
待っていたぞ。
王様が温陽へ行かれるというのは本当ですか?不思議ではあるまい。
王様は持病がある。
だから療養に行かれるのだ。
それは恐らく療養のためではありません。
何か他に狙いが…。
同感だ。
持病の療養も無論あるだろうが温陽行きは他に目的があるはずだ。
これまでもそうだった。
いつも政治の節目には温陽へ行かれていた。
確かに。
淑嬪の側近と老論が追い出されるようです。
そうとも。
事は着々と進み奴らを左遷する命令がすでに下されている。
どうやら王様のご決意は固いようだ。
王様は完全に淑嬪とヨニン君の動きを封じてしまうおつもりだ。
王宮殿から出された王命は隠されているのに奴らの左遷命令だけは知られている。
この4日でひそかに王命が下されたのはどこだ?弘文館と司諫院礼曹と春秋館です。
ですがその命令の内容は把握できていません。
春秋館…そこを狙え。
えっ?その4か所で警備が手薄なのは春秋館だ。
侵入し王命の内容を探れ。
ですが万が一露見でもすれば…。
何を今更。
王様が何を考えているのか知らねばならぬ。
王様にお会いしたい。
恐れ入りますが王様はもうお発ちになりました。
なに…確か出立は巳の刻と聞いていたが。
その予定でしたがすでに辰の刻に…。
淑嬪様にこれをお渡しするよう言いつかりました。
「長い滞在になるゆえ余が戻った時そなたは宮殿には居ないだろう。
だが忘れるでない。
そなたを1人にしないと言った余の言葉は本気だ。
そなたは自らついていたはずの王妃の座を諦め世子とヨニン君そして余を守ろうとした。
ゆえに次は余がそなたを守る番だ。
これは余にとって諦めではない。
大きな欲を満たす道だ。
これにより余はそなたと生きる道を得るのだ。
だから余を信じて待っていてくれトンイ。
誰も傷つく事はなかろう。
そなたが守ろうとした夢はこれから余が守っていこう」。
王様。
清国の密使は到着したか?はい到着しています。
王様。
長旅ご苦労であった。
座るがいい。
はい。
早くしろ。
はい。
王位を譲られるとおっしゃいましたか?そうだ。
そしてそれに伴い清国の皇帝に要請したい事があり急きょ来てもらった。
あ…はい。
これでした。
ひそかに王命を受け準備していたものです。
これは太祖大王と太宗大王時代の記録だ。
では王様はこれを再編纂する命令でも出していたのか?恐らく。
太祖大王と太宗大王…。
なぜ急に?待てよ…という事は…。
まさか王様の真意とは…。
どうかされましたか?馬…馬を用意しろ。
すぐイム・サンヒョン様に会わねば。
承知しました。
まさか…。
これは一体…。
これだったのです。
王様の真意…それは恐らく王位を譲る事です。
考えられぬ。
そのような思い切った事はすまい。
いいえ王様の真意は世子様に王位を譲りヨニン君を世弟に据える事です。
その準備のために温陽へ行かれたのです。
何としても阻止せねば。
何があろうと絶対にヨニン君を王位につけるのは阻止せねばなりません。
なんと…!イム様!何があるか分からぬ。
警護を徹底しろ。
承知しました。
ヨニン君が世弟となり淑嬪が権勢を握ればすべて終わりだ。
奴らは真っ先に私の息の根を止めるだろう。
だが助かる道はある。
今は目の前に危機と好機があるのだから。
ですがどうなさるのですか?今王様は宮殿におられないのだ。
世子様は体調がすぐれずまさに非常事態だ。
宮殿の主は王妃様だ。
王妃は私の手中にある。
こうなれば王妃を利用し皆を倒すしかない。
淑嬪とヨニン君だけでなく側近すべて一斉にたたき潰す。
(チョンジェ)王位を譲るなど…そんなあってはならぬ事です!
(クソン)何がいけない?そなたも心の準備をしておけ。
え?過去にも太祖大王と太宗大王が王位を退いた。
何故そのように騒ぐ?先生は王様の臣下です。
何故そのような事を言うのです?私に言わせれば道義などどうでもよいのだ。
大事なことは実利だ。
その実利を考えると王様の決断は最も賢明な道だ。
王位を退かれても世子様の後ろには王様がおられる。
国政が安定するまで王様が見守ればよい。
一方世子様が王位につかれたからには晴れてヨニン君様が世弟になれるのだ。
分からぬか。
皆を思う淑嬪様の夢を王様はかなえたいのだ。
(ナム副官)星が落ちるのをですか?
(ヨンギ)そうだ。
落ちていく星を見るとよくない事が起こるとか。
巷では「見た者は死ぬ」と言われているらしい。
おやめ下さい。
そのような縁起でもない事を。
ふと思っただけだ気にするな。
ところで親衛隊がすべて宮殿を離れているのが気がかりでならぬ。
宮殿が危険なのは王様不在の今のような時だ。
ですが義禁府のチャ・チョンスが残っています。
心配する事はありません。
春秋館を警護する兵はどこにいるのだ?調べろ。
(2人)はっ!これは…。
本当なのか?本当に淑嬪は残酷な謀を巡らせているのか?確かです。
これは…。
証拠はまだつかめていませんが怪しい動きがあるのは確かです。
それで?チャン・ムヨル殿。
我々は一体何をしたらいいのだ?怪しい動きがある。
すぐに兵を動員し寶慶堂の警護に当たれ。
どうしたさっさと動かぬか!あの…都事様お言葉ですがそれはできません。
なに?今後一切「都事様に従うな」との命令が下りました。
それだけではありません。
親衛隊の兵士に代わって他の兵士が護衛に当たっています。
義禁府の者はすべてチャン・ムヨル様の指示に従って動くよう命令が下りました。
チャン・ムヨル様だと?どういう事だ!誰がそのような命令を下したのだ!?私だ。
私がそう命じた。
これは一体…。
何か問題でもあるか?
(ファン武官)お待たせを都事様。
どうだった?ファン武官。
兵曹も同じです。
やはり同じように全権がチャン・ムヨルに一任されているそうです。
今は親衛隊の兵は皆温陽へ行き宮殿には兵曹と義禁府だけです。
ところが…。
そうだ。
その兵力すべてがチャン・ムヨルに握られている。
そうです宮殿の兵すべて。
これであとは王妃を動かすだけだ。
淑嬪様。
淑嬪様。
何事だ?どうかお急ぎ下さい。
王妃様がこちらへいらっしゃいます。
なに…王妃様が?そうなのです。
このような遅くにどうされたのだ?淑嬪。
そなたに確かめたい事がある。
王妃様。
2014/04/13(日) 23:00〜00:00
NHK総合1・神戸
トンイ(57)「王の密命」[二][字]
韓国超大作歴史ドラマ。貧しい境遇から王の側室となり後の名君を育てたトンイの劇的な生涯を描く。悩んだ粛宗(スクチョン)がトンイに信じがたい命令を!いったいなぜ?
詳細情報
番組内容
トンイは、世子(セジャ)とクムの両方を救うには、2人とも王位に就かせるべきだと考える。その決心を聞いた粛宗(スクチョン)は、すべての予定を取り消し、独りで部屋にこもって悩み抜いた末、ある決断を…。宮廷に異様な緊張感が漂うなか、粛宗は姿を現すなり、会議を召集。世子を同席させ、重臣たちに2つの重大な決定を伝える。一つは王位を継ぐのは世子であること。もう一つはトンイの処遇に関する驚きの決定だった。
出演者
【出演】ハン・ヒョジュ…加藤忍,チ・ジニ…井上倫宏,ペ・スビン…佐久田脩,チョン・ジニョン…東地宏樹,オ・ヨンソ…甲斐田裕子,キム・ドンユン…村治学,チェ・ジョンファン…谷昌樹ほか
原作・脚本
【脚本】キム・イヨン
監督・演出
【演出】イ・ビョンフン,キム・サンヒョプ
音楽
【音楽】イム・セヒョン
制作
〜韓国 MBC/Lydus Content Company制作〜
ジャンル :
ドラマ – 海外ドラマ
ドラマ – 時代劇
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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