軍師官兵衛(15)「播磨分断」 2014.04.13

(お濃)今朝は冷えます。
(仙千代)はっ。
上様は?
(仙千代)既に茶室にお入りにございます。
さようですか。
今日の茶会は長きにわたって語り継がれる事でしょう。
はっ。
このころ信長は茶の湯を政に利用し始めていた。
織田家重臣にとって信長の茶会に招かれる事それは家中の出世争いで一歩ぬきんでる事にほかならなかった。
(光秀)この席に加われず柴田殿はさぞ悔しい思いをされておられるでしょうな。
(長秀)上杉謙信に備えておるのじゃ。
しかたあるまい。
(一益)いや〜。
(信長)分かるか?一益。
(一益)この色合いといい形といい実にすばらしい。
は〜ため息が出まする。
(長秀)茶器といえば筑前上様から名物を頂いたそうじゃな?
(秀吉)はっ。
羽柴家の家宝にございます!
(光秀)乙御前の釜あれはふくよかなよい品でござる。
(一益)ふん「宝の持ち腐れ」にならねばよいがな。
(長秀)それにしてもひとつきで播磨を平定するとはこの安土でもその話で持ちきりじゃ。
ハハハハハ…。
ほ〜う小さな城を2つばかり落としただけでそんな噂が?
(秀吉)はっ。
全て上様のご威光あればこそにございます。
(信長)猿。
(秀吉)はっ。
(信長)この上まだ褒美が欲しいか?
(秀吉)めっそうもない事にございます。
上様恐れながら上様にお願いの儀がございます。
申せ。
いよいよ毛利との決戦が始まります。
それがしの力だけでは足りませぬ。
何とぞ上様御自らのご出馬を!
(信忠)毛利ごとき父上の手を煩わす敵ではない。
わしが参る。
村重。
(荒木)はっ。
本願寺との和睦は進んでおるか?我が方に下った摂津の門徒を仲立ちに進めておりまする。
急げ。
毛利攻めに本願寺は邪魔だ。
(荒木)ははっ。
毛利はこのわしがたたき潰す。

(テーマ音楽)
(おね)上様じきじきに播磨へ?さよう。
一番大事なところは上様にお任せ致す。
おねなぜだか分かるか?プッ。
お前様は瞬く間に播磨を平定しました。
ただでさえ妬む家中の方々が多いというに一層風当たりが強くなる…。
そういう事でございましょう?
(秀吉)ハハハハハハハ。
そのとおりじゃ!さすがわしの女房じゃ。
お前様らしいお気遣いですこと。
終始機嫌がよくてのう。
実は茶会のあと播磨をやると言われた。
播磨を?毛利を倒した暁には切り取り次第好きなように致せと。
播磨は気位ばかり高い頑固者が多いと聞いております。
そのような連中がお前様を快く受け入れるとは思えませぬ。
無駄な骨折りになるだけではないでしょうか?さすがじゃ。
ハハハハハハハ。
わしもそう思っておった。
播磨は元からの者に任せる。
織田に味方さえしてくれれば本領安堵じゃ。
この年松寿丸の具足始の儀が行われた。
武家の男子はこの日初めて鎧兜を身につける。
黒田家にとって待ちに待った日であった。
虎之助市松。
(虎之助市松)はっ。
(秀吉)これはわしからの祝いじゃ。
(太兵衛)はっ。

(秀吉)お〜。
(善助)羽柴様もお方様も大層お喜びのご様子で。
松寿丸様はしかとお育てしているので安心なされますようにと言いつかってまいりました。
(官兵衛)そうか。
大儀であった。
(善助)はっ。
(光)松寿はいかが過ごしておりましたか?
(太兵衛)虎之助や市松とか申す悪童どもとすっかり打ち解けておりました。
これ羽柴様のご身内を悪童とは何だ!
(太兵衛)いやしかし若も加わってのあの暴れぶり。
悪童としか言えませぬ。
(一同の笑い声)
(職隆)わんぱくぶりは官兵衛に似たか。
あ光か!はい?
(一同の笑い声)・
(九郎右衛門)殿。
(九郎右衛門)櫛橋様がお見えにございます。
(官兵衛)兄上が?
(鈴と花の遊ぶ声)兄上。
(左京進)力の娘か。
はい…。
(左京進)2人はわしが引き取る。
鈴と花は櫛橋の娘だ。
上月景貞殿が亡くなり力が出家した今わしが引き取るのが筋だ。
姉上はあの子たちを光に託していかれました。
お主は力もうまく言いくるめたか。
何を仰せか?力が出家したのはお主のせいだ。
回想姉上!
(左京進)上月城を落とし景貞殿を殺したのは誰だ!姉上!
(左京進)お主であろう。
生きるのです。
生きよ!兄上の誤解でございます。
それがしとて上月を攻めたくはなかった。
お主は先鋒を申し出たではないか。
戦うと決まった以上そうせざるをえませんでした!それに景貞殿が殺されたのは家臣たちの裏切りによるもの。
そうしむけたのはお主ではないのか!?違います!断じて!そもそもお主が織田に入れ込んで秀吉を引っ張り込んだ事からこの播磨は修羅場と化したのだ。
私が何もしなくてもこの播磨で戦は起こっておりました。
それに毛利と織田がこの地でぶつかるのは避けられぬ事。
全く口のうまいやつだ。
お主はその口で亡き父に取り入り光をだまし取った。
そして今度は力を寺へ追いやった。
わしはお前を許さん。
鈴と花はわしが引き取る!お断り致す!誤解しているそうなのです。
全ては殿が仕組んだものと思い込んでいるようで。
それでか…。
志方城で見知らぬ者の出入りが増えたという話を聞いたが…。
よもや毛利に寝返ろうと…。
(職隆)御着の殿の様子はどうだ?今のところ変わった動きはございませぬ。
う〜ん…。
左京進殿一人では何もできまい。
万一毛利に寝返るとしても必ず御着の殿を説き伏せようとするはずだ。
殿に子細を話してまいります。
間もなく播磨のおもだった者を集め毛利攻めの評定が開かれます。
このような時に小寺家中の足並みが乱れてはほかの者たちに示しがつきませぬ。
うむ。
私もお供させて頂いてよろしゅうございますか?お方様のお見舞いをしとうございます。
(政職)待った。
またでございますか?よいではないか。
う〜ん…。
ん。
フフッ。
では。
しかし左京進がそんな事を…。
上月の一件がよほど腹に据えかねたのか…。
それでか!あやつおことの悪口ばかり言うておったぞ。
「官兵衛はずる賢い。
信用できぬ」などとのう。
無論わしはさような戯れ言には耳を貸さぬが。
左京進はおことにやいておるのじゃろう。
播磨を平定したのはおことの働きがあればこそじゃ。
その手柄にやいておるのじゃろう。
逆恨みじゃ。
しかしそれがしは大して手柄など…。
謙遜するな。
おことが手柄をあげればわしも鼻が高い。
織田殿の天下統一の助けをしているのがわしの一番の家来じゃ。
小寺の家名もますます上がる。
間もなく毛利攻めの評定が開かれますがいかがなさいますか?おことに任せる。
承知致しました。
それにしても男の悋気は見苦しいのう。
左京進は器が小さい小さい。
これでどうじゃ?…参りました。
(笑い声)
(お紺)だいぶよくなりました。
ありがとう。
横になられた方が…。
大事ない。
それにしても左京進には困ったものじゃのう。
よからぬ事を考えねばよいのですが…。
よからぬ事?毛利にくみしようというような…。
まさか…。
いや左京進のあの気性ならありうるやもしれぬ…。

(斎)母上。
斎様!
(斎)光久しぶりじゃな。
はい。
大きゅうなられましたな。
(お紺)早いものでもう11じゃ。
薬を持ってきてくれたのか?
(斎)はい。
私がのませてさしあげます。
ありがとう。
お優しいのですね斎様は。
(斎)松寿は息災か?はい。
先日具足始の祝いをさせて頂きました。
そうか。
それはよかったのう。
フフフ。
(お紺)光。
心配無用じゃ。
そなたと官兵衛には大きな恩がある。
私の目が黒いうちは恩を仇で返すようなまねは断じてさせぬ。
(荒木)新たな地を用意致しますのでこの石山よりお立ち退き頂きたい。
それさえお受け下さればいつでも兵を退くと上様は仰せでござる。
もとより我らは戦を好みませぬ。
されど我々本願寺は随分と織田殿に苦しめられてきました。
信長殿は恐ろしい。
どれほど人を殺めれば気が済むのか…。
伊勢長島や越前で門徒は根絶やしにされました。
命乞いする者も容赦なく…。
あまりにもむごい。
今この石山に籠もっておる門徒衆はその時殺された者の縁者ばかりです。
皆信長殿が死ぬまで戦いを続けると申しております。
されど法主殿これ以上戦を続けても無駄に人が死ぬばかりでござる。
ここは和睦の道を探るべきではありませぬか!?何とぞ!私の一存ではお答えできませぬ。
皆と相談致しますゆえしばらくお待ち頂けますか?
(半兵衛)羽柴様がこちらへ戻り次第毛利攻めの評定を開きとう存じます。
別所様におかれましては今度こそは足をお運び頂きたい。
何とぞよろしくお願い申し上げます。
心配はご無用です。
それがしこたびの評定には必ず参りますゆえ。
ありがとう存じまする。
(重棟)いよいよでございますな。
播磨が一丸となれば毛利など恐るるに足らず。
(重棟と賀相の笑い声)失礼ながら別所家は織田に味方すると一つにまとまったのでござるな?いかにも。
兄が考え直してくれました。
(賀相)それがし古い人間ゆえ家柄などにこだわっておりました。
天下が大きく動いている時だというにお恥ずかしい限りでござる。
今後は羽柴様の下知に従いまする。
分かって頂ければ何よりでございます。
織田方が攻め落とした西播磨の上月城では毛利に備え尼子勢が守りを固めていた。
(勝久)秀吉様から書状が届いた。
近々播磨のおもだった者を集めて評定が開かれるそうだ。
毛利攻めの軍議でございますか?うむ。
我らはこの城を離れる訳にはいかぬ。
ここで毛利ににらみを利かせておれとの事だ。
いよいよ毛利との決戦でございますな。
石山本願寺では村重が顕如からの返事を聞こうとしていた。
(顕如)荒木殿。
はっ。
我々は織田殿を信用しておりませぬ。
伊勢長島では和議を結んだあとで退去しようとする門徒を信長殿は皆殺しにしました。
この地を明け渡せば同じ事になるというのが皆の考えでございました。
(荒木)今度こそ上様は本気で和睦を望んでおります。
(顕如)私も戦を望みませぬ。
すぐにもやめたい。
(荒木)しからばそれがしを信じて頂けませぬか?
(顕如)荒木殿の事は信用できると思っております。
されど信長殿を信じる事だけはどうしてもできませぬ。
荒木殿。
あなたは信長殿を本当に信ずる事ができますか?もちろん信じております。

(笛)やめよ!下がれ!
(だし)いかがされました?飢えた門徒を抱えなおも戦いをやめようとせぬ。
何を考えておるのだ本願寺は。
根絶やしにされるぞ。
その前にわしが罰を受ける。
(だし)上様とて鬼ではございませぬ。
包み隠さずお話しすればお許しに…。
気休めを申すな!お前は上様の恐ろしさを分かってはおらぬ!本願寺との和睦はわしから上様に申し立てたのだぞ!それをしくじったのだ。
ただでは済まぬ。
役に立たぬ者は捨てられる。
だし…。
わしはどうすればよいのじゃ…。
(泣き声)
(荒木)何度も説き伏せましたが立ち退きには応じぬと…。
申し訳ございませぬ!
(信長)立ち退かねば滅ぼすまで。
石山の地は必ず手に入れる。
ははっ!
(信長)村重。
はっ。
そちは播磨に行け。
毛利攻めに加われ。
播磨でございますか?秀吉の配下となるのだ。
されどそれがし…。
控えよ!村重。
こたびのしくじり毛利攻めで取り返せ。
よいな。
ははっ!
(一益)筑前の下で働けとは…。
そのころ毛利の使者が人知れず播磨に入っていた。
天正6年2月。
秀吉は播磨に戻り加古川城において毛利攻めの評定を開いた。
(秀吉)面を上げられよ。
方々ご足労大儀である。
別所殿長治殿はいかがされましたか?はあ…。
間違いなく来るはずなのですが。
長治は参りませぬ。
(重棟)兄上何を言っておるのじゃ?
(賀相)それがしが長治の名代として参りました。
(神吉)…どういう事じゃ!我らはこうして参っているというのに!
(領主たち)そうじゃそうじゃ!
(秀吉)おのおの方!よいではないか。
たとえ名代であってもこうやって皆が集まったのじゃ。
半兵衛始めよ。
(半兵衛)はっ。
本日は毛利との決戦を目前にしての軍議でござる。
まずは毛利攻めの陣立てを決めたいと存じます。
あ〜それがしに考えがござる。
よろしいか?
(秀吉)お願い致す。
こたびの合戦は一国一城の小競り合いと違い毛利は大身なれば万死一生の戦いを覚悟せねばなりませぬ。
そこで我が別所家に伝わる軍法に基づきまずは守りを固める事が肝要でござる。
守りにござるか?いかにも。
戦はまず守りから。
戦う前に城壁など壊れている所があればこれを修繕せねばなりませぬ。
古くから「千丈の堤も蟻穴より崩る」と申します。
佐吉こやつはぐだぐだと何を申しておるのじゃ?
(三成)はて「韓非子」にございますが播磨の兵法と関わりあるのでしょうか?
(賀相)そして忘れてならぬのが兵糧の蓄えでござる。
米は無論の事城内に芋を植えるのもよい手でござろう。
おのおの方芋は痩せた土地でもよく育ち腹もちもよいぞ。
みそで辛く煮て天日に干した芋がらで陣中の荷縄をなうのが当家の習い。
腹が減った時には汁の実にもなる。
いやむしろうまい。
それがしは好物でござる。
とかく兵糧の蓄えこそ肝要かと。
何かたくらんでおる…。
(賀相)次に合戦における陣立てについて申し述べまする。
我らが得手とするのは鶴翼の陣にてこれは鶴が翼を広げたような…。
(秀吉)別所殿!もうよい。
お主の考えはよう分からん。
攻めの手だても陣立ても全て我々にお任せ願いたい。
我らを播磨の田舎者だと侮られるか!
(怒号)誰もそのような事は申しておらん!毛利攻めの大将は織田信長様の名代であるこの秀吉にござる。
おのおの方はこの秀吉の指図に従って頂きたい。
羽柴殿の配下になれという事でござるか?
(怒号)
(せきこみ)別所殿!今更何を申される?織田につくという事はそういう事じゃ!羽柴殿の言いなりになれというのでございますな?
(秀吉)そうではない。
それがしの采配に従って頂きたいと…。
同じ事でござる。
やはりあの話は誠であったか。
何の話じゃ?織田殿は毛利を倒した暁にはこの播磨の地を丸ごと羽柴殿の領地にすると聞き及びました。
(領主)何!?どういう事じゃ!
(怒号)それは誠でござるか?誠の話だ。
お静かに!お静かに!お静かに!兄上根も葉もない話はおやめ下さい。
(広秀)官兵衛お主も知っておったのか!?知りませぬ!
(左京進)織田は信用できぬ!
(領主たち)そうじゃ!それがしは今決め申した。
毛利につく!おのおの方だまされてはなりませんぞ!
(領主たち)そうじゃ!
(賀相)当家も織田とは組まぬ。
使い捨てにされるのはごめんだ。
毛利は本領安堵。
毛利につかせてもらう!
(領主)それがしも毛利につく!
(領主)そうじゃ!
(領主)わしも織田は信用できぬ!兄上待たれよ!待たれよ!邪魔だ!兄上!兄上!邪魔だ!待たれませ!待たれませ!
(領主)毛利につく!待たれよ!
(休夢)待たれよ。
待たれい!
(蜂須賀)どういう事だ官兵衛!
(小一郎)櫛橋左京進はお主の縁者ではないか。
何故つなぎ止めておく事ができなかったのだ?申し訳ございませぬ。
よもや賀相殿とつながっているとは…。
申し訳ありませぬ。
気付かなかったのはそれがしの失策でござる。
(三成)しかし櫛橋殿は何故あの話を知っていたのでしょうか。
実はな官兵衛。
播磨を切り取り次第というのは上様がじきじきそれがしに申された。
誠でございますか?
(秀吉)しかしわしにはその気はない。
上様にもそうお答えした。
それがなぜ漏れたのか…。
毛利か!恐らくは…。
(恵瓊)いや〜お見事でございました。
別所殿櫛橋殿のお働き毛利輝元様も大層お喜びになるでしょう。
うまくいきました。
我らに賛同したのは神吉高砂英賀野口。
ほかにも次々とこちらへ寝返るでしょう。
(賀相)別所毛利本願寺がつながれば織田など怖くはない。
長治どうした?浮かぬ顔をして。
本当にこれでよかったのでしょうか?何度も申したではないか。
信長はこの播磨を秀吉に与えるつもりなのだぞ。
領国を守るためには毛利につくほかない。
長治様もはや後戻りはできませぬ。
恵瓊殿。
毛利は間違いなく兵を出してくれますな?必ず参ります。
(隆景)恵瓊の調略がうまくいっているようでございます。
(義昭)でこれからどうなるのだ?
(隆景)別所は播磨では最も大きな家でございます。
それが毛利に寝返れば賛同する者が後を絶たぬ事でしょう。
播磨は間違いなく毛利の手に落ちまする。
(義昭)信長がじだんだを踏むのが見えるようじゃ。
ホホホホハハハハハハハハハ…。
どういう事だ!どういう事だこれは!わしは何も聞いておらんぞ!お前たちは何か知っておったのか!?
(小河)いえいえ!「寝耳に水」でございます。
(江田)職隆殿い…戦になるのでござるか?恐らく。
ばかな!すぐ支度じゃ!はっ!慌ててはなりませぬ!まずは落ち着いて守りを固めるのが肝心でございます。
…そうじゃな。
落ち着いてのう…。
あっ!いかがされました?
(政職)櫛橋はわしの縁者じゃ。
わしまで疑われたらかなわん。
職隆!官兵衛を通じてそれを秀吉に伝えてくれ。
分かっております。
職隆頼むぞ!
(休夢)織田を見限り毛利に寝返る者たちが出た。
その中に左京進もおる。
兄上が!?
(休夢)播磨が2つに割れた!嫌な戦になるぞ。
黒田官兵衛でござる!ご城主櫛橋左京進殿にお目通り願いたい!おい。
やはり恵瓊殿でしたか…。
お久しゅうございます。
兄上お考え直し頂けませぬか?このままではまたもや身内が敵味方に分かれ戦う事になります。
光や力殿が悲しむだけでございます。
お主の口車には乗らん。
恵瓊殿の口車には乗られまするか。
何だと?兄上はまんまと調略されたのですぞ!この戦毛利に勝ち目はございませぬ。
その毛利につけば櫛橋家は間違いなく滅びます!黙れ官兵衛!
(恵瓊)毛利に勝ち目がないとは聞き捨てなりませぬな。
福原上月の戦を見れば一目瞭然。
今の織田に勝てる者がいるとは思えませぬ。
(恵瓊)確かに織田に勢いはある。
あるいは天下を取るやもしれぬ。
しかし信長殿のあのご気性ではそう長くはもたん。
5年…いや3年のうちに足元をすくわれるでしょうな。
ありえませぬ!天下統一は織田家の悲願。
羽柴様をはじめ一騎当千のご家来衆が信長様を支えお守り致します。
能書きをたれるな。
お主の話など聞きとうない。
帰れ。
考え直して頂くまでは帰りませぬ!くどい!兄上…。
考え直して頂けるというのであればこの首喜んで差し上げまする。
それがしが憎いあまり今の兄上の目は曇っておられる。
目を覚まして下され。
ここで毛利につけば戦は長引くばかり。
人が無駄に死ぬだけです!お考え直し下さい。
この乱世を終わらせるためにも!う〜っ!官兵衛。
次に会う時は戦場だ。
いずれまた。
うわ〜っ!上月を見捨ててはなりませぬ!
(秀吉)何としても上月は守らねばならん。
黙れ!
(隆景)こたびの戦は総勢5万!
(三成)総勢5万。
(秀吉)上月をお救い下さい。
(宇喜多)誰もおらぬな?謀られた!戦のない世が来ると思いますか?さらばだ。
(鹿介)もうすぐ官兵衛殿が助けてくれましょう。
播磨に入った羽柴秀吉は近隣の武将たちを集め現在の称名寺の場所にあった加古川城で毛利攻めの軍議を開きました
後に加古川評定と呼ばれる軍議は失敗に終わりほとんどの勢力が秀吉に反旗を翻したのです
当時多くの僧兵を抱えていた鶴林寺。
寺は官兵衛の説得を受け入れ秀吉軍に味方したため戦火を逃れたともいわれています
官兵衛の思いとは裏腹にこのあと播磨に戦乱の嵐が吹き荒れる事になるのです
2014/04/13(日) 20:00〜20:45
NHK総合1・神戸
軍師官兵衛(15)「播磨分断」[解][字][デ]

秀吉(竹中直人)の播磨平定の陰で、官兵衛(岡田准一)は光(中谷美紀)の兄・左京進(金子ノブアキ)から逆恨みされる。一方、毛利は、密かに播磨諸将の分断を画策する。

詳細情報
番組内容
秀吉(竹中直人)は播磨平定に成功するが、光(中谷美紀)の兄・櫛橋左京進(金子ノブアキ)は、官兵衛(岡田准一)が播磨に戦乱を持ち込んだと怒りをあらわにする。秀吉は毛利との決戦のため播磨諸将を集め評定を開くが、裏ではひそかに毛利による播磨分断の陰謀が張り巡らされていた。一方、石山本願寺の顕如(眞島秀和)との和ぼく交渉に失敗した荒木村重(田中哲司)は信長(江口洋介)から降格を言い渡され衝撃を受ける。
出演者
【出演】岡田准一,中谷美紀,谷原章介,内田有紀,高岡早紀,春風亭小朝,鶴見辰吾,別所哲也,吹越満,田中哲司,桐谷美玲,濱田岳,速水もこみち,高橋一生,金子ノブアキ,田中圭,勝野洋,眞島秀和ほか
原作・脚本
【作】前川洋一

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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