ダーウィンが来た!「人気者カクレクマノミの意外な素顔」 2014.04.13

正解は…。
こちらカクレクマノミです。
アニメ映画で人気になりましたよね。
海の中の住まいはイソギンチャクの中。
実はこれとんでもない能力なんです。
普通の魚がイソギンチャクに触ると命取り。
近寄ることすら危険です。
でもカクレクマノミは特殊な能力でイソギンチャクを味方に付けました。
そして安全なマイホームに変えてしまったんです。
今回その不思議な暮らしに…貴重な産卵の瞬間やかわいい赤ちゃんも目撃。
でも強敵が出現。
マイホームが壊される?どうする?カクレクマノミ!今日は人気者カクレクマノミ。
かわいい姿に隠された知られざる素顔に迫ります。

(テーマ音楽)沖縄県慶良間諸島。
今年3月国立公園に指定された豊かな海です。
白い砂に「ケラマブルー」と呼ばれる青。
きれいですね。
透明度は世界屈指。
ダイバー憧れの海です。
サンゴの周りに色鮮やかな魚たちが群れます。
複雑な形をしたサンゴは小魚たちにとって絶好の隠れが。
魚たちの楽園です。
水深8m。
カクレクマノミはこの辺りで見られるといいますが…。
いました!でもなかなか全身が見えませんね。
こんなふうにいつもイソギンチャクに隠れているので「カクレクマノミ」という名前なんです。
やっと出てきてくれましたよ。
体長は大きいもので8cmほど。
オレンジ色に白のライン。
鮮やかですね。
時折外へ出てきては潮が流れてくるほうへ顔を向けます。
そして…パクッ。
流れてくるプランクトンなどを食べているんです。
でもどうしていつもイソギンチャクに隠れているんでしょう。
その訳は…。
あっ!大きな魚。
天敵の肉食魚です。
カクレクマノミにとって恐ろしい天敵が近くにウヨウヨいるんです。
うわ急接近!大丈夫?おや?去っていきました。
目の前にカクレクマノミがいるのになんで襲ってこないんでしょうか。
それはイソギンチャクが怖いから。
なんと魚が捕まっています。
普通の魚はイソギンチャクに触ると命取り。
捕まって食べられてしまうんです。
これは別の種類のイソギンチャク。
腕のように伸びるものは「触手」と呼ばれます。
触れた瞬間捕らえました。
一度くっついたらもう離しません。
イソギンチャクの触手にはどんな仕掛けがあるんでしょう?見た目は何だか柔らかくて気持ち良さそう。
でもだまされちゃいけません。
獲物が近づくと細い糸のようなものを発射します。
糸には粘着性があり魚に吸い付きます。
更に毒を獲物に注ぎ込んで弱らせます。
恐ろしいですね。
ではどうしてカクレクマノミは平気なんでしょう?イソギンチャクの触手の中にすっかり潜り込んでいますよね。
カクレクマノミの体が触れた時触手がどうなっているかというと…。
うん?糸が出ていません。
なぜか触っているのに変化がありません。
その秘密は粘液にあります。
イソギンチャクは体の表面をネバネバとした粘液で覆っています。
カクレクマノミはその粘液そっくりな成分で体を覆うことで獲物とは認識されないようにしていると考えられているんです。
誰もが恐れるイソギンチャクだからこそ味方に付ければ安全なマイホームになる。
カクレクマノミしたたかですね。
イソギンチャクにとってもカクレクマノミがいると助かることがあります。
おや?白い粒を吐きましたよ。
こっちでも。
白い粒が何かというと…。
根元の辺りを見て下さい。
砂です。
流れてきた砂をカクレクマノミが吐き出し掃除していたんです。
研究者によればこうした手入れがイソギンチャクの体を清潔に保ち病気を防ぐといいます。
イソギンチャクとカクレクマノミはお互いに助け合う持ちつ持たれつの関係なんです。
でもこのマイホームそう簡単には手に入りません。
お隣さんを訪ねてみると…まだまだまだ行きますよ。
距離は100m以上。
やっと着きました。
マイホームはかなりの希少物件なんです。
実はカクレクマノミは素早く泳ぐのが得意ではありません。
イソギンチャクの外では生きていけないのでよほどの事がないかぎり一度見つけた住みかから離れることはないんです。
ある日のこと。
あれ?何か変です。
カクレクマノミたちが密集していますね。
なんとイソギンチャクが丸まっています。
ふだんの姿と比べるとこのとおり。
隠れる場所がほんの少ししかありません。
閉め出されたら危険です。
イソギンチャクが丸まる理由は研究者ですらよく分からないといいます。
とにかくカクレクマノミにとっては非常事態。
どうなるんでしょう?2時間後。
イソギンチャクが広がり始めました。
やっと元どおりになりました。
安全なマイホームとはいえ相手は生きもの。
思いどおりにならないこともあるんですね。
また別のある日。
更なる大事件が起きました。
イソギンチャクの周りに黒い魚が集結しています。
しかも大群です。
ふだんはサンゴなどに住むスズメダイ。
どういうわけかここが気に入ってしまったようです。
カクレクマノミは「あっちへ行け!」。
必死で追い払っています。
ここに居つかれたら大迷惑。
切実な理由があります。
それは食べ物。
流されてくるプランクトンなどを食べるカクレクマノミ。
スズメダイも同じ物を食べるんです。
このままでは食べ物を横取りされてしまいます。
死活問題です。
でも多勢に無勢。
相手は動きません。
そこに予想外の事態が発生。
巨大な魚がまっしぐら。
うわ攻撃!なんとイソギンチャクを食べています。
実はこのチョウチョウウオはイソギンチャクの数少ない天敵。
特殊な口で触手を食べてしまうんです。
マイホームのピンチにカクレクマノミは?お!威嚇しています。
何倍もある大きな相手に全くひるみません。
敵の猛攻撃を体を張って阻止しようとするカクレクマノミ。
イソギンチャクにとって心強いガードマンだったんです。
一進一退の攻防が続く中うわ〜!肉食魚のハタが近づいてきました。
下手な動きをすればカクレクマノミの命まで危険です。
もう踏んだり蹴ったり。
どうなっちゃうの?その時スズメダイが意外な行動を始めました。
チョウチョウウオを攻撃しています。
まさかの助太刀です。
巨大な敵に力を合わせて立ち向かいます。
ついに敵は退散。
よかった〜。
ハタも立ち去っていきました。
何はともあれ防衛に成功。
カクレクマノミのイソギンチャク暮らし。
安全と思いきや意外にもハプニングの連続なんですね。
第2章は一緒に暮らすカクレクマノミたちが大げんか。
家族?恋人?それとも…?驚きの関係が明らかになります。
皆さ〜んイソギンチャクって何の仲間かご存じですか?まるで水中に咲くお花のよう。
でも実はサンゴやクラゲの親戚に当たる動物なんです。
そのイソギンチャクの驚くべき行動が水族館で目撃されました。
えっ姿を消す!?水槽からいなくなった!?一体どういうこと?イソギンチャクを定点観察すると…。
お〜確かに動き回っています。
壁をよじ登ろうとしています。
…落っこった。
こうして動き回り時にはお客さんから見えなくなってしまうこともあるというんです。
なぜ動くのか。
体の中に一つの理由があります。
丸くて茶色い粒。
光合成をして栄養を作り出す植物プランクトンです。
イソギンチャクは魚を食べるだけでなくこの植物プランクトンから栄養をもらうと考えられているんです。
そこで次なる実験。
部屋を暗くして片隅から光を当てます。
イソギンチャク光へ向かって行きます。
そして今度は登り切りました!体の中にいる植物プランクトンに光合成をしてもらおうとイソギンチャクは動いていたんですね。
カクレクマノミと暮らすイソギンチャクが住み着くのは決まって太陽の光がよく当たる開けた場所。
セキュリティー完備おまけに日当たり良好。
まさに優良物件だったんですね。
イソギンチャクという安全なマイホームを手に入れたカクレクマノミ。
更に子孫を残す独特の方法も編み出しました。
この2匹岩をつついています。
実は産卵の準備中。
こちらはおなかに卵を抱えたメスです。
卵を岩に産み付けるために掃除しているんです。
そこへ一回り小さなカクレクマノミが手伝いに来ました。
こちらがオス。
2匹は夫婦です。
カクレクマノミってメスのほうがオスより大きいんですね。
あ!産卵が始まりましたよ。
掃除した岩の上に卵を丁寧に産み付けていきます。
卵は全部で500個ほど。
両親と同じオレンジ色です。
きれいですね。
産卵が一段落するとお父さんが卵の世話をします。
ヒレであおいで新鮮な水を卵に送るんです。
ふ化するまでの1週間付きっきりで卵を見守り続けます。
お母さんはイソギンチャクの周りで警備を担当。
卵を狙ってたくさんの魚たちが集まってくるんです。
「許さないわよ!」。
大きな体を生かし先頭に立って追い払います。
体の大きな肝っ玉母さんとイクメンのパパ。
カクレクマノミの夫婦はこんなふうに役割分担して子育てをしているんです。
ところでこのイソギンチャクにはもう一匹体の小さなカクレクマノミが同居しています。
一体何者なんでしょうか。
他のイソギンチャクも調べてみると面白いことに気付きました。
こちらでも一番大きいのがメスで2番目がオス。
そして小さなカクレクマノミが1匹。
さっきと同じ構成ですね。
こちらは…あやっぱり同じ。
この大きなイソギンチャクには全部で5匹。
でもメスとオスの夫婦の他に小さなカクレクマノミがいることは他と一緒です。
この小さなカクレクマノミたちはまだ成熟していない幼魚です。
大人の夫婦に幼魚たち。
一見すると家族のようにも見えますが実は血のつながらない赤の他人。
たまたま一つのイソギンチャクに同居しているだけなんです。
卵から出た子供たちは潮に流されながら2週間ほど大海原を旅します。
兄弟とも離れ離れ。
それぞれが別のイソギンチャクを見つけそこで暮らすんです。
でも見つけるのは至難の業。
イソギンチャクは大きさによって隠れる場所や食べ物の量が決まってきます。
だからそこで暮らせる数には限りがあるんです。
運良くマイホームを見つけた幼魚たち。
しかし観察を続けていると熾烈な争いがあることが分かってきました。
ここには大人のメスとオスに加え3匹の幼魚がいます。
大きい順に呼び名を付けながら見ていきます。
こちらが…一回り小さい…更に小さいナンバー5はここにいました。
1匹ずつ大きさが違うのはこのイソギンチャクに入ってきた時期が違うため。
いわば先輩・後輩のような関係です。
あれ?ナンバー5がイソギンチャクの外へ追いやられていますよ。
体の大きなナンバー3が追い出そうとしています。
「入れてよ〜」「ダメ!」。
激しく攻撃しイソギンチャクに入れようとしません。
それでもナンバー5は必死で中に入ろうとします。
おや?イソギンチャクの上に回り込みましたよ。
目の届かない隅っこにこっそり隠れました。
この場をひとまずしのいだようです。
なぜ幼魚たちはこうも仲が悪いのか。
それはこのグループの中での自分の順位を守るためなんです。
グループのうち子供を残せるのは大人のメスとオスだけ。
幼魚が自分の子孫を残すためには大人がいなくなるのを待つしかありません。
その時が来るまで自分より小さな相手を攻撃し続けることで力関係をはっきりさせ順位を守っていたんです。
こうして順位を守っていれば例えば大人のメスがいなくなった時オスがメスに変身します。
そして空いたオスの座にはナンバー3が晴れてオスとなって昇格。
このように順位を守ることでいつか自分の子孫を残すチャンスが巡ってくるんです。
はあ?ちょちょちょっと待った!ヒゲじい困った顔でどうしたんですか?だってオスがメスに変身するとかナンバー3がオスになるとかさっぱり分かりませんぞ。
何を言ってるんですか?あヒゲじい。
大切なことを言っていませんでしたね。
カクレクマノミは性転換をするんです。
なななんと性転換ですと!?はい。
一つの個体が途中で性別を変えることです。
魚ではそれほど珍しくないんですよ。
え〜そうなんだ。
じゃあナンバー3がオスになるって言ってたのは何だったんですか?それは幼魚のうちはまだ性が決まっていないオスでもメスでもない状態なんです。
えどういうこと?こちらはカクレクマノミの幼魚が持つ生殖腺です。
ここがいずれ精子を作る部分。
こっちが卵子を作る部分です。
えっ!両方持ってるってことですか?はい。
カクレクマノミは幼魚の間は性を持たず成熟するとまずオスになりその後性転換してメスになるというわけなんです。
いやはやすごい仕組みですな。
何でこんな複雑なことをしなきゃならないんですかね。
それはねヒゲじい。
一生をイソギンチャクで暮らすカクレクマノミたちが自分の子孫をできるだけ多く残すためなんです。
まず大人の2匹について見てみましょう。
子孫をたくさん残すには体の大きいほうに卵を産んでもらうほうがいいですよね。
ああだからメスのほうが大きいんですな。
はい。
そのため大人になるとまずオスになりその後メスになるんです。
一方幼魚は性が決まっているとオスやメスとの競争に巻き込まれ外に追い出される危険が増えます。
確実に子孫を残すためにはオスでもメスでもない状態のままチャンスを待つのが一番いいんです。
なるほど!カクレクマノミってかわいい見かけからは想像もつかない不思議な生涯を送っていたんですな。
やっぱりニモだけにオス「にも」メス「にも」なれるってことですな。
産卵から1週間がたちました。
卵はどうなったでしょうか。
あお父さんがまだ世話を続けていますね。
もう目がはっきり見えています。
寝る間も惜しんで見守り続けてきた卵。
夫婦で手間ひまかけた子育てもあとわずかです。
その夜。
卵に水を送り続けるお父さん。
何だかいつもより激しいですね。
子供たちが外へ出るよう促しているんです。
生まれました!親と違って目立たない体。
大海原を漂ってイソギンチャクを探す間敵に見つかりにくくするためです。
旅立ったもののうち運良くマイホームを見つけられたものだけが鮮やかなオレンジ色へと姿を変え次の命をつないでいくんです。
沖縄・慶良間の海に生きるカクレクマノミ。
危険なイソギンチャクをあえてパートナーに選び子孫を残すため奇想天外な生き方を編み出しました。
人気者の素顔はかわいい姿に命の神秘を隠し持ったたくましい魚だったのです。
2014/04/13(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「人気者カクレクマノミの意外な素顔」[字]

アニメ映画でおなじみのカクレクマノミ。イソギンチャクのマイホームで続出するハプニング、家族のように見えた住人同士の意外な関係など、人気者の知られざる素顔に迫る!

詳細情報
番組内容
アニメ映画でおなじみ、かわいい姿で大人気のカクレクマノミ。住みかはイソギンチャク。魚を捕らえて食べてしまうコワーい動物だ。でもカクレクマノミは特殊能力でイソギンチャクを安全なマイホームに変えてしまった。その暮らしに密着すると、マイホームから閉め出されそうになったり、迷惑な訪問者が次々来たりとハプニング続出!さらに家族のように見えた住人同士の意外な関係も明らかに。人気者の知られざる素顔【歌】平原綾香
出演者
【語り】首藤奈知子,龍田直樹,豊嶋真千子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:13317(0×3405)