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【ゴルフ】

B・ワトソン 2年ぶりV 超攻撃型プレーで魅了

2014年4月15日 紙面から

2年ぶりの優勝を果たし、息子のケレブ君を抱いて観衆とタッチを交わすバッバ・ワトソン(右)=オーガスタ・ナショナルGCで(共同)

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◇マスターズ<最終日>

 ▽13日、米ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC(7435ヤード、パー72)▽晴れ、気温28度、弱風▽賞金900万ドル、優勝162万ドル▽51選手(アマ1選手)

 【オーガスタ(米国ジョージア州)大西洋和】バッバ・ワトソン(35)=米国=が2年ぶりに王者に返り咲いた。史上最年少優勝を目指した20歳のジョーダン・スピース(米国)との最終組対決を中盤で振り切り、69で回って通算8アンダー。2位に3打差をつけて完勝した。2年前にマスターズを制してから停滞したが、今年2月のノーザン・トラスト・オープンに勝って復調し、これでツアー通算6勝目となった。スピースは2位タイ、50歳のミゲル・アンヘル・ヒメネス(スペイン)は4位だった。松山英樹(22)=レクサス=は予選落ちしていた。

 ワトソンは18番ホールで、得意のドライバーではなく、4番ウッドで打った。「3打差あったから、もうバーディーは必要なかった」。パーでまとめて2度目の優勝を決めると、涙をためながらキャディーと抱擁。駆け寄ってきた2歳の息子ケレブ君を抱え上げ、身長が193センチある妻のアンジーさんと抱き合ってキスをした。夕日がその姿を照らす。毎年、優勝者が決まった時の光景は、華やかなマスターズの中でもとりわけ美しい。そして今年のその瞬間は、名実ともに新しいビッグネーム誕生をたたえるシーンでもあった。

 大会を通じての平均飛距離は305・62ヤードと堂々の1位。史上最年少優勝を目指したスピースの夢も、50歳でメジャー最年長優勝を狙ったヒメネスの野望も、すべて力でねじ伏せた。9番で2メートルのバーディーパットをねじ込み単独首位を奪ってからは独壇場。13番パー5で木をかすめながらもドライバーをかっ飛ばし、56度のSWで2オンさせてリードを3打に。17番でピン上1メートルを沈めてパーをセーブすると、勝利を確信してガッツポーズをつくった。

 自己流のゴルフ、いつでもどこでもグリーンを狙う超攻撃型プレー、ストレートボールをほとんど打たずにスライスとフックを駆使するスタイル、そして豪打と、ファンを引きつける魅力にあふれる。だが、奇跡のフックボールで一昨年マスターズを制してから悩んだ。「精神的に押しつぶされてしまった。田舎町で育ったぼくがマスターズに勝つなんて、と思った。それに、息子を養子に迎えたばかりで、いっぱいいっぱいだった」と振り返る。

 前回優勝時、ケレブ君のためにアンジーさんは家を空けられなかった。今回は家族3人で喜びを味わった。「世界中にはたくさんの子供たちが家族を必要としている。息子は僕にとってグリーンジャケット以上の意味がある」という。

 38歳になったウッズは腰痛に苦しみ、今大会はついに欠場。43歳のフィル・ミケルソンは予選落ちした。ビッグ2に陰りが見え始めた米ツアーで、メジャー2勝目を挙げたワトソンは、新しい主役に躍り出た。

 

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