ワシントン=小林哲
2014年4月15日11時32分
シマウマのしま模様は、虫よけのために進化してできた――こんな可能性を米カリフォルニア大の研究チームが、しま模様の濃淡と害虫の分布などの数値分析から明らかにした。証明されれば、進化論を提唱したダーウィンも悩ませた長年のなぞに迫る成果だ。英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に論文が掲載された。
研究チームによると、しま模様ができた理由として、これまで①天敵に見つかりにくくする②襲われた際に相手を混乱させる③体温調整に役立つ④群れの中での個体認識や交尾など社会的な機能⑤アブやツェツェバエなど吸血性の害虫から身を守る――などの諸説が考えられてきた。
研究チームは、7種のシマウマのしま模様について、位置や濃淡などを数値化した上で、生息環境や天敵の存在、害虫の繁殖条件などのデータと比較分析した。その結果、害虫に狙われやすい体の部分ほど模様が濃く、害虫の繁殖が盛んな地域と模様のでき方に関連があることが裏付けられた。ツェツェバエの習性を調べる別の実験から、しま模様を避ける傾向も確かめた。
研究チームは、シマウマの体毛はひづめをもつほかの有蹄(ゆうてい)類に比べて特に短く、害虫に血を吸われやすいことで、しま模様の進化につながった可能性があるとみている。(ワシントン=小林哲)
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