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郡山・脳神経疾患研 医学部新設申請へ 法人設立、大学も

医学部新設構想を説明する渡辺理事長

 福島県郡山市の総合南東北病院(461床)などを運営する一般財団法人脳神経疾患研究所(渡辺一夫理事長)は14日、同市内に大学医学部を新設する構想を発表した。文部科学省に申請し、2016年春の開学を目指す。既存の大学とは連携せず、学校法人を設立して大学を新設する方針。

 文科省は震災後の地域医療の拡充を図るため、東北地方の1校に限って医学部設置を認める。6月に申請を締め切り、夏に1校を採択する方針。現在、仙台市の東北福祉大と東北薬科大が名乗りを上げている。
 構想では南東北病院と、隣接するグループ病院の南東北新生病院(156床)などの敷地4万平方メートルをキャンパスとし、校舎を整備する。
 定員は100人で、基金を設け入学者全員を奨学生として支援する。教員は国内外から募り、首都圏のグループ病院のネットワークも活用する。
 主な研究方針として原発事故に対応した医療態勢の構築を掲げ、研究所の設置を検討。福島県立医大などと災害医学や放射線関連研究分野で連携したい意向を示した。

 脳神経疾患研究所は1984年設立。研究所付属の総合南東北病院を含め、福島や宮城などに計8カ所の付属・グループ病院がある。
 渡辺理事長は同病院で記者会見し「医療関係の経験や実績が豊富で大学に勝るとも劣らない研究発表もしている。次世代を支える強い使命感を持った医師育成を担いたい」と意欲を語った。
 今回の構想について、福島県立医大の錫谷達夫医学部長は「医学部新設には医師の引き抜きなどさまざまな課題がある」と指摘。「医大としては入学定員を増やすとともに修学資金制度の拡充に取り組み、医師のさらなる養成と定着促進に取り組んでいく」と話した。


2014年04月15日火曜日

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