暗号化ソフト:欠陥でカナダ歳入庁が被害
毎日新聞 2014年04月15日 11時11分(最終更新 04月15日 11時15分)
個人情報が含まれる重要な電子商取引などに幅広く使われている暗号化ソフト「OpenSSL(オープン・エス・エス・エル)」に、情報流出を招く重大な欠陥が見付かった問題で、カナダ歳入庁は14日、公式サイトが何者かによる攻撃を受け、納税者約900人分の社会保険番号がシステムから盗まれたと発表した。OpenSSLの欠陥で、具体的な被害が明らかになったのは初めて。
社会保険番号は、税金や保険の管理に使われるもので、カナダ歳入庁は「OpenSSLの欠陥が悪用された」と見ている。
同庁によると、サイトが6時間以上にわたり攻撃を受け、一部のデータが削除された。現在断片化されたデータを分析、他の被害がないか調べている。
カナダ歳入庁は、OpenSSLの欠陥が発覚した後、今月8日にオンラインサービスを停止。修正版を適用したうえで、13日にシステムを再開したが、この際にデータの盗難に気付いた。【尾村洋介】