元某大学事務局長として、教育の改革は永遠のテーマだと思っています。そんな中で、たまたまこのような話題がありました。
 
僕自身、うちの子供の参観日に行った際、その後の懇談会で担任の先生が(話題として)ポロッと「実はうちの子供も今日が参観日でして」とおっしゃいました。たしかに、担任の先生が参観日を放り出すことは難しいだろうなと感じたことがあります。
 
我々一般企業では、有給休暇をとれるようにすることが重視され始めている中で、教師は自分の子供の入学式を優先してはならない、という議論が巻き起こっているようです。うーん、どうなのでしょうか。
 
この話の発端は、この教師の方が子供の入学式を、自分が勤務する学校の入学式よりも優先したことにあるのでしょうか?僕はそうではないように考えています。
 
僕たちの仕事に置き換えてみましょう。仮に、今日はお得意様が当社に来社される日だったとします。しかし、社員が自分の子供の入学式があり、そちらを優先したとします。そこで僕が

「すみません、◯◯は子供の入学式があり、そちらに行っておりまして本日は不在にしております」

と言うでしょうか。おそらく、そこは体の良い言い訳をして、本当のことは言わないでしょう。嘘はつかないけれど、「家庭の事情」ということで会話は成立するはず。それよりも、その社員がいないことで問題が起きないようにしておくことのほうが大切です。引き継ぎをして、お客様が見えても「聞いていない」「知らない」といったことが起きないように入念に打ち合わせを行なっておく。そうやってフォローし合えるから組織なのだと思います。
 
もし、この先生が不在で入学式に支障が出たのであれば、それは組織としての問題。個人を責める話ではないと思うのですがいかがでしょうか。
 
とはいえ、僕たちはついつい「教師」というお仕事をなさっているみなさんに、聖職を求めてしまいがちな気がします。しかし、聖職はもっと違うポイントに求めるべきであって、休暇取得など組織人の権利にまで踏み込むべきではない。そんな気がした月曜日です。

kumaboo

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大木 豊成

スマートフォン法人導入コンサルティングのイシン株式会社 代表取締役。
著書に、iPad on Business、ソフトバンク流『超』速断の仕事術、ファシリテーターの道具箱(共著)がある。

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