小保方氏「STAP細胞毎日作製」“200回無理”に反論
STAP細胞の論文問題で、理化学研究所(理研)の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)は14日、代理人の弁護士を通じて文書を発表し、「(STAP細胞の作製は)毎日のように行い、1日複数回行うこともあった」と強調した。小保方氏以外の第三者が作製に成功していた点については「成功した人の存在は理研も認識しているはず」と明言。これに対し理研は「部分的に再現しただけで『完全に作製に成功した』という事実はない」と、小保方氏とは異なる主張をみせた。
注目の会見から5日たった14日午前。代理人の三木秀夫弁護士の事務所に詰めかけた報道陣向けに突然、「4月9日の記者会見に関する補充説明」と題名のついたA4で3枚の文書が配られた。三木弁護士によると、入院先の病院で数時間に及び小保方氏に聴取を行った上で、代理人側がまとめたという。小保方氏は文書のなかで「(会見は)準備期間も不十分で、公開の時間も限られた場であった」とし「このような事情をご理解いただけず、説明がなかったとして批判される方がおられることを悲しく思っております」と説明した。
小保方氏はまず、会見で「STAP細胞を200回以上成功した」としたことについて「作成の実験を、毎日のように行い、しかも1日に複数回行うこともありました」と主張。“200回作製するには時間がかかりすぎる疑惑”を否定した。
2011年4月にはSTAP細胞を確認。同年9月頃までの半年間に「100回以上は作成」したという。事実なら、月に15個以上のペースでSTAP細胞を作ったことになる。その後も「実験に使うため計100回以上」作製し「このことから、会見で200回以上と述べました」と断言している。
一方、会見でSTAP細胞作製に成功した人が「私以外に1人いる」としたことについては「名前を公表することはできません」とした上で「成功した人の存在は、理研も認識しておられるはずです」と言い切った。
だが、理研ではこのことを「認識」していなかった。同広報によると、「1月28日の論文発表の前に1人、発表後に1人の計2人、理研内で(STAP細胞を示す)多能性マーカーが陽性になることを確認した研究者はいる」としたが、「陽性になっただけでは本当に万能細胞と証明するには不十分」と明言。「これでは『作製に成功した』とは言えない」と付け加えた。小保方氏の主張とは違い「STAP作製に近づいた人は2人」いるが「作製に成功した人は0人」という見解だ。万能細胞の特徴をどこまで確認すれば「作製した」ととらえるかの見解が両者で異なっているとみられ、結果的に意見が大きく対立してしまった。
理研の言い分を受け、三木弁護士は「私はあくまで(理研が認識している)STAP細胞の作製成功者が1人いる、ということしか聞いていない」と、あらためて理研側との意見の相違を強調した。