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ウクライナ東部混乱広がる 警察署襲撃も
4月15日 5時08分

ウクライナ東部混乱広がる 警察署襲撃も
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ウクライナ東部で、州政府庁舎などの占拠を続ける親ロシア派の住民や武装集団は、暫定政権が設けた投降の期限が過ぎても退去の動きを見せず、新たに警察署が襲撃されるなどかえって混乱が広がっています。

ウクライナ東部では、親ロシア派の住民が自治権の拡大を求めて、ドネツクやルガンスクの州政府の庁舎などを占拠し続けているほか、武装集団がスラビャンスクなど複数の都市で、治安機関の建物を占拠しています。
これに対してウクライナ暫定政権のトゥルチノフ大統領代行は14日午前(日本時間の14日午後3時)までに、武器を捨てて投降するよう求め、従わない場合は軍を投入して強制排除に乗り出す方針を示しています。
しかし、投降の期限から半日を過ぎても、建物から退去する動きは見られず、このうちドネツク州政府の庁舎では、デモ隊のメンバーが軍の強行突入に備えて、徹夜で警戒態勢をとるなど緊迫した状況となっています。
さらに14日午後にはドネツク近郊の町、ゴルロフカで、新たに警察署と市役所が相次いで襲われるなど、これまでに地元政府の庁舎が占拠されたり、襲撃事件が起きたりしたのは合わせて11の市や町に上り、混乱が広がっています。
ただ、軍が強制排除に踏み切って武装集団などとの衝突になれば、多数の死傷者が出るおそれがあり、国境沿いに展開するロシア軍にも介入の口実を与えかねないことから、暫定政権は、難しい判断を迫られています。

抵抗強める親ロシア派

ウクライナ東部で親ロシア派の住民や武装集団が地元政府の庁舎などを占拠し、暫定政権側が強制的に排除するかどうか緊迫した状況が続くなか、親ロシア派の住民らは、占拠した庁舎にバリケードを築くなどして暫定政権への抵抗を強めています。
ウクライナ東部ドネツク州、スラビャンスクでは市庁舎を占拠している親ロシア派の住民の代表が14日、記者会見を開き、暫定政権側を非難したうえで、「プーチン大統領が現状を注視し、私たちを支援することを望む」と述べて、ロシアのプーチン大統領に親ロシア派の活動を支援するよう求めました。
武装集団が建物の周囲で警戒に当たるなか、市庁舎にはドネツク州の旗と共にロシアの国旗が掲げられ、集まった親ロシア派とみられる住民たちが拍手をしたり、歓声を上げたりする姿も見られました。
また、ルガンスク州でも親ロシア派の住民が州政府庁舎の周囲にバリケードを張り巡らせ、中心部の広場ではテントを張って占拠を続けています。
住民の1人は「私たちはロシアのルーツを持っているが、暫定政権は、私たちをロシアから切り離そうとしている」と主張するなど、親ロシア派は暫定政権への抵抗を強めています。

米報道官 ロシアを非難

ウクライナ情勢を巡って、アメリカ・ホワイトハウスのカーニー報道官は14日、記者会見で、「ウクライナ東部では、ロシアの支援を受けて挑発的な行動が行われており、懸念している」と述べ、改めて非難しました。
一方で、「ウクライナの暫定政権が難しい事態に自制しながら対応していることを評価する」と述べました。
そのうえで、「われわれはヨーロッパの国々と連携して、次のステップを検討していく。ロシアのさらなる挑発行為は必ず代償を伴う」と述べ、ロシアが事態を悪化させた場合には追加制裁を検討する考えを強調しました。
また、カーニー報道官はウクライナと機密情報の収集などを巡って、協力関係を強化するため、週末にCIA=中央情報局のブレナン長官がウクライナの首都キエフを訪問したことを明らかにしました。

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