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» 2014年04月15日 08時30分 UPDATE

検証サイトが暴いたSTAP論文の「疑惑」 「論文検証、特権的ではなくなった」 (1/3)

「STAP細胞」の論文をめぐる不正問題で、論文の疑惑を最初に指摘したのはネットの検証サイトだった。ネット上の言論空間が進化し、誰でも検証に参加できるようになったている。

[産経新聞]
産経新聞

 新たな万能細胞とされる「STAP細胞」の論文をめぐる不正問題で、論文の疑惑を最初に指摘したのは、インターネットの検証サイトだった。その後、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(30)の博士論文に疑いの目を向けたのもツイッターで、新聞やテレビが後追いした。こうした構図が広がる背景には、ネット上の言論空間が進化し、誰でも検証に参加できるようになったことがある。(SANKEI EXPRESS)

異分野

画像 小保方晴子氏(右下)とSTAP細胞(右上)、論文の不正を指摘したネット上の画面のコラージュ(STAP細胞の写真は理化学研究所提供)

 「他の研究室で再現できるか」「ヒト細胞でも作製できるか」。理研が論文を発表した1月29日、海外の検証サイトに早速、投稿された内容だ。

 サイトの名前は「PubPeer(パブピアー)」。匿名で投稿できるのが特徴で、開設者は不明。一連の騒動はここでの指摘が発端となった。

 「論文検証は特権的な作業ではなくなった」。研究倫理に詳しい八代嘉美・京都大特定准教授は「検証サイトには、幹細胞生物学以外にも物理や化学などさまざまな分野の研究者が参加している」と、伝統的な論文検証との違いを指摘する。

 内容までは難しくても、引用方法や画像処理、構成なら検証サイトでもチェックできるようになった。科学誌のオンライン版に掲載される論文も増えてきた。

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