大阪市水道事業:30年運営権の最低売却 2300億円に

毎日新聞 2014年04月09日 12時52分

 大阪市は9日、来年度中の民営化を目指す水道事業について、30年間の運営権の最低売却額を約2300億円とする基本方針をまとめた。市が全額出資する新会社に売却する。市の予測では、必要な水道管の耐震化や料金値下げを今後しても、民営化後30年間は黒字を確保できるという。

 市によると、水道事業が抱える債務約2000億円と利息約300億円などを新会社に負担させる方針に基づき、最低額を決めた。売却価格は、30年間の事業収入見込みから運営経費などを除いて計算する。

 2044年度時点の経常損益は、運営主体が公営企業なら22億円の赤字となるが、民営化すれば人件費や設備維持管理費の削減などで13億円の黒字と予測した。

 水道料金は基本料金(月額950円)を100円値下げし、使用量10トン以下の月額料金に従量制を導入する。水道管の耐震化は更新ペースを、現在の年約55キロから年80キロに上げる。

 民営化関連議案は今年度中に市議会に提案する予定だが、野党が多数を占めており可決されるかは不透明だ。【山下貴史、重石岳史】

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