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軍縮や貧困から「安全保障」考えるシンポ
4月14日 20時56分

軍縮や貧困から「安全保障」考えるシンポ

去年の世界各国の軍事費が発表されたのに合わせて、安全保障の問題を軍事面だけでなく貧困や社会保障など幅広い視点から考えようというシンポジウムが、14日、東京で開かれました。

このシンポジウムは、スウェーデンの研究所が世界の軍事費を発表するのに合わせて世界各地で行われた「軍事費に対する世界アクション・デー」の一環として日本のNGOの主催で開かれました。
「安全保障」をキーワードに、軍縮や貧困、社会保障など幅広い問題について考えようと、「武器から人へ」をテーマにパネルディスカッションなどが行われました。
はじめにピースボートの川崎哲さんが、去年の世界の軍事費について、全体的にはやや減ったものの、アジアでは中国が大きく伸びて日本では防衛費がほぼ横ばいになっている状況を説明しました。
そのうえで「アジアが武器輸出のマーケットとなってきている。そうしたなかで日本がどう進むべきか、冷静な議論が求められている」と訴えました。
続いて軍縮や貧困の問題に取り組む国内外のNGOなど6つの団体が、それぞれの活動を紹介しながら「安全保障」について意見を述べました。

「人間の安全保障にこそ予算を」

「人間の安全保障にこそ予算を」

広島で開かれたNPDI外相会合、「核軍縮と核不拡散に関する外相会合」の関連行事に参加したオランダの国際NGO「パックス」のスージー・スナイダーさんは、核兵器の製造企業に融資する金融機関に「核兵器に投資するな」と呼びかけている活動を紹介し、「こうしたキャンペーンは市民を巻き込む手段として効果があり、日本でも核兵器への投資を銀行に禁止する政策を訴えていくべきだ」と話しました。
また、フィリピンのミリアム大学のロレタ・カストロさんは、フィリピンで武力闘争が行われている地域では貧困の割合が約90%に上るなど、貧困が武力衝突の温床になっていると指摘し、「お金を人間の基本的な欲求を満たす『人間の安全保障』に充てていくことが必要で、それが人間と地球を守ることにもつながる」と強調しました。
東京を中心にホームレスへの支援など貧困問題に取り組むNPO「もやい」の大西連さんは、生活保護費が来年には1000億円削減される一方で、今年度予算で防衛費が1000億円増額される点などを指摘して、「厳しい財政のなかで優先順位が『人』から『国家』に移りつつあると懸念している。今、生きている人を支えることから安全保障は始まるのではないか」と訴えました。

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