朝の体操はこの辺で。
どうぞ良い日曜日をお過ごし下さい。
「NHK俳句」新年度も第2週の選者は小澤實さんでいらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
今日の兼題は「蜂」ですけれども冒頭の句は小澤さんの句で?こんな景を見た事があるような気がして作ってみました。
蜂を通して生き物の生命力のようなものをつかんでみたいと思って作ってみました。
ホントにたくましいというか…。
たくましいですよね。
今日もまたよろしくお願い致します。
さあゲストをご紹介致します。
今日はエッセイストの千野帽子さんにお越し頂きました。
ようこそお越し下さいました。
よろしくお願いします。
千野さんはエッセイストとして活躍していらっしゃるんですが実はこちらをご覧頂きましょう。
こういう「俳句いきなり入門」とこういうご本を書いていらっしゃるんですね。
この本を出されたいきさつはどういう事だったんですか?僕は文筆業を始める前から職場で句会を楽しんでまして句会ってなんて面白いんだろうと。
俳句の事知れば知るほど句会ってもっと面白くなるのでそういう句会の面白さを知ってもらうための入門書が出来たらいいなと思っていきなり書いてみました。
句会第一主義という事を貫いていらしてすばらしい俳句の一面を紹介して頂けました。
その中から千野さんの句を一句ご紹介頂きたいんですが。
僕も互選句会が好きなので今日はお互いに選び合う句が好きなので自分では選ばないで僕の句をいくつか選んだ中から小澤さんに選んでもらいました。
という事で?何が出るでしょう?この句を選びました。
これですか。
千野さん今初めてご覧になるんですね?そうです。
花の時期なのでやはり花の句を選びたくて。
そしてこれは花をちょっと悪役にしてますよね?それがまた楽しい。
花の陰影を描いて。
楽しい句ですね。
ちょっとふらちな感じですね。
「窓からの家出」がまた大胆ですよね。
多分居ても立っても居られなくなったんでしょうね。
また別の原因があったかもしれないけれども「花のせいにする」というのがいいですよね。
花のせいにしちゃう。
花だからいいじゃんという感じですね。
それにしてもこういう形で互選が好きだ。
ふだんからやってらっしゃるという事でそういう会に小澤さんもお出に?出た事がありますけれども「東京マッハ」は非常に印象的でした。
ありがとうございます。
若い人がかくまで多く集まっている俳句関係のイベントというのは私出た事がなかったのでもうそれだけで圧倒的な驚きだったんですけど。
ありがとうございます。
20代30代の方が多く来られてますね。
また後ほどよろしくお願い致します。
それでは小澤さんが選ばれました入選句ご紹介してまいります。
まず1番です。
北原白秋の生家は福岡県柳川市にあるんですけど。
「土間広き」という描写で行った事がないんですけれど何かほうふつとできるような気がします。
そこに蜂が迷っているという事ですね。
この蜂は少年時代の白秋と会ってるようなそんな想像も広がります。
では2番です。
相当な蜂嫌いの女性でやけになってますね。
いろんな退治のしかたがあるんですけれどもあんまり効果的ではないような気がするんですけれども。
それもまた面白いですよね。
「女」と言い切るところが…。
客観的に見せようとしてますね。
そうですね。
では3番です。
この「欠席」というのは学校の欠席なんでしょうか。
あんまり学校好きじゃないんでしょうねこの方は。
それで何か欠席の理由を探している。
そして「蜂に螫された」というのでちょっとこれで休めるかなと思ったんだけれどもその当てが外れたという落胆をうまく詠んでると思います。
この「螫す」という漢字もこれは虫が入ってる事が分かるとおり単にとがった物じゃなくてやっぱり虫刺され用の文字だなと思いますね。
「では欠席の」というふうに中七がこう2つに折れてるというのもこの句のちょっとイレギュラーな感じがね…。
この出来事の思いがけなさを表しているような感じがしてとてもいいと思います。
大好きです。
では4番です。
蜂の句では蜂を詠んだ句ばかりが多くてこのように別の動物を出してくるという事はとても珍しかったですね。
その点でも意味がありました。
「猫身構ふる」という猫の反応ですね。
それで熊蜂の存在感というものも感じられますね。
相当猫は反応したんでしょうね。
蜜蜂じゃここまではしませんよね。
熊蜂らしさが出てるんじゃないでしょうか。
5番です。
教室に蜂が入ってきて授業が中断したという投稿は膨大にありました。
その中でこれが一頭抜けていたと思います。
その反応は書かないで「脚長蜂の来たりけり」って「脚長」というその蜂の部分に全員の視線が集中してるところが感じられてくると思いました。
そんなところが面白いと思いました。
反応書いてないですね。
反応書いてないという事で教室がざわついたのかパニックになったのかそれとも固まったのか。
これはもう読み手が好きに選ぶ事ができる。
そこがいいですね。
最後の「来たりけり」はもうゆったりと五音使っていてこういうところはとてもいいなと思います。
今度は6番です。
「十二神将」が祭られているお堂に熊蜂が入ってきて一巡りしたという事ですね。
音も聞こえてきますし一つ一つの仏像の姿も見えてきますね。
「十二神将一巡り」というのもなかなかうまい言い方で何かお堂が見えてきて。
僕は奈良の新薬師寺を想像したんですけれども。
僕もこれ奈良なんじゃないかなと思いました。
「熊蜂や」と切って一見熊蜂に気持ちを集中させるんだけど「十二神将一巡り」というのはそれで寺の中まできれいにきっちり写し取っていてすごく春らしい句だなと思いましたね。
いいなと思いました。
十二神将のいかめしい顔と熊蜂の顔というのもまた対照的な面白さになってると思いますね。
面白いですね。
今度は7番です。
面白いお父さんで。
一つくらいだったらまあ頼もしいお父さんって事になるんですけど「三つも」というのが…。
やり過ぎですよね。
面白さが出ていますね。
父というものの滑稽みが引き出されてますよね。
大体やり過ぎちゃうんですよねこういう時多分ね。
でもきっと一生懸命お父さんは食べさせたいと思って取ってきた。
いいですね。
では今度は8番です。
働き蜂の大変さがよく描かれてます。
主人公は働き蜂になりきってるんですよね。
ただただ働いて尽くしているばっかりだという。
いかがでしょう?主語がないのもいいですよね。
これ主語がないってのはすごく高度な句だなと思いましたね。
お二方何となく…。
男性という存在の悲しみを…。
これ女性が作ってるんですよね。
怖いですね。
失礼しました。
今度は9番です。
なかなか難解な句なんですけれども魅力的ですね。
琥珀の中に込められている蜂を見て共感をしている。
もしかするとその「蜂」は自分が生まれる前の自分だったんではないかと。
そういう思いを至らせているという深い句だと思います。
すごくいい句ですね。
生きてる時代も違うし生物としての種類も違うんだけれども生き物であるという事で同じなんだなと。
今の自分も日本にいるのも偶然人間としているのも偶然という感じがしますね。
何か「ジュラシック・パーク」なんか思い出したりとか「あまちゃん」にも出てきました。
そういうすごく何て言うのかな…すごく長い時間を句の中に閉じ込めてる。
いい句だなと思いました。
ありがとうございます。
以上が入選句でした。
それでは特選三句をご紹介する前に「俳人のことば」をご覧頂きます。
(能村)詩作に疲れた若者がグラウンドで何気なく槍を借りてそして投げて砂に刺さった槍をのろのろと近づいていって抜いてまたその繰り返しをするという。
早く言えば青春のけん怠感。
春の物憂さというんですけど。
そういうものを表現した句です。
能村登四郎は40代の後半から10年ほどスランプに陥りました。
これまでの人間中心の作風に行き詰まりを感じさまざまな表現方法を模索し続けました。
登四郎が新しい境地に達したのは昭和42年56歳の頃。
そのきっかけとなったのがこの一句でした。
登四郎は第三句集「枯野の沖」で人間の心を色濃く投影させた新しい作風を確立しました。
「大きな自然の中に人間も存在している」。
そう考え人間を通して自然を詠みました。
それでは特選句です。
まず第三席はどちらでしょう?村上浩さんの句です。
では二席の句です。
相川正敏さんの句です。
一席はどちらでしょう?塚本治彦さんの句です。
「や」で転換しない古風な切れ字の「や」なんですけれどもそれが格調ある内容にぴったりで深く大きな句になっています。
以上が今週の特選でした。
ご紹介しました入選句と佳作の作品はこちらNHKの俳句テキストに掲載されています。
俳句作りのためになる情報も参考になさって下さい。
それでは続きまして「入選の秘訣」です。
ここを変えれば入選していたというあと一歩をクリアーするポイントを教えて頂きます。
今日は主体をまず出すという事をお話ししてみたいと思います。
俳句ではまず主体から出していく。
それが大事だと思います。
こちらの句ですね。
この「尻立てて蕊の奥へと」は蜂の動作なんです。
それで大体は想像できるんだけれどもただ「尻立てて」って言ってもいろんな尻がありますんで蜂の尻というふうにイメージが凝縮しないんですね。
それでまず下五の「蜂もぐる」を上五の「尻立てて」と交換致します。
こうするとまず蜂の全体像が出てそして蕊の奥へ入っていく。
蜂の尻というものがくっきりとイメージが浮かびましてはっきりとしますね。
句が明せきになります。
順番入れ替えただけで随分変わるものなんですね。
そうですね。
印象がはっきりするので主体をまず出すという基本をよく考えて仕上げて頂きたいと思いますね。
どうぞ参考になさって下さい。
それでは皆さんからの投稿のご案内です。
投稿の締め切りが早まりました。
それでは小澤さんの新年度のテーマ年間テーマですけれども…「季語について考えておきたいこと」という問題1つの季語で考えていきたいと思います。
今日は「蜂」という季語で季語の連想性の中の場所をお話ししてみたいと思います。
季語はいろんなものを連想させるんですけれどもその中で場所というものも大変大事な要素だと思っています。
こちらの句で?この蜂をよく観察している句ですね。
この蜜蜂が蜜を取りに行って戻ったあと今度は巣作りを音もなくしているという句です。
この句の即物性大変魅力的で「音もなく」という表現がいいですね。
そしてこの「音もなく」というのはやはり「蜂」という季語が都会のものではなくて田園…郊外の場所を連想させる事と関わってきます。
背景に人がざわざわしていたらこの「音もなく」という表現はできていませんよね。
シ〜ンと静まり返ってないとこれは出てこない。
「蜂」という句を鑑賞するためには「蜂」という季語が田園…郊外の季語であるという事を押さえておく必要があると思います。
それのさまざまな応用がきくと思いますね。
句を作る場合にもそれを押さえて矛盾しないようにまた重複しないように作る事が大事だと思っております。
句としては非常にしっかりとした句になると?しっかりとした句になります。
そういう事を意識していくと。
ありがとうございました。
それでは千野さんにお話を伺っていきたいんですけれども。
小澤さん先ほど「東京マッハ」すばらしいとおっしゃっいましたけれども。
どういうものでいらっしゃるかちょっとご説明をして頂けますか?僕と小説家の長嶋有俳人の堀本裕樹ゲーム作家の米光一成の4人がレギュラーメンバーで。
今写真が出てますが真ん中にはこれはゲストの池田澄子さんを迎えた時で。
毎回1名から2名のゲストを迎えて5人で互選句会お互い選び合う句会をやります。
客席には150人から180人お客さんいてこちらはトークしません。
ただ…。
選ぶだけ?選句するんですね。
人気投票みたいな感じで。
僕らはお客さんと同時に選句をして作者を伏せた状態で句評もして最後に句評終わったあとに「じゃあこの句の作者は誰?」と分かるそういうイベントです。
逆選といってこの句気に食わないというのも1句選びます。
逆選になった場合には…?自分も一緒になってその句を悪口言っちゃったりもします。
小澤さんもお出になられた事あるんですって?句会をやるのはもちろん楽しいという事は僕知ってるんですけれども観客に見せてショーとして成り立たせるというのはかなり難しいと思ったんですけれども参加したらついつい引き込まれて楽しませて頂きました。
ありがとうございます。
お客さんにすごく恵まれてて。
お客さんもホントに句会を楽しもうとしてくれているしある意味でライブハウスでやっているという事もあって芸能というかある種ちょっとライブのような…。
飲み物とか食べ物も出るんですか?そうです。
最初乾杯から始まるんですけれどもそういうパーティー的な…というとちょっと格好つけ過ぎなんですけれどそういうところがある。
あと自分が選句をする。
これがすごく大事で選挙権をしっかり行使する事で自分が選んだ句が果たして点数伸びるだろうかというような事もあります。
あと客席の集計もしますので。
それはリアルタイムで集計するんですか?リアルタイムでスタッフが集計していきますので最終的にはすごく人気の句なんか100点超えるなんて事もある訳ですね。
でもトークしないでいい。
私解釈が好きなんですけど楽しむのはね。
でも作るのはなかなか作れないんですよ。
だから作らなくていいというのがいいですよね。
そういう方に来て頂いて。
そういうふうに気軽に来て頂くとそれがだんだん「自分も作ってみたいな」と…。
そうなるものですか?はい。
それはどうしてまた?何でしょうね。
多分句を作る事よりも読みをしていくという事が面白いので。
いい読みをしてもらうためであればどんな句を作ったっていいんだというふうに気持ちが多分だいぶ楽になるからだと思います。
だから僕らもいつもイベント終了後には「皆さんも帰り道よかったらカラオケボックスとかで句会やっちゃって下さい」とかって言ってますね。
でもそういう中でご自身も最初は「どうかな?」と思っていた句がだんだんいい句になっていったそういう句もあるんだそうですね?あります。
例えば1回目の時に出したんですが……という句があって。
これ僕あまり意味を考えないで作ったんですけれども「いやこれ格好つけてるじゃん。
何か格好つけてるじゃん」って言って逆選という…。
これ長嶋有が逆選つけたんですけど。
逆に「格好つけてるとこがいいんじゃん」って言って米光一成はこの句に点をつけてくれた。
そうするとお客さんが意見を言ってくれるんですね。
これは実は「金魚」というのは女の人の赤い口紅が杯についたんじゃないかというちょっと艶っぽい解釈が出たり。
逆にそうじゃなくてこれは焼き物の絵付けをしてるんじゃないかと。
金魚の絵を描いてるんじゃないかという解釈を出してくれたり。
全て作ってる僕の側にはない解釈でどんどん句の意味を読んでる人たちが見つけてくれると。
そういうのがすごく楽しかったですね。
あと人間ポンプなんじゃないかとか。
人間ポンプというのはその…。
金魚を飲み込む寄席芸ですよね。
ぴょっと出すという。
それなんじゃないかという意見も。
小澤さんならどういう句に読みますか?何か艶めかしいものを感じますけどね。
そうですか。
多分自分で考えるよりも意味を読んでる人が作ってくれると思えば気楽に作れるかなと思います。
句を育てていくという事?育成してくれると…。
楽しそうですね。
作者以上に読者の方がその句について知っている訳で。
やっぱり句は作者のもとを離れてからが句の人生始まるんじゃないかなという感じがしますね。
そういう意味ではどうですかふだんの句会ってそういうような若干ちょっと違うものもおありですかしらね?だいぶ新しい試みで。
聴衆の皆さんに選句権を持たせたというのが成功の一つの原因かなと思うんですけど。
単なる見物人ではなくて参加者一人一人になる訳ですよね。
それも1票同じとおっしゃってましたもんね。
同じ数だと…。
そうです。
句会というのは句を出す所ではなくて人の句に出会いに行く場所なんだというふうに思って頂いたら「手ぶらで行かれて全然大丈夫ですよ。
『歳時記』だけは持ってきて下さい句を読み解くために」とは。
今日も実は本日4月13日に行うという事で新宿で。
もう満席なんですよね?もう完売しております。
おかげさまで。
でもそういう形で若い人がたくさん来られて若い人の中で俳句が浸透していく楽しんで頂けるとやっぱりいい取り組みですよね。
どうでしょうね?ものすごく大事な事だと思いますね。
そしてまず俳句があるんじゃなくて句会があるという入り方を示して頂いたのはとってもありがたい事だと思うんですけど。
俳句だけではなくてむしろ句会のために俳句を作ると。
それをする事によってみんなで楽しく一つの時間を過ごす。
言葉についてどんどん気持ちが開かれていくというそういう意味では非常に僕らもやってて幸せな事ばかりですホントに。
新しい俳句とか句会の可能性みたいなものを教えて。
原点に行きつつ新しいものに。
先の…。
今日はどうもありがとうございました。
千野帽子さんにお越し頂きました。
(一同)ありがとうございました。
それでは今日はこの辺で失礼致します。
小澤先生また次回もどうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
それではごめんください。
失礼致します。
(きてき)2014/04/13(日) 06:35〜07:00
NHKEテレ1大阪
NHK俳句 題「蜂」[字]
選者は小澤實さん。ゲストはエッセイストの千野帽子さん。千野さんは「東京マッハ」という公開句会をライブハウスで行っている。俳句の魅力を若者たちに広める試みだ。
詳細情報
番組内容
選者は小澤實さん。ゲストはエッセイストの千野帽子さん。千野さんは「東京マッハ」という公開句会をライブハウスで行っている。俳句の魅力を若者たちに広める試みだ。題「蜂」 【司会】桜井洋子アナウンサー
出演者
【出演】千野帽子,小澤實,【司会】桜井洋子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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