日本!食紀行 2014.04.13

世界的に有名な鳴門の渦潮。
この鳴門のご当地グルメに今注目が集まっています。
それは…。
鳴門鯛?いえいえ。
じゃあ鳴門ワカメ?いえいえ。
わかった!徳島ラーメンでしょ?違います。
それは鳴門うどん。
鳴門うどんは地元で「鳴ちゅるうどん」と呼ばれる郷土料理。
でも具は油揚げとネギだけ?なんだかとっても地味な感じ。
麺もとっても不揃いでバラバラですねえ。
おまけにやわらかくてコシもありません。
うどんといえば讃岐うどん。
今東京で大人気!太麺でコシが強くエッジがシュッときいたいわばイケメン。
なのに鳴ちゅるうどんはほらこんなに違います。
素人が作ったようなブサイク麺。
なのになぜ人気なの?地元で半世紀出汁に命をかけてきた鳴ちゅるがあれば近所づきあいもあったかそのもの。
さらに鳴ちゅるは国境もこえました!えっ!?今週の『日本!食紀行』は徳島県鳴門市グルメの時代にあっても人々を立ち返らせるもう一つのうどん文化に学びます。
鳴ちゅるうどんのふるさと徳島県鳴門市。
海と運河に囲まれたこの静かな町にそのうどん店はありました。
それでどこにあるの?えっ?どこ?あそこ?う〜ん…どこ?あっ!あそこ食堂!創業からもうすぐ半世紀。
昼も夜も多くの人で賑わう人気のお店です。
ごはん。
ごはん2つな。
いや1つでいい。
1つちょうだい。
地元の新鮮な食材を使ったおかずが並びます。
この店で欠かせないのが鳴ちゅるうどんです。
1杯350円。
その食べ方が独特なんです。
おかずごはんさらにうどん。
えっそんなに食べるんですか?このお客さんも…。
あっ確かに食べてます。
こちらはお寿司と一緒です。
そううどんはごはんのおかず。
この食べ方はあのうどん王国の香川県民にも評判なんだそうです。
あれだったらごはん食べれんわけじゃ。
香川のうどん…讃岐うどんはな。
太いであれでお腹いっぱいになるでな。
どうしてもな。
ほんで持ちがええ。
ほなけんよく言われるよ。
お腹にスルッと入って消化にいい秘密それは麺にありました。
生地は出来る限り薄くのばします。
最終的にはここが一番基本的に大事なポイントですね。
鳴ちゅるうどんの生地の薄さは讃岐うどんの3分の1以下です。
それを細切りにして…。
最後に手でのばしながらちぎります。
スルスル食べられてお腹にこたえない鳴ちゅるうどん。
麺が不揃いなわけもわかっていただけましたね。
(安喜さん)うどんを最終的に持った時に手作り感というかですねそういうふうなものが出てくるんで僕はそっちの方が美しいように思います。
でもなぜ鳴ちゅるうどんが生まれたのか?それは地元の産業が大きく関わっていました。
昭和30年頃この一帯は塩田でした。
炎天下塩を作る職人の仕事はまさに重労働。
1日に5回の食事も当たり前だったといいます。
厳しい仕事の合間に手早く食べられる鳴ちゅるうどんは塩田の職人たちに欠かせないものでした。
今日ちょっとこれやったら…。
あ〜うまかった。
今は鳴門市内を中心におよそ20店舗で鳴ちゅるうどんが味わえます。
しかしその知名度はまだまだ。
強力なライバルがいたんです。
お待たせしました。
どうぞ。
徳島には甘辛い豚バラ肉とこってりスープの徳島ラーメンや大きなたらいに盛られたたらいうどんさらには極太の半田そうめんや平家伝説で有名な祖谷そばまであります。
これらは徳島4大麺として県外にも多くのファンがいます。
土産物店の売り場も大半がこの4大麺で占められています。
鳴ちゅるうどんはというと…先輩格の4大麺に挟まれるように置かれていました。
とはいっても地元にはなくてはならない味。
一度食べればまた食べたくなる不思議なうどんなんですよ。
いいお味で。
まだまだあります!老舗のおいしさの秘密出汁の味を守る大切なつぼ。
そして極めつけが…。
県外からも多くのお客が足を運ぶ老舗のあそこ食堂。
これ持っていくわ。
店を切り盛りするのが細川さん夫婦です。
いらっしゃい。
いらっしゃい。
(店員)うどんです。
のれんを掲げてもう半世紀近くになります。
ほなけんまあお客さん来てくれるうちはありがたいけんもう…。
味の決め手は出汁にありました。
かつおといりこ昆布でとった出汁に2種類のしょう油を独自に配合して飽きのこない口当たりに仕上げています。
出来た出汁は専用のつぼに移し替えて温めておきます。
こうすれば出汁を直接火にかけなくて済むので風味を損ないません。
およそ50年間使い続けている大切な出汁つぼ。
麺が茹であがればすぐに出汁を注げるのでお客さんを待たせる事はありません。
注文してから出てくるまでわずか1分足らずでした。
この出汁にさらなるうまみを加えるのがこのお揚げです。
でもただの油揚げではありませんよ。
原料となる豆腐は一般のものより大豆の量を増やしてありその分味わいも濃くなります。
ふっくらふわふわ!職人が一枚一枚火の通り具合を確かめながら丁寧に仕上げます。
(スタッフ)身が入ってる?うん。
白い豆腐が残った肉厚の油揚げが出汁をたっぷり吸い込んでいます。
出汁と麺とお揚げ。
シンプルな3つの食材の一体感こそ鳴ちゅるうどんの真骨頂なのです。
(店員)はいいらっしゃい。
はい。
ちっちゃい時から来てて…。
今ちょうど実家に帰ってきててちょっと久しぶりに…。
いや…大阪でなんか卒業生の展示会とかあるんでその準備とかしなきゃいけないんで…。
そうですね。
もう今年卒業なんで…。
はーいありがとうございます。
ハハハハ…ありがとうございます。
注文したうどんを自分で持って帰ります。
しょう油忘れた。
家に帰ってきたら…。
帰ってきたしじゃあとりあえずうどん食べに行こうって事で…。
ちょっとベタですけどふるさとの味って感じがします。
今日も忙しい一日です。
ほんまに。
一人前じゃ二人で一人前。
これほんまじゃ。
ほんまに。
ありがとう。
(汽笛)夫婦で守ってきたのれん。
そしてふるさとの味。
もうすぐ50年です。
鳴ちゅるうどんはスーパーでも人気の商品です。
おうどん大好きです。
(スタッフ)お母さんは?私は1つでちょうどいいです。
(スタッフ)ちょうどいい。
年寄りですので。
(スタッフ)いやいや…。
うどん好き?おいしいもんな。
鳴ちゅるうどんの人気はお店だけにとどまりません。
自宅でうどんを打つ人もいます。
秋から春の頃まで須本さんのお宅では月に一度の割合でうどん作りを楽しみます。
ちっちゃ!ちっちぇ〜!昔はほとんど自分くの食べる分は自分くの家で作りよったって聞いております。
ほなけんみんなこうやって…。
もう女の人が力がないけん叩きもってうどんのばせっていうんは須本のおじいさんが教えてくれたんですこれ。
うどん作りは50年続く家庭行事。
麺の打ち方や出汁の味は家ごとに異なります。
はい。
いただきます。
もらったー。
(キヨエさん)はいいただいてください。
みんな鳴ちゅるが大好きです。
3ミリないだろ?2ミリぐらいと思いませんか?そこへご近所さんがやって来ました。
こんにちは。
こんにちは。
(キヨエさん)浜さん野菜持ってきてくれたん?
(男性)大根大根。
この人がこうやって野菜持ってきてくれたりするんでうどん持って帰ってもらいます。
これ浜さんく行き。
いつももろうてるんじゃこうやって。
(スタッフ)いつもこうやって…?もろうてる。
お相伴にもあずかります。
さっちゃん今日の出来はどうですか?最高!最高?ありがとう!
(読経)
(鐘の音)うどんの道を究めたい。
その祈りにも似た思いでのれんを守り続けてきた職人がいました。
(池北さん)言われたらさっさとせんかい!言われたらさっさとせんか!もうなんとかせんと…。
早よせんとお前…。
すいませーん。
あかんぞ。
池北正治さん85歳。
鳴門うどんの老舗一冨士の三代目主人です。
かつおやさば節の出汁に独特の甘みを加えた一冨士のうどん。
創業から100年以上守り通してきた味です。
うどんにかけた人生でした。
しかし去年体調を崩し療養を余儀なくされました。
体力が落ちた事で麺打ちなどの力仕事は難しくなりました。
店のこれからを考えると心配が募ります。
その池北さんを驚かせる出来事がありました。
孫の憲司さんです。
これまで7年間店を手伝っていましたが一冨士の正式な後継ぎとしてのれんを受け継ぎたいというのです。
そして改めてうどん作りと向き合う事にしました。
原料や気温が異なる中でも毎日同じ味を出せなければ店には出せません。
池北さんはうどん作りの難しさを誰より知っていました。
ある日。
池北さんが店にやって来ました。
今度は店の奥から椅子を持ち出しました。
どうするんでしょう?そしてどっかりと腰を下ろします。
そこは厨房全体が見渡せる場所です。
孫の手さばきにじっと目をやる池北さん。
(博美さん)これはそんな薄ないと思うよ。
(博美さん)甘い?いけるわ。
(博美さん)いける?
(博美さん)いける?よかった〜。
はいどうも。
(男性)明日雨やいうけんもう先に…。
来た?どんなん?調子は。
相変わらず。
(池北さん)相変わらず。
ちょっと忙しいもんで…。
孫に食べさせなあかんけんな。
(池北さん)あららららいろいろと…。
親から子へ…。
一冨士の味が新たな世代に愛されていく幸せ。
親子三世代で一冨士の味をこれからも守っていきます。
今日はここにおる。
一方で鳴ちゅるうどんはインターナショナルに。
えっ!?コラボしたのはヨーロッパの高級食材トリュフ。
新たな世界です。
鳴ちゅるうどんがインターナショナルになった。
フランス料理店ではトリュフの入ったカルボナーラに変身。
高級ホテルのシェフも鳴ちゅるうどんに魅せられました。
作り出したのは…。
カレーと徳島の野菜を合わせたカレーつけ麺です。
今徳島県内では鳴ちゅるうどんを新たな食材として見直し様々なメニューが登場しています。
100年の歴史と伝統を受け継いでいく店。
その歴史の厚みから新たな味を紡ぎ出そうとする店。
鳴ちゅるうどんの魅力はこれからも広がります。
おう。
次回の『日本!食紀行』は静岡県相模湾売れない魚を絶品食材に変える男性に学びます。
2014/04/13(日) 06:00〜06:30
ABCテレビ1
日本!食紀行[字]

日本全国各地の「食」を通して、地域の歴史や文化、人々の英知や営みを学び、温かいコミュニティーなどを四季折々の美しい風景とともに描き出す教育ドキュメンタリー番組。

詳細情報
◇番組内容
渦潮で有名な徳島県鳴門市。そこに、地元の人たちに昔から愛されているディープな「うどん」があった!それが「鳴ちゅるうどん」(なるちゅる)。「コシ」がなく、麺の太さは不ぞろいでバラバラ。具はお揚げとネギだけ。まさに、ブサイク麺!しかし今、密かに注目を集めているんです。
◇番組内容2
この「鳴ちゅる」、寒い時はもちろん、夏バテや二日酔いでも「ちゅるっ」といけておなかにも優しい。別名「癒しのうどん」とも呼ばれています。
癒しの郷土食を愛する人々とその魅力を広めようと汗を流す人たち。飽食の時代にあっても人々を立ち返らせる「もうひとつのうどん文化」に学びます。
◇ナレーション
福井和美(四国放送アナウンサー)
◇音楽
エンディングテーマ曲
Bom Dia ! / 柏木広樹
◇制作
企画:民間放送教育協会
制作著作:四国放送
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.minkyo.or.jp/
◇おしらせ2
この番組は、朝日放送の『青少年に見てもらいたい番組』に指定されています。

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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