土曜プレミアム・ストロベリーナイト 2014.04.12

(玲子)はい。
姫川です。
今夜の『土曜プレミアム』は卓越したストーリーと息もつかせぬ展開でドラマファンを魅了した人気刑事ドラマ『ストロベリーナイト』の映画版がついに地上波初登場
(小峰)吐くなよ。
(玲子)吐きません。
主演の竹内結子が演じる姫川玲子はノンキャリアながら27歳で警部補に上り詰め警視庁捜査1課で姫川班を率いる敏腕刑事
そんな姫川が絶大な信頼を寄せる菊田役には西島秀俊
さらに連続ドラマからのオリジナルキャストに加え大沢たかおをはじめとする豪華キャストが集結
極上のサスペンスが誕生した
(今泉)手を引いてくれ。
こんなの絶対おかしいです。
4つの連続殺人事件。
そこには警察の威信を揺るがす闇があった
(菊田)全てを隠蔽しようとしている。
そして捜査線上に浮かぶ謎の人物
(牧田)あんたに姫川玲子は無理だよ。
果たしてその結末は?
(玲子)
私には誰にも言えない過去がある
17歳の夏の夜
私は一度死にそして生まれた
血の涙と憎しみを抱えながら
(小林)おい!
(小林)くそがきが。

(篤司)《智子。
智子》
(小林)俺をだましてたんだよ。
(篤司)《智子》
(篤司)《智子。
智子》
(菊田)本当に晩飯これでいいんですか?
(玲子)うん。
(菊田)近くにうまいイタリアンとかありますけど。
(玲子)ハァー。
何かめんどくさくなった。
雨降ってるし。
(菊田)次何かあったらうちですよね?
(玲子)そうね。
(菊田)でもだいぶ年季入ってきましたよね。
主任のバッグ。
警部補に昇任した記念に買ったって言ってましたっけ?押収品で見たことありますけどバーキンって平気で200万とか…。
(玲子)オータクロア。
(菊田)はい?
(玲子)バーキンじゃなくてオータクロア。
中古だから85万。
24回ローン。
(菊田)でもいい色ですね。
その赤。
ありがとう。
ああ。
何で赤にしたんですか?あっ。
ラッキーカラーとか?フッ。
ラッキーカラーねぇ。
しかし今泉係長にも参りますよね。
(バイブレーターの音)係長。
(菊田)えっ?はい。
姫川です。
(今泉)あっ。
姫川。
今どこだ?誰かと一緒なのか?えっ?いえ。
病院からですか?
(今泉)ああ。
橋爪管理官から俺んところに電話があった。
あっ。
お前がまったくつかまらないって。
すごいけんまくでな。
痛たた。
えっ?
(今泉)中野東署管内で男の死体が見つかったらしい。
たぶん殺しだ。
(今泉)向かえるか?すぐに。
はい。
はい。
すいません。
通りますよ。
(警察官)下がってください。
(警察官)下がってもらえますか?
(警察官)開けてください。
(湯田)ご苦労さまです。
お疲れ。
(湯田)主任。
5階です。
そう。
(湯田)デートだったんですか?
(湯田)うっ!?
(菊田)働け。
(湯田)分かりやすっ。
(石倉)葉山。
(葉山)ああ。
ご苦労さまです。
(石倉)ご苦労さまです。
お疲れ。
ありがと。
・失礼します。

(菊田)失礼します。
(小峰)吐くなよ。
吐きません。
(菊田)ずいぶん派手にやったな。
身元は?
(葉山)小林充29歳。
龍崎組の傘下仁勇会の下部組織六龍会の構成員です。
マルガイは素手のまま凶器を持ったマル被と対峙してボクサーのようにガードを固めたまま刃物による攻撃を受けたと思われます。
そしておそらく最後に心臓を。
小峰さん。
(小峰)死後1週間は経過してる。
1週間も?
(石倉)第一発見者はこの部屋の住人で志村恵美24歳。
職業ホステス。
マルガイとは内縁関係にあり10日前から海外に行ってましたが今日帰ってきたそうです。
そう。
(小峰)お嬢ちゃん。
もう運ぶぞ。
はい。
(湯田)この傷三鷹と業平橋のヤマにやり口が似てませんか?
(菊田)ああ。
三鷹が5日前。
(湯田)業平橋が3日前。
(菊田)もし連続殺人ならここが最初ってことになりますね?どうしたんですか?うん?何か奇麗だなと思って。

(橋爪)お嬢ちゃんよ。
(一同)ご苦労さまです。
ご苦労さまです。
電話に出られず失礼しました。
(橋爪)ハァー。
ったく。
三鷹業平橋と合同だ。
帳場は中野東。
21時から捜査会議だ。
遅れるなよ。
(一同)はい。
(牧田)どうぞ。
うまいですよここの。
(沢部)いえ。
私は。
(川上)食えっつってんだろうが。
(川上)さっさと食ってサインすりゃいいんだよ。
(沢部)私はてっきり普通の不動産会社だと。
(川上)フッ。
おいおい。
あんた自分で調べたんだろ?その上カワイイ一人息子の不始末。
こっちにケツ拭かせといていまさらごちゃごちゃ言ってんじゃねえよ。
(川上)てめえは礼儀ってもんを知らねえのか?食え。
食えっつってんだよ!ねっ?なかなかいけるでしょ?・
(男性)会長。
ご苦労さまです。
六龍会の小林ってやつが殺されました。
ねえ?
(署員)はい。
これ預かっといて。
(署員)分かりました。
ありがと。
はいはいはい。
(日下)姫川。
現場の報告早くまとめろ。
正確にな。
はい。
分かりました。
(湯田)やっぱり3つのヤマの合同となるとすごい人数ですね。
(捜査員)おい。
来たぞ。
(菊田)来ましたね組対4課。
(湯田)どう見てもやくざっすね。
(葉山)シッ。
(一同)ご苦労さまです。
(一同)ご苦労さまです!
(井岡)姫川玲子主任。
(菊田)井岡!?
(井岡)お久しぶりでございます。
あんた。
(菊田)蒲田南署のやつが何で?
(井岡)中野東署の井岡でございます。
今回のヤマ姫川主任とご一緒させていただきます。
嘘でしょ?
(井岡)全て神様のおぼしめしかと。
(菊田)だいたいおかしいだろ?昇任で異動した人間がこんな短期間でまた異動。
お前もしかして。
ああ。
何かやらかした?
(井岡)来ました来ました。
お偉いさん方。
(橋爪)始めます。
日下。
(日下)気を付け。
敬礼。
休め。
(橋爪)ただ今より三鷹業平橋中野。
この3件の合同捜査会議を始める。
ああ。
宮崎係長。
やってくれ。
(宮崎)はい。
えー。
まずは広域指定暴力団大和会系龍崎組の内情について説明する。
注目。
龍崎組現組長龍崎神矢は現在長期入院中にありこの組を実質的に任されているのは若頭の藤元英也。
藤元は直下の仁勇会の会長だ。
組内でこの仁勇会と1・2を争う勢力が同じく直下の極清会。
すいません!
(宮崎)話の途中だぞ。
ここは殺しの帳場です。
それぞれの事件の概要からお願いします。
(宮崎)だからお前ら捜1のためにこんな基本から説明してやってんだろうが。
まずは具体的な現場およびそこにおけるマルガイの状況を把握したいんです。
そうでなければこの3つのヤマが果たして本当に連続殺人なのかその判断すらできません。
(宮崎)やり口が一緒なことぐらいはお前分かってんだろうよ。
(片山)宮崎係長。
(宮崎)フゥー。
片山。
(片山)いいか?
(片山)最初に殺された中野のマルガイ小林充は仁勇会下部組織六龍会の構成員。
次の三鷹のマルガイ岩木宏之。
対立する極清会の幹部構成員。
業平橋の加納武司。
仁勇会の構成員。
全員が龍崎組の人間なんだ。
そしてこの組は今いつ跡目争いが起きても不思議じゃない状況にある。
つまりこの3件は報復の応酬。
内部抗争の可能性が極めて高いということなんだよ。
(日下)その根拠は?
(宮崎)だから今言っただろ。
この組は…。
(日下)お二人がおっしゃってるのはあくまでも龍崎組が抱えた状況にすぎません。
(日下)現時点で内部抗争説は何ら確証のない臆測です。
(宮崎)それじゃ捜1は確証ある何かを持っているというのか?
(日下)それを得るための捜査であり捜査会議です。
まずはそれぞれのマルガイの生活人間関係人間性を知り殺害時の状況の把握につとめるべきです。
それを初めから暴力団内部の力学だけで判断するなどということは殺しの帳場ではあり得ません。
(片山)あんたらが普段相手にしてる殺しじゃ考えられねえことが連中の世界ではまともにあるんだよ。
裏の世界では組織が全てだ。
組織の理屈で物事が動く。
でも殺しているのも殺されているのも人間です。
(片山)組織の中では人間も駒の一つなんだよ!分かりました。
よく分かりました。
うちと組対では考え方が根本的に違うということですね。
でもそれでもですよ。
そちらがおっしゃってる駒にだって心はあります。
姫川。
(片山)宮崎係長。
ちょっといいっすか?
(橋爪)おい。
会議中だぞ。
(宮崎)お願いしますよ。
(橋爪)日下。
姫川。
ちょっと来い。
はい。
何でしょう?
(橋爪)組対は組対のみと組んで捜査に当たりたいそうだ。
いや。
しかし規定上は。
(宮崎)それでお願いできませんか?和田1課長。
その場合情報の共有が徹底しないんじゃないでしょうか?
(片山)スムーズな捜査のためです。
お願いします。
(宮崎)お願いします。
(和田)分かった。
今回は特別にそういうことにしよう。
(和田)ただし姫川が言うように情報の共有は徹底すること。
それだけは忘れるな。
いいな?
(片山・宮崎)はい。
(日下)はい。
はい。
(橋爪)よし。
続けよう。
組対4課もうホント腹立つ。
(菊田)今泉係長がいれば違ったんでしょうけど。
そうよ。
そこよ。
係長に報告しがてら文句言ってくる。
(菊田)係長んとこ行くなら例の見舞いの。
ああ。
そうだ。
忘れてた。
(菊田)取ってきます。
ああ。
いいいい。
みんな待ってるから菊田は行って。
(菊田)はい。
はい。
どいて。
ねえ?さっき預けといて…。
あっ。
あったあった。
(署員)すいません。
・うん。
・はい。
中野東特捜デスクです。

(ボイスチェンジャー)小林充を殺したのは。
えっ?・
(ボイスチェンジャー)ヤナイケント。
「柳」に井戸の「井」健康の「健」北斗七星の「斗」26歳。

(通話の切れる音)
(今泉)おう。
・失礼します。
遅い時間にすいません。
いやいや。
これ姫川班一同からです。
えっ?悪いな。
迷惑掛けちまってんのに。
ホントですよ。
ふーん。
係長が貧血で倒れて頭ケガしたって聞いたときは心配したんですから。
それがのんきに胃潰瘍なんて。
帳場は大変なことになっております。
のんきでいられないから胃潰瘍になったんだろうが。
組対4課ときたらとにかく龍崎組の内部抗争の一点張りでこっちの話に耳を貸そうともしないんですから。
その上うちとは組まないで組対だけで動くっていうんですよ?和田1課長もそれあっさり許すし。
ほう。
そりゃ和田1課長が温情かけたな。
温情?組対4課。
ここんとこガサ入れで失敗続きだから。
まあまあまあまあまあ。
それより今回のお前の見立ては?連続殺人ではないような気がするんですよね。
特に中野の小林殺し。
どうしてだ?中野だけ屋内っていうのもありますし。
現場見たときから何となく何かが違うような気がして。
あっ。
そしたらさっき妙なタレコミ電話受けたんです。
どんな?小林充を殺したのは柳井健斗って。
柳井健斗?ご存じなんですか?いや。
姫川。
それよりお前このこと誰かに話したか?いいえ。
じゃあそのままで俺にちょっと預からせてくれ。
えっ?よろしく。
あった。
はい。
姫川です。
(橋爪)橋爪だ。
あしたの朝7時半。
中野東署の裏にあるあおい公園に一人で来い。
えっ?
(橋爪)誰にも言うな。
誰にも見られるな。
(通話の切れる音)おはようございます。
(橋爪)おう。
ご用件は?
(橋爪)柳井健斗には触れるな。
えっ?今回のヤマで捜査線上に柳井健斗の名前が出てきても一切触れるな。
もしお前の下の捜査員が柳井のネタを持ってきたらお前のところで止めろ。
ご冗談ですよね?今泉係長からお聞きになったんでしょうけど。
もう事は今泉や俺の範囲を超えてるんだ。
つまりもっと上からの命令ですか?何者なんです?柳井健斗。
また警察官僚の息子ですか?それとも代議士の息子とか?お前は黙って言うこと聞いてりゃいいんだ。
納得できないことには黙れません。
だから嫌なんだよお前は。
ったく。
何だってこんなときに今泉の代わりに俺がお前を!いいか?姫川。
もう一度言うぞ。
柳井健斗には触れるな!今泉に泣きついても無駄だぞ!
(バイブレーターの音)・
(看護師)失礼します。
お熱測りますね。
(今泉)おはようございます。
(看護師)おはようございます。
(菊田)中野で殺された小林充ですが六龍会の中でも一番の下っ端でかつ仕事のできない男といわれてたようです。
(捜査員)そんな分かりきったこと今ごろですか?
(捜査員)捜1さんはようやくスタートラインに立ったようですね。
(捜査員)フッ。
(宮崎)おい。
あんまりそう言ってやんなよ。
ど素人さんなんだから。
(一同)ハハハ。
(菊田)以上です。
(宮崎)はい。
次の報告事項。
ヤマダ。
(ヤマダ)はい。
えー。
小林のいた六龍会ですが組の経営がうまくいっておらず組内の統制が取れていません。
(井岡)玲子ちゃん。
どないかしましたか?玲子主任。
菊田。
(菊田)はい。
井岡のことよろしく!
(菊田)主任。
(一同)ご苦労さまです。

(車のクラクション)
(藤元)おう。
(一同)ご苦労さまです。
(川上)ご苦労さまです。
(牧田)頭。
ご苦労さまです。
(宗田)藤元の頭。
業務連絡は以上です。
(藤元)おう。
じゃあ次の定例会は半月後ってことで。
まあとにかくここんところ続いてる件についちゃサツの出方を待とうじゃねえか。
俺も龍崎の親父が入院してる間にがたがた騒いで心配かけたくねえからな。
(三原)こそこそすんのはいいってか?
(藤元)おう。
何だ?三原。
言いたいことがあんなら言ってみろよ。
(三原)上馬の環七工事の件ですよ。
(三原)あれの指名入札うちが1億1,300万で落とすってことで決まってた。
(三原)それがいざふた開けてみたらたったの40万の差で棚島工務店が落としやがった。
億の話でたったの40万の差ですよ?棚島工務店も今回入札仕切った佐島建業もこれ奥山の叔父貴のフロントだ。
(藤元)どうも話が見えねえな。
何が言いてえんだよ?藤元の兄貴。
裏は取れてるんですよ。
(宗田)おい。
三原。
言葉に気を付けろよ。
頭だろうが。
(三原)兄貴が佐島建業の佐伯とふぐ食ってるところ見たやつがいるんすよ。
後から奥山の叔父貴も合流したらしいじゃないっすか。
(藤元)俺が佐伯とふぐ食っちゃいけねえのか?同じ大和会の人間として会長である奥山の叔父貴と会うのがいけねえことだっていうのか?親父が大変なときに奥山の叔父貴に尻尾振ってよ。
ふぐ食いながらうちの組売る相談してたんじゃないんですか!?
(牧田)よせ。
鉄男。
(三原)離してくれ。
兄弟。
兄弟だってよあの犬野郎が陰でこそこそやってんの知らねえわけじゃねえだろ?今はよせ。
(藤元)おいおい。
「今はよせ」ってのはどういうことだよ?勲。
お前も鉄男と同意見と思っていいのか?この俺を犬呼ばわりする若中と仲良く肩組んでよ。
すいません。
頭。
鉄男には後でよく言って聞かせますんでここはひとつ収めてください。
フッ。
勲よ。
お前ちっとぐらい親父に目かけられてるからっていい気になってるとよつぶすぞ。
(三原)チッ。
(牧田)やめとけ!
(三原)けどよ。
俺に考えがある。
(林)まさか9年前のあの事件を追っ掛けてるんじゃあるまいな?9年前?
(林)いや。
えーっと。
柳井健斗は9年前何か起こしてるんですか?
(林)えー。
ああ。
えーっと。
こっちか。
分かりました。
自分で調べますので9年前のその資料をお願いします。
(林)うーん。
うん。
ない。
ない!?
(林)事件が解決した後全てがすぐに下げられた。
つまり抹殺されたってことですか?
(林)もうこれ以上俺の口から言わせんなよ。
(林)うーん。
でも世間を騒がせた事件ではあったなぁ。
ハァー。
うわっ。
柳井千恵。

(玲子)《うわっ!》
(瑞江)《玲子。
玲子。
玲子!》
(係員)こちらになります。
ありがとうございます。
柳井健斗。
(長岡)9年前の事件のことが蒸し返され世間に知れたら警察の威信は地に落ちます。
そして間違いなく多くの幹部が更迭されるでしょう。
そうなったらこの首都東京の治安維持はどうなります?市民の安全が脅かされることになるんですよ?そんな事態を起こさせるわけにはいきません。
下手をすると警視総監の首すら危うくなるんです。
(長岡)和田さん。
あなただってあと1年足らずで定年でしょう。
最後の最後に大きな汚点を残すことはない。
刑事部長の私だってどうなることか。
いいですね?あなた方には警視庁を守る責任がある。
そこのところしっかり胸に刻んでください。
分かりましたね?
(和田・橋爪)はい。
(長岡)ところで密告電話を受けた姫川主任への対処は大丈夫でしょうね?きつく言い渡してあります。
注意は怠らないようにしてください。
(葉山)組対の読みに無理ありませんか?
(石倉)うん。
(葉山)報復の応酬として同じやり口で殺したって。
(石倉)なあ?無理あるよな。
何たって最初に殺された小林充の発見が他の2人より後なんだからな。
(湯田)ですよね。
じゃあ報復した犯人は警察よりずっと前に小林充が殺されたことを知ってて左目の傷まねしたって話ですよね?
(石倉)うん。
(湯田)それって無理ありますよね?何でもかんでも捜査のかく乱とか何とかへ理屈こねちゃって。
(菊田)組対も意地があるからそう簡単にこっちに歩み寄ってこないだろうな。
(葉山)しかし三鷹と業平橋の情報が組対からこうも回ってこないんじゃ連続殺人っていわれてもこっちも動きようがありませんよ。
それはまあ覚悟の上でこっちはこっちで地道に聞き込みに当たるしかないだろ。
(石倉)うん。
あっ。
そういえば菊田。
どうして今日井岡と一緒だったんだ?あっ。
ちょっと所轄の都合で。
(湯田)そうそうそう。
井岡さんといえば分かりましたよ。
懲戒処分で異動になった理由。
(石倉)何やったんだよ?
(湯田)人殺しです。
(葉山)えっ!?
(菊田)嘘だろ?
(湯田)生きてる親戚死んだことにして休み取ってたのがバレてアウト。
よくよく調べたら母方のおじいさんなんてもう3回も死んでるらしいです。
いまだご健在なのに。
(葉山)何やってるんだ?あの人は。
(湯田)その休み使ってキャバクラのお姉ちゃんたちと沖縄旅行。
(石倉)行ったのか?
(湯田)でねでねその中でもお気に入りのお姉ちゃんの源氏名が何だと思います?
(石倉)まさか。
レイコ?
(湯田)ポンピーン。

(井岡)失礼します。
(井岡)玲子ちゃん。
やっぱりここでしたか。
さあそろそろ行こうか。
(菊田)はい。
(井岡)あれ?ちょっと。
玲子ちゃん。
つれないな。
ほんならもう1軒行きましょうか?ねっ?井岡。
遠慮しないでキャバクラへどうぞ。
(菊田)ちゃんと自腹でな。
(湯田)キャバ嬢のレイコちゃんが待ってますよ。
(石倉)おじいさん3回も殺すのはまずいぞ。
(葉山)いいですね沖縄。
ちょっとノリ。
ちょっと聞いて。
そのレイコちゃんいうのが沖縄出身でな。
であの。
何年も里帰りしてなかったんやて。
せやからやな人情で。
あの。
うっ。
うっ。
下心やないねん。
(従業員)ありがとうございました。
(菊田)主任。
何を調べてるんですか?うん?別に大したことじゃない。
(菊田)そうとは思えません。
ホントだって。
(菊田)あしたからも単独で動くつもりですか?ええ。
(菊田)だったらなおさら話してもらわないと。
いざというとき困ります。
(菊田)主任。
ゆうべ私タレコミ電話を受けたの。
(菊田)内容は?小林充を殺したのは柳井健斗って。
(アナウンス)留守番電話に接続します。
発信音の後にメッセージを録音してください。
発端は9年前に起きた殺人事件。
柳井健斗の姉千恵が一人暮らしのアパートで殺されて当時の捜査本部は父親の柳井篤司を重要参考人として事情聴取。
千恵が家を出て一人暮らしを始めたのはその父親から逃げるためだったみたい。
逃げる?
(篤司)《智子》死んだ母親の身代わりに父親から性的虐待を受けてたらしいの。
逃げた娘を捜し当て暴行に及んだ上に殺害。
捜査本部はそう読んだけど。
父親は殺害を否認のまま連日事情聴取を受けていた。
(刑事)《じゃあご苦労さん》
(警察官)《いやぁ。
お疲れさま》
(刑事)《柳井!》
(刑事)《柳井》
(警察官)《何してんだ?放せ。
やめろ。
こら》
(銃声)
(菊田)それ確か息子の目の前でですよ。
柳井健斗の?
(菊田)で自殺した父親には実はアリバイがあったっていう噂が出て。
アリバイが?
(菊田)当時の所轄の先輩がその帳場に手伝いに駆り出されたんで後から聞いたんです。
アリバイの噂が出てでもすぐに消えて妙な感じだったって。
じゃあもしかして。
どうしたんですか?中野のマルガイの小林充柳井千恵の恋人だったのよ。
(菊田)えっ?最初に容疑者として浮上していたのが小林充だったの。
もし小林が本ボシだったとしたら。
(菊田)そしてそれを柳井健斗が知ったとしたら。
姉の復讐のために小林を殺そうと思うかもしれない。
目の前で父親が自殺したんだからなおさらよね。
もしそうなら父親の自殺は警察にとって不都合なものになる。
だから警察は死んだ父親にアリバイがあるにもかかわらず送検した。
つまり真実を隠蔽した。
だから今柳井健斗に出てこられて9年前のことを口にされたら困る。
その上その隠蔽のせいで小林殺しという新たな殺人事件を生んでしまったわけだから。
ハァー。
そうよ。
やっぱりこのヤマは単なる暴力団の内部抗争による連続殺人なんかじゃない。
だから柳井健斗に触れるな。
つまり今の上も9年前の捜査本部同様全てを隠蔽しようとしている。
そんなの許されるわけない。
柳井健斗を追うわ。
主任。
危険過ぎます。
菊田。
あなたは何も聞かなかった。
何も知らない。
主任。
あなたは何も聞かなかった。
じゃあ。
(菊田)必要があればいつでも連絡を下さい。
おやすみ。
お願いします。
部下がいるってこと忘れないでください。
(男性)《うわー》・
(男性)《しっかし牧田んとこのせがれどうなっちゃうんすかね?》・
(男性)《知るかよお前》《あんな家族死んだ方が世の中のためだったんだよ》《アハハ》
(男性)《ああ?》
(男性)《親の香典でももらいに来たのか?おい》
(叫び声)
(男性)《兄貴!?》
(男性)《てめえ》
(男性)《この野郎》
(呼び出し音)
(主人)はい。
熱かん。
(従業員)はい。
(バイブレーターの音)
(勝俣)はい。
勝俣。
えっ?今からですか?
(勝俣)分かりました。
すぐ戻りますから。
(男性)ごちそうさま。
(従業員)ありがとうございました。
ありがとうございました。
(井岡)えっ!?ほな僕菊やんとずっと一緒っちゅうことか。
主任はいったい何を追ってんですか?いや。
俺も聞いてない。
会議も出ないで一人で動いてて大丈夫ですか?管理官。
主任の席にらんでましたよ。
だからそれをフォローするのが俺たちの役目ってことだろ。
なあ?菊田。
(菊田)はい。
いずれ必ず主任から話があるだろう。
だからそれまでは帳場の方針に沿って俺たちはできることをしっかりやっていこう。
了解です。
(湯田)分かりました。
ホンマに一人なのかな?よし。
行くぞ。
(葉山・湯田)はい。
(チャイム)ごめんください。
柳井さん?ごめんください。

(牧田)岩木がやってた店どうなってる?
(川上)はい。
寺岡に任せて来週から開けさせます。
(牧田)お前がやるんじゃないのか?
(川上)とんでもないです。
(牧田)そう。
(牧田)義則。
お前幾つになった?
(川上)はい。
37になります。
(牧田)そろそろ事務所構えさせないとな。
(川上)俺はずっと兄貴のそばでお世話ができればそれでいいんです。
兄貴に拾ってもらった命ですから。
最後までご奉公させていただきます。
(牧田)そうはいかねえよ。
うちも岩木がやられて態勢が万全じゃねえんだ。
しっかり立て直すためにはお前にも看板背負って頑張ってもらわらねえとってことだ。

(葉山)島田さん。
10分。
いや。
5分でいいから話を聞かせてください。
(島田)だから言ってんだろうが。
俺は組対の刑事さんとしか話はしねえんだって。
(葉山)われわれも立場は組対と同じです。
ですから…。
(石倉)ほら吹き野郎?
(男性)地元で族の頭やってたとかすぐバレる嘘つくやつでさ。
小林なんてのは抗争でたま取られるほどの男じゃねえってこと。
(湯田)小林さんは結構短気だったってことですか。
(従業員)自分より弱い者にはね。
けど上にはからきし駄目でさ。
ちっちゃくなってごますって。
いるでしょ?そういうどうしようもないやつ。
(従業員)お兄さんとこにもいるんじゃないの?はあ。
(交通情報)・
(音楽)
(男性)音楽の物語ラバーズ…。
(チャイム)
(牧田)入った方が。
ああ。
柳井健斗さんを訪ねていらっしゃったんでしょうか?
(牧田)ええ。
お留守ですか?
(牧田)みたいですね。
柳井さんのお知り合いで?
(牧田)ええ。
私警視庁の姫川と申します。
失礼ですが?ああ。
私は…。
(牧田)成稜不動産の槇田と申します。
ありがとうございます。
柳井さんとはどのようなご関係で?彼のバイト先がうちの物件なんで。
それで顔なじみに。
教えてください。
ですから彼のバイト先がうちの物件なんで。
バイト先の場所です。
六本木ですか?いえ。
この近くですが。
六本木の不動産屋さんなのに?都内全般やってますんで。
なるほど。
ではそのバイト先の場所を。
今日は休んでるようです。
それは別に構いません。
何で休んでることを?今寄ってきたので。
柳井さんにお会いするためですか?いえ。
仕事です。
そうですか。
では場所を?よければご案内しましょうか?いえ。
でも。
どうぞ。
ああ。
(牧田)何か事件の捜査ですか?いえ。
違います。
(牧田)でも警察の方がわざわざいらっしゃるってことは。
ホントに大したことではないです。
槇田さん。
どんなご用件で柳井さんのところへ?
(牧田)ああ。
物件の紹介を頼まれていたので。
引っ越しですか。
理由は何かおっしゃってました?
(牧田)いえ。
理由までは。
柳井さんお一人であのアパートに?
(牧田)と思いますが。
槇田さん。
上がられたことはないんですか?
(牧田)ええ。
柳井さん。
引っ越しの時期はもう決まってるんでしょうか?
(牧田)いえ。
そこまでは。
この先の漫画喫茶です。
助かりました。
ありがとうございました。
あっ。
あのう。
差し支えなければ名刺頂けますか?あっ。
はい。
姫川です。
ありがとうございます。
柳井さんのことでまた伺いたいことが出てくるかもしれません。
そのときはご連絡さしあげても構いませんか?ええ。
どうぞ。
ありがとうございました。
では。
あっ。
これ。
私はすぐそこに車がありますのでどうぞ。
後は捨てていただいて結構ですから。
ではお言葉に甘えて。

(川上)誰ですか?あの女。
(牧田)1課のデカだ。
(牧田)柳井のことを聞かれたよ。
まるで尋問だ。
無断欠勤が続いてるんですか?
(貴代)はい。
先週の火曜日に来てそれからまったく連絡が取れなくて。
そんなこと今までなかったんです。
ここは毎日ではないんですよね?他にアルバイトの掛け持ちをしてたとかってあります?
(貴代)ここだけだと思いますけど。

(男性)すいません。
灰皿ありますか?
(貴代)どうぞ。
(貴代)あっ。
でも前にパソコンの仕事をしていると言ってたような気が。
パソコンでどんな仕事を?
(貴代)そこまでは。
柳井さんの最近の写真ってお店にあったりしませんか?
(貴代)あのう。
柳井君に何かあったんですか?いえ。
ちょっと聞きたいことがあるだけなんです。
写真。
あのう。
これでもいいですか?あなたもしかして柳井さんと?
(貴代)柳井君。
逃げちゃったのかもしれません。
逃げた?おなかに赤ちゃんがいるって話したから。
柳井さんの?
(橋爪)今日はこれで終わりにする。
日下。
(日下)気を付け。
敬礼。
休め。

(片山)おい。
(片山)お前らの主任何こそこそやってるんだ?
(菊田)別にこそこそとはしてませんが。
(片山)会議にも出ない。
報告一本出さない。
それでよくそんなこと言えるな。
たまたま聞き込み相手の関係でそうなってしまっただけです。
(片山)下手な言い訳やめろ。
情報の共有を徹底しろって言ったのはそっちだろうが。
それを主任自らほごにするってのはいったいどういうことだ!?・
(日下)片山さん。
お宅たちだって出してない情報あるでしょ。
われわれは出すべきときはきちんと出すよ。
(日下)私たちも同じです。
ですからそれぞれのやり方を尊重しませんか?お互いに。
捜査会議に出るというルールを守れない相手をどうやって尊重するんですか?姫川は理由もなく会議に出ないやつではありません。
おっ。
うーん。
特に問題はなさそうか。
んっ。

(チャイム)
(後藤)はーい。
チッ。
何だよ。
あ痛っ。
あ痛っ。
あっ。
(後藤)何すか?何すか?
(勝俣)後藤さんだな?なあ?柳井健斗を知ってるよな?
(後藤)知らないっす。
(勝俣)柳井健斗の連絡先を教えろよ。
(後藤)知らないですよ。
誰…。
(勝俣)調べはついてるんだよ!ほら!んっ!
(後藤)な…何すか!?
(勝俣)おい。
いいか?とっととしゃべらねえとお前絞めちゃうよ。
おら!
(後藤)やめてやめて…!?
(勝俣)おら!絞めちゃう!
(後藤)OK!OK!
(勝俣)よし。
さあさあさあさあ。
(後藤)何なのよもう!知ってることがあったら全部教えてもらおうか。
これはお駄賃だな。
ほい。
(ノック)
(男性)失礼します。
(牧田)失礼します。
親父。
勲です。
(龍崎)おお。
(牧田)これ後で食べてください。
(龍崎)ありがとよ。
(しのぶ)ありがとう。
お加減いかがですか?
(龍崎)あまりよくねえな。
おい。
(しのぶ)はい。
そんなことおっしゃらずしっかり治して早く帰ってきてください。
みんな待ってます。
(龍崎)ああ。
勲。
(牧田)はい。
俺の跡は藤元に任せようと思ってんだ。
いいよな?親父が決めたことに異存があるわけありません。
(龍崎)おい。
(しのぶ)はい。
(牧田)あっ。
自分やります。
(牧田)失礼します。
(龍崎)このところよく思い出すんだよ。
お前と初めて会ったときのことをよ。
(牧田)俺もよく覚えてます。
親父が迎えに来てくれたときのこと。
さあいきます。
(龍崎)あれ以来…。
ああー。
お前は俺の息子のようなもんだ。
勲。
藤元をもり立ててやってくれ。
組のことはどうぞ心配しないでください。
しっかりと守りますから。
こちらからお呼び立てしておいてお待たせしてしまって申し訳ありません。
いえ。
私が早く着き過ぎてしまって。
(牧田)すぐ分かりましたか?ここ。
はい。
生ビールでいいですか?いえ。
私は結構です。
仕事ですから。
(牧田)フッ。
一杯ぐらい付き合ってください。
ちょっと飲んだ方が私も話しやすいんで。
では一杯だけ。
(従業員)はい。
(牧田)生ビール2つ。
(従業員)かしこまりました。
あっ。
傘。
お借りしてた傘表の傘立てに。
ホントにありがとうございました。
(牧田)フッ。
捨ててよかったのに。
いえ。
そういうわけには。
でも柳井君が見つからないの心配ですね。
槇田さんが柳井さんに最後に会われたのはいつですか?先週の月曜です。
例の引っ越しの件で。
そのとき柳井さんに何か変わった様子ありませんでしたか?いえ。
特には。
よく思い出してください。
変わった様子はなかったと思います。
(従業員)失礼します。
柳井さんどんな間取りを希望なさってました?ワンルームです。
何か?いえ。
もっと広い部屋を探してるのかと思って。
どうしてですか?赤ちゃんが生まれることご存じありませんでした?ええ。
じゃあパソコンで仕事していたことは?そうなんですか。
柳井さんとはプライベートな話はあまり?まあ。
(牧田)どちらですか?はい?
(牧田)送りますよ。
いえ。
結構です。
(牧田)行きましょう。
柳井君。
やっぱり何か事件に巻き込まれてるんですか?いいえ。
でも警視庁の刑事さんがこうやって必死で捜してるっていうのは。
ご心配なく。
会って確認したいことがあるだけです。
姫川さん。
はい。
実は私柳井君に金を貸してます。
えっ?
(バイブレーターの音)
(牧田)どうぞ。
いえ。
それで金額はどのぐらい?
(牧田)50万ほどです。
そんなに?真面目な彼が借金なんてよほどのことだと思って貸しました。
しかしさっき姫川さんから別の仕事をしていたと聞いて。
何かその仕事のことでトラブルに巻き込まれたとか?何か心当たりが?いえ。
何事もなければいいんですけど。
すいません。
ありがとうございました。
(牧田)こちらこそ。
おやすみなさい。
おやすみなさい。

(菊田)主任。
菊田。
仁勇会の藤元が殺されました。
えっ!?
(橋爪)藤元は愛人と会った後の帰り道に殺害された。
銃弾を胸部に2発頭部に1発浴びおそらく即死だっただろう。
凶器と思われる拳銃がついさっき現場近くで見つかった。
現在指紋の照合中だ。
(宮崎)まあこれで決まりでしょう。
やっぱりこっちの3件は内部抗争の前哨戦だったわけですよ。
(片山)事の全ては龍崎組の跡目争いにつながってるんです。
龍崎組長は入院。
藤元が消されたとなると当然次は誰だっていう話になる。
裏で手引いてるのは極清会の牧田あたりに決まってるんだ。
牧田?龍崎組若頭補佐極清会の牧田勲だ。
勲。
(片山)藤元とこの牧田は六分四分の間柄。
つまり牧田の立場じゃ組のトップに立つには藤元を消さなきゃならねえ。
龍崎も藤元を跡目と考えてたからな。
お前はこんなことも調べずに何2日間ちんたら遊んでたんだよ?
(片山)まあとにかくこれで組対の読みが正しいということを分かっていただいて何よりです。
(宮崎)じゃあ失礼します。
行くぞ。
(橋爪)でこの2日間何やってたんだ?会議の欠席すみませんでした。
(橋爪)俺が聞いてんのは…。
どうぞ。
(橋爪)橋爪です。
えっ?自分も連絡受けたばかりで詳しいことはまだ。
(島本)そんな言い草が通ると思ってるわけじゃねえよな。
(島本)藤元消して一番得すんのはお前だろうが。
(牧田)島本の叔父貴。
(水谷)勲。
事実なんだからしょうがねえ。
(水谷)今じゃお前が跡目の最有力候補だからな。
つまり俺が藤元の兄貴をばらしに動いたとおっしゃるんですか?勘弁してください。
叔父貴。
じゃあこの前の定例会で何もめてた?龍崎の兄貴が許したとしても龍崎組の幹部として俺が黙っちゃいねえぞ。
(水谷)身内でたまの取り合いはしたくねえ。
お前じゃねえっていうんならはっきりした証拠見せてくれ。
それができないんじゃこっちもかばいようがねえな。
(湯田)主任。
何かつかめましたか?そろそろわれわれにも手伝わせてください。
藤元が殺されたとなると龍崎組の内部抗争の線は消せないということでしょうか。
でも組対の独壇場にさせるわけにはいきませんからね。
主任。
俺たちは何をすればいいですか?ごめん。
捜1とか組対とかそういう話じゃないの。
ただ単純な暴力団の抗争じゃないことは確かだと思う。
だったら主任はいったい何を追ってるんですか?
(菊田)もう遅いから解散にしましょう。
そうだな。
主任も疲れてるでしょうし。
ありがとう。
行こう。
(日下)姫川。
(日下)ちょっと付き合え。
今日はもう疲れてるから。
(日下)柳井健斗のことだ。
(日下)失礼します。
失礼します。
(勝俣)柳井健斗の周りをうろちょろするんじゃねえ。
目障りでしょうがねえやお前。
どういうことです?
(勝俣)柳井健斗は表には出せない。
そこんところ珍しく長岡刑事部長と話が合ってな。
9年前のこと徹底的に隠蔽するつもりなんですね。
(今泉)姫川。
柳井から手を引け。
お断りします。
(橋爪)お前は黙って命令に従えばいいんだ。
真実と正義を踏みにじるような命令には従えません。
(今泉)その真実と正義のために生きてきた和田さんを守りたいんだ。
(今泉)俺たちはあの人に育てられた。
和田学校の生徒なんでな。
(勝俣)そんな学校入ったつもりはないけどな。
どんな理由があるにしろ…。
(今泉)藤元殺しの現場近くで発見された拳銃から柳井健斗の指紋が検出された。
(橋爪)線条痕も一致した。
そこまでの証拠があるのなら柳井健斗。
もう隠しようがありませんよね?はっきりしたからそれなりの対処もできる。
長岡刑事部長がゴーを出さないかぎり指紋も柳井健斗も表に出ることはない。
そうやって長岡刑事部長の下和田1課長も安泰というわけですか。
(勝俣)まあそういうこったな。
和田さんもラッキーだな。
和田さんはそんな人じゃない!今の捜1をつくりあげてくれたのは和田さんだ。
キャリア組と渡り合って現場が動きやすい体制をつくってくれた。
そのおかげでお前や勝俣が自由に動けてんだ。
現場の人間みんなが和田さんという土台の上で安心して動けてんだ。
そんな人に最後の最後に汚点を背負わせたくない。
それでも真実は明らかにすべきです。
明らかにしてみせます。
(今泉)それはお前の自己満足にすぎん。
俺は間違ってるかもしれん。
でもな真実が必ずしも正しい結果を生むとは限らない。
(橋爪)姫川。
おそらく和田さんはお前が柳井を追ってることに気付いてるよ。
その上でわざと自由にさせてるんだ。
自分の保身だけ考える人間がそんなことをするか?和田さんだっていろんなしがらみの中で苦しんでるんだよ。
お前も同じ警察組織の一員だ。
それぐらい想像できるだろう。
(今泉)柳井から手を引いてくれ。
(今泉)日下。
お前も目をつぶってほしい。
おかしいです。
こんなの絶対おかしいです。
(日下)姫川。
見つけだせそうか?えっ?柳井だ。
見つけられるのか?見つけてみせる。
絶対。
2日。
あと2日で何とかしろ。
その間なら俺が何とか帳場を押さえとく。
ありがとう。
ただし姫川。
予断を持って捜査はしない。
(呼び出し音)
(牧田)《正直電話だけじゃなくていつかはちゃんと会いたいと思ってたよ》
(牧田)《本当の名前教えてくれるか?》
(健斗)《柳井健斗》《健斗か。
カッコイイね》《で柳井健斗さんよ》《あんたは本気なのか?》
(健斗)《牧田さん》《うん?》
(健斗)《地獄って見たことありますか?》
(千恵)《健斗。
女の子としたことある?》
(千恵)《私はねないの》《父さん以外の人とは》《父さんとだけって何か嫌なの》《でも健斗ともそうなったらもう平気になるのかなって》《何でこんなことって思わないで済むかなって》
(千恵)《みんな一緒なら》
(篤司)《智子》
(篤司)《智子》
(健斗)《やめろよ!》
(千恵)《そうだよね》
(千恵)《駄目だよね》
(千恵)《ごめん》
(健斗)《この家から逃げろよ》《そんなことしたら…》《逃げてくれよ!》《父さんから逃げろ》
(健斗)《姉ちゃんには小林っていう彼氏がいたんです》《小林が姉ちゃんのこと何とかしてくれるって思ってたんですけど》
(健斗)《あっ。
小林さんですか?》《健斗です》
(小林)《ああ》
(健斗)《姉と連絡つかないんですけど何か知りませんか?》
(小林)《俺もさここんとこ忙しくて会ってないんだよね。
じゃあ》
(小林)《何だよこんなとこで》
(健斗)《父さんが自殺しました》
(小林)《えっ?》《あっそう。
そりゃお前も大変だったな》
(健斗)《あんたでしょ。
姉ちゃん殺したの》
(小林)《はあ?何言ってんだよ》
(健斗)《姉ちゃんとこの合鍵を持ってたのは僕と小林さんだけです》《だから何だってんだよ?》《父さんは姉ちゃんのアパートを見つけてしまった》《そしてあの日姉ちゃんにまた》《あんたそれを見てたんじゃないですか?》《それでかっとなって》
(小林)《ああ。
やってたよ!》《見たよ》《てめえの姉貴と親父がやってんのをよ!》《きったねえよな》《薄汚えメス豚が親父に抱かれてよ!》《俺をだましてたんだよ》《あんなやつは死んで当然だろう》
(健斗)《ああーっ!》
(小林)《がき。
おらぁ》《なめたことしてんじゃねえぞこの野郎》フゥー。
(バイブレーターの音)はい。
姫川です。
(牧田)《諦めんだな先生。
何度頼まれてもやくざだからってそう簡単に人を殺せるわけじゃない》
(健斗)《お願いです。
頼めるの牧田さんしかいないんです》《金足りない分情報があります》《フッ。
先生の情報は確かにいつも正確だよ》《だがな今回ばかりはいつもの情報じゃ話になんねえよ》《仁勇会の藤元会長が龍崎組を裏切ってる証拠があります》《力を貸してくれたらその1週間後に完璧なものを渡します。
必ず》柳井さんが偽名を?
(牧田)ええ。
彼がパソコンで仕事をしていたという話。
あれで思い出したんです。
以前彼が2つの名前を持っていると言っていたことがあって。
もしかしたらその仕事で使っていたんじゃないかと。
その可能性はありますね。
それでその名前は?それがはっきり覚えていなくて。
確か岡本とか岡田とか。
「岡」が付いていたと思います。
下は健。
健斗の「健」です。
ありがとうございます。
早速調べてみます。
姫川さん。
本当のこと教えてもらえませんか?あなたいったい柳井君の何を調べてるんですか?・
(田中)牧田の叔父貴。
うちの会長がやられたってのに叔父貴はろくに挨拶も来ないでこんなとこで女と何やってんすか?行きましょうか。
(斉藤)ちょっと待ってくださいよ。
ああ。
それともあれっすか?藤元の親父が死んで腹ん中じゃ笑い止まんないってわけっすか。
(牧田)さあ。
(田中)黙ってねえで何とか言ってくださいよ。
(田中)会長やらせたの叔父貴じゃないっすか?おい。
どうなんだよ?うわっ!?あっ。
(斉藤)おい。
こら!・
(警備員)何やってるんだ!
(警備員)救急車呼べ。
救急車。
放して!どういうことなの?ねえ?どういうことよ!これで押さえて。
あんた誰?龍崎組極清会牧田勲だ。

(葉山)今日の昼間極清会の牧田がホテルで仁勇会のやつらに絡まれたらしいんです。
で騒ぎになって駆け付けたのが俺の広尾署時代の後輩で。
牧田がどうかしたのか?
(葉山)そいつが着いたときにはもう逃げた後だったんですけど。
連れの女も一緒に逃げたらしいんです。
それがうちの姫川主任じゃないかって。
まさかそんなわけ…。
(葉山)俺もそう言ったんですけどこのバッジに似たの着けてたって。
葉山。
(葉山)はい。
今の話ここだけにしとけ。
(署員)どうぞ。
(菊田)ありがとう。

(男性たち)何だてめえ!おらぁ。
(男性)会長!
(川上)誰だ?お前。
警視庁捜査1課の菊田だ。
(牧田)義則。
出てろ。
すぐ終わる。
(男性)てめえこの野郎!
(川上)おい!聞こえたろ?
(牧田)用事があるならアポぐらい取っていただかないと。
(菊田)柳井健斗のこと聞かせてもらおうか。
(牧田)柳井?誰ですか?それは。
(菊田)お前姫川主任が柳井健斗を追ってることを知って主任に近づいたろ?
(牧田)うん?あなたは姫川刑事の部下の方?
(菊田)お前と柳井健斗との関係は?
(牧田)ですからそんな人は知りませんよ。
主任利用して何しようとしてる?
(バイブレーターの音)失礼。
(バイブレーターの音)牧田です。
姫川です。
今日お会いできますか?私一人で伺いますので。
今ちょっと来客中なんで折り返しお電話します。
まだ何か?
(菊田)小林充は知ってるな?
(牧田)さあ?
(菊田)六龍会の構成員だ。
同じ龍崎組なのに知らないっていうのか?
(牧田)刑事さん。
龍崎組も結構大所帯でね。
下っ端のことまで分かりませんよ。
小林が下っ端っていうのは知っているわけだ。
(牧田)フッ。
(牧田)正直におっしゃったらどうですか?姫川玲子に近づくなと。
俺が知りたいのはお前と柳井健斗の…。
(牧田)今の電話彼女からですよ。
主任を巻き込むな。
(牧田)男の目になりましたね。
(牧田)でもあんたに姫川玲子は無理だよ。
(牧田)あんたは彼女の闇を知らない。
もし知ったとしても理解はできない。
(牧田)だってあなた…。
人殺せないでしょ?ハァー。
(クラクション)他の店を探しますから待って…。
(牧田)車で話そう。
誰にも聞かれないで済む。
聞きたいことがあるんじゃないのか?あなたのこと調べたわ。
工務店を経営していたあなたの父親は仕事のトラブルで暴力団員2人に殺された。
理不尽な借金だけが残り母親は首をつって自殺。
妹は暴力団員たちの性のはけ口にさせられ自殺。
残されたあなたは復讐をした。
そして服役。
あなたに興味を持った龍崎神矢があなたが出所するときに自ら迎えに行ったそうね。
そして自分の組に誘った。
あなたはそれを断らなかった。
そして異例のスピードで若頭補佐の地位まで上り詰めた。
ずいぶん調べ回したな。
自慢のオータクロアには俺の人生が詰まってるらしい。
でも柳井健斗との接点だけがどうしても見つからない。
2人がどうやって出会ったのか?漫画喫茶じゃないことだけは確かそうだけど。
フッ。
でも出会えば簡単よね。
あなたは家族を殺された柳井の気持ちが痛いほど分かる。
だから柳井の心にもすんなり入っていける。
色々利用もできたでしょうね。
ハァー。
何で気付かなかったんだろう?あなた柳井のもう一つの仕事知ってるのね。
あなたが言ってた柳井の偽名から私が銀行口座を見つけることを期待した。
お金の動きから柳井の動きが分かるかもしれないから。
その口座はもう一つの仕事で使っていた。
当然あなたもかんでる。
もちろん口座番号も知ってる。
ただそれをそのまま私に教えると自分たちが深くつながっていることが私にバレてしまう。
だから部分的に教えて様子を見ることにした。
藤元殺しに使われた拳銃から柳井の指紋が出たわ。
まさか。
あなたと柳井は何をやっていたの?
(牧田)柳井は情報屋だった。
俺は柳井の持ってきた情報を金で買ってた。
敵対する組織。
警察。
色々買ったよ。
あいつの情報はいつも正確でおかげで命拾いしたこともある。
その腕のよさに敬意を表して俺はあいつを先生と呼んでたぐらいだ。
その柳井が藤元に関するでかい情報をつかんだって言ったまま姿を消した。
俺はただその情報が欲しくて柳井を追ってる。
もう藤元は死んだのに?組織ん中じゃこれからも役に立つ代物だ。
これが柳井の偽名口座だ。
菊田。
調べてほしいことがあるの。
(菊田)はい。
はい。
分かりました。
話の続きを。
柳井のことは話した。
なぜ柳井に会うようになったの?情報の取引だけだったら今までどおり電話で済んだはずよ。
あなたはいつだって肝心な部分をごまかしてる…。
それはあんたも同じだろ?あんたみたいな女が何で刑事になった?見えない傷から血を流し続けて何をごまかしてきた?あなたと一緒にしないで。
同じだよ。
自分でとっくに気が付いてんだろ?どんな地獄見てきた?違う。
私は違う。
一緒にしないで。
でもお前は今俺のそばにいる。
俺の体に染み付いた血のにおいから離れられないでいる。
自分とおんなじにおいだからだ。
殺したいんだろ?そいつを。
俺が殺してやる。
殺して。

(ドアの開閉音)送ります。
(片山)おい。
聞き込みに行く先々でお前んとこの主任と極清会の牧田が密会してるって話だ。
ホントなのかよ?えっ?
(葉山)分かりません。
(片山)分からねえはねえだろうが!牧田は今回のヤマの最重要人物なんだぞお前。
おい!
(石倉)どうした?
(日下)何騒いでる?お宅の女主任と牧田のことだよ。
女使ってネタ取るつもり…。
(日下)宮崎係長。
言葉には気を付けてください。
(橋爪)始めるぞ。
終わったぞ。
会議。
姫川は?一緒じゃなかったのか?そうだな。
刑事だって人間だ。
菊田です。
これから会っていただけますか?捜査会議にも出ずに単独行動を繰り返していたというのは事実ですか?はい。
(長岡)柳井健斗を追っていたというのもですか?はい。
(長岡)では警察官にとって上司の命令とはいかなるものと考えてますか?絶対であると。
ではこの人たちはあなたの上司ではないわけだ。
命令に背いたことは深く反省いたします。
(長岡)和田1課長。
橋爪管理官。
あなた方の責任も重いですよ。
覚悟はできてますね?
(和田)はい。
(橋爪)はい。
(長岡)姫川主任は今この時をもって本案件から外れてください。
もし嫌だというなら警察から消えていただきます。
失礼します。

(ドアの開く音)・
(勝俣)ふーん。
勝俣主任。
お願いがあります。
もうすぐ首になる人のお願いは聞けねえな俺は。
柳井の偽名口座です。
勝俣主任にとっても必要なものなんじゃないですか?いや。
俺にはたぶん必要ねえな。
お願いします。
お願いします!うーん。
どいつもこいつも落ちたもんだな。
姫川。

(菊田)はい。
分かりました。
(菊田)悪い。
今日は日下班と動いてくれ。
(井岡)えっ!?日下主任に電話して指示を仰げ。
菊やんどないしますの?
(菊田)捜査に決まってんだろ。
ああ。
菊やん菊やん。
(井岡)これ。
何だよ?気味悪いな。
ええ。
ちょっとした気まぐれですやん。
人生色々やからね。
(井岡)あっ。
噂っちゅうのはねあくまで噂ですから。
井岡。
(井岡)はい。
よいしょ。
(菊田)働け。
むちゃくちゃ痛いんやけど。
(バイブレーターの音)はい。
姫川です。

(菊田)主任。
どうしてここに?さっき勝俣主任から電話がきて柳井のアジトが分かったからって。
菊田。
もしかしてあんた?ええ。
ゆうべ勝俣主任に頼んだら一人でやるから連絡を待てって言われてさっきその連絡が。
そう。
行こう。
待ってください。
主任。
真実を追うのは刑事としてですか?そうでなければ自分一人で行きます。
前にどうして赤にしたのかって聞いたわよね?血の色。
私が流した血を決して忘れないために赤にしたの。
絶対乗り越えてみせる。
だからここに来た。
行くわよ。
はい。
・失礼します。
柳井さん?
(署員)被疑者不明。
場所は新宿…。
(盗聴の音声)
(署員)警視庁了解。
新宿中央どうぞ。
(署員)えー。
車両ナンバーは品川…。
菊田。
はい。
柳井。
(菊田)遺書ですか?柳井が4人とも?あり得ない。

(勝俣)小林充を養った暴力団が許せなくてそれで他の3人もやっちまったんだってさ。
フッ。
小学校のがきだってもっとうまい理屈考えるのにな。
まっ一応情報源であるお前たちには見せたからな。
おい。

(鑑識)はい。
(勝俣)面倒かけてすまないけど頼むよ。
(鑑識たち)了解です。
(勝俣)はい。
すまねえな。
まさか?
(勝俣)うん?こんなヤバいもん表に出すわけにはいかないだろ。
勝俣主任。
あのよ情報源であるお前たちにはしっかり見せたからな。
俺の出番はここまでだ。
フッ。
まあ暇だったら掃除でもして帰んな。
(長岡)柳井健斗は遺書を処分して単なる自殺で処理します。
幸い組対はいまだに竜崎組の内部抗争だという線を崩してはいません。
たとえ未解決に終わっても内部抗争ならわれわれが受けるダメージははるかに少ない。
(和田)長岡刑事部長。
それでホントにいいんですか?
(長岡)警察を。
ひいては市民の安心と安全を守るためです。
(和田)それが警察の正義ですか?
(長岡)現場の刑事たちは年間に何足もの靴を履きつぶす。
アスファルトの地べた。
汚い裏通り。
雨にぬかるんだ泥道。
自分の体が汚れることなどみじんも気にせずただただ死んだ人間のため残された遺族のため真実を必死で追い求める。
和田1課長。
あなたまさかそんな陳腐な正義を語ろうとなさってるんじゃないでしょうね。
それは正義ではなくあなたたちの仕事です。
どうぞお下がりください。
あっ。
菊田。
どういうこと?俺たちは姫川班です。
(葉山)主任。
捜査の指示お願いします。
(湯田)何でも言ってください。
戻りなさい。
あなたたちまで巻き込めない。
(石倉)私たちだって刑事です。
(菊田)主任。
お願いします。
柳井健斗が藤元を殺したとは思えない。
保さんと康平は柳井の指紋が付いていた拳銃について調べて。
小峰さんには私から電話をしておく。
(湯田・石倉)はい。
菊田は柳井の恋人の内田貴代さんをお願い。
でも柳井が死んだことはまだ。
はい。
ノリは私と國奥先生のところ。
はい。
よろしく!
(一同)はい。
(石倉)湯田。
(湯田)はい。
(小峰)どうしてこう面倒なことに鼻が利くかね。
困ったもんだよなお嬢ちゃんには。
ご面倒をおかけします。
(小峰)はぁ。
まあ調べたくもなるような代物だけどなありゃ。
どういうことです?
(小峰)普通拳銃を発砲するとこのように衝撃やら何やらで指紋は崩れる。
ところがあの拳銃にはべったりとほぼ完璧なグリップの指紋が残されてる。
何ていうか指紋が付いた手袋をはめて握ったという感じかな。
(大山)ああ。
これ相当パソコンに詳しい人間が使ってたんですかね?
(菊田)何で?
(大山)あっ。
いや。
通常自動作成される不必要なファイルが全て削除されてるんです。
10日前ぐらいに更新されたファイルを重点的に調べてくれないか?
(大山)はい。
何とか頑張ってみます。
頼むよ。
(大川)はい。
はい。
(國奥)姫。
(國奥)首になったってのに悪いな。
俺ちょうどそれ食いたかったんだよ。
干されてるだけです。
そりゃちょうどいい。
まあゆっくりしていってよ。
ねえ?東都大の法医学教室に送られた柳井健斗の遺体絶対何かあるのよ。
どうにか調べられない?それよりね中野の殺害現場の方がずっと臭いんだから。
おい坊や。
そこの板持ってきて。
(葉山)はい。
どういうこと?
(國奥)持ってきたらひっくり返す。
(葉山)はい。
これ。
(國奥)ねっ。
写真とこれおんなじだろ。
おかしいだろ?刺されて飛び散った血がこれだけ真っすぐ延びるかね?そこでナイフに血のりを塗ってぴゅっぴゅっと実験してみたのがこれ。
つまり犯人は殺した後にナイフに血をつけて…。
そう。
でも最初は心臓を一突き。
即死をさせた後に偽装したんだろうな。
何でそんなことを?まあ絵心のあるやつだったんじゃないの?っていうのは冗談。
まあたぶんプロの仕業と見せたくなかったんだろうな。
じゃあ一連の事件は素人がやったように見せ掛けたプロの仕業ってことですか?その可能性は高いわね。
素人の犯行に見せる必要があったのは最終的に柳井健斗に全ての罪をかぶせるためだったとしてもマルガイが全員暴力団員じゃ何か無理がありますよね?やっぱり龍崎組の抗争に何らかの関係があったってことですかね。
うん。

(菊田)主任。
何か分かった?
(湯田)あっ。
ごめんなさい。
(菊田)ああ。
柳井は姿を消す前日…。
(石倉)菊田。
(菊田)内田貴代のアパートに来て彼女のパソコンに触ってたそうです。
気になったんでその日の更新ファイルを科捜研の大山君に調べてもらったらとんでもないものが見つかりました。
主任。
逮捕状を取りましょう。
そんなの長岡刑事部長が許可すると思う?また握りつぶされて終わりよ。
(葉山)じゃあどうすれば?私が会って自供させて緊急逮捕する。
(石倉)じゃあわれわれも。
駄目。
私一人で行く。
(葉山)そんな。
危険ですよ。
必ず真相を聞き出す。
そして9年前の事件のこと明らかにしてみせるから。
コピー取って。
一人じゃ無理だ。
そうですよ。
一緒に行きます。
(菊田)主任。
行ってください。
(石倉)菊田。
真相を聞き出せるのは主任しかいない。
ありがとう。
お願い。
叔父貴のおっしゃってることはよく分かります。
必ず証拠お持ちしますんで。
はい。
失礼します。

(バイブレーターの音)姫川です。
柳井健斗が発見されました。
遺体で。
会っていただけますね?
(牧田)出掛ける。
(川上)はい。
(牧田)一人でいい。
(牧田)どういうことだ?自殺でした。
お会いになりますか?会うべきですよね?
(牧田)どこだ?東都大の法医学教室です。
ご案内します。
遺書を残してました。
小林。
岩木。
加納。
藤元。
全ての犯行は自分がやったと。
柳井に殺す動機があるのは小林だけなのに。
殺害されたあなたの部下の岩木さん。
仁勇会に寝返ろうとしてる噂があったみたいですね。
仁勇会会長の藤元がいなくなればあなたは龍崎組のトップに上り詰めることができる。
何が言いたい?あなたにとって都合の悪い人間が立て続けに殺されあなたに近い場所にいた柳井健斗に全ての罪がかぶせられようとした。
指紋や遺書が偽造されて。
俺は何も知らない。
俺には殺す理由がない。
じゃああなたは殺していないと?ああ。
誰も?ああ。
(小林)冗談やめてくださいよ。
自分六龍会の者すよ。
同じ組内じゃないっすか。
ねえ。
ちょっと…。
(小林)《勘弁してくださいよ。
悪い冗談やめましょうよ》《なあ。
なあ健斗。
頼む。
牧田さんに言ってくれよ》《俺は何も関係ねえってよ。
なあ。
牧田さん。
牧田さん》《やんな。
先生》《気合入れろ先生。
お前ずっとそうしたかったんだろ?》《てめえのけりてめえでつけんだろ》
(牧田)やれよ柳井。

(小林)《ハハハ》《ハハハ…!》《相変わらずへたれだなおい!》《てめえの家族だいたいどいつもこいつも気持ち悪いんだよ!》《殺されたってな仕方ねえやつらだったんだよ》《ハハハ!ハハハ!》《うっ!?》
(牧田)《人を殺すってのはこういうこと言うんだ先生》《てめえでやれもしねえこと言うんじゃねえ!》
(健斗)《姉ちゃんはいつも泣いてた》
(健斗)《我慢して我慢して最期に左目だけで…》柳井が録音していました。
それを恋人のパソコンに入れておいたんです。
生まれてくる子供のためにいつかお金が必要になったら役に立つと思ったのかもしれません。
なぜ柳井は殺されなければならなかったんです?なぜ藤元たちを殺した罪までかぶらなきゃいけなかったの?俺は何も知らねえ。
私にだけは本当のことを言って。
あなたがやらせたんじゃないの?違う。
牧田さん。
牧田さん。
牧田さんお願い。
あなたが知ってることは全て話して。
そして私と一緒に…。
出頭して。
他のことは何も知らねえ。
俺はただ…。
義則。
(牧田)何やってんだ?お前。
牧田さん?
(牧田)行け!行くんだ!なっ!?何…。
(牧田)早く行け!
(川上)だから嫌だったんだ!この女。
兄貴のためなんだ。
全部兄貴のためなんだよ。
兄貴に上に立ってもらうためだったら俺何だってする。
《余計なことしやがって》《小林充を殺したのは…》・
(川上)《おい。
叔父貴》
(藤元)《あん?》
(銃声)
(銃声)
(牧田)義則!痛えよ。
放しなさい。
放しなさい!放しなさい!
(川上)ああー!ううー!あっ!?牧田さん!牧田さん大丈夫だから。
大丈夫だからしっかりするの!誰か!早く救急車!しっかり。
お願いだからじっとしてなさい!牧田。
牧田!牧田さん!牧田さん駄目!しっかり!牧田!牧田!牧田さん!牧田。
牧田!柳井健斗については関係各所と話がついています。
一人の男が生活を苦に自殺したということで片付く。
今日話をするのは私ですからあなたたちは私の指示に従って必要に応じて頭を下げておいてください。
じゃあ行きましょうか。
(和田)橋爪。

(長岡)このたび暴力団内部抗争を発端とする事件に関連し千代田区丸の内一丁目交差点付近において国民の皆さまに大きな恐怖を与え多大なるご迷惑をお掛けしましたことを心より深くおわびいたします。
(長岡)では引き続き暴力団内部抗争による4件の殺人事件についての公式発表をいたします。
着席させていただきます。
課長。
(和田)ただ今暴力団内部抗争という話が出ましたがそれを訂正させていただきます。
(ざわめき)
(長岡)和田1課長。
(ざわめき)
(和田)これは単純な龍崎組内部抗争による事件ではありません。
その説明をするに当たりまずは9年前に起きた柳井千恵さん殺害事件についてお話をさせていただきます。
(長岡)やめないか。
お座りください。
カメラが見てます。
柳井千恵さん当時19歳は自室アパートにおいて首を絞められ殺害されているのが…。
和田さんが?そうか。
分かった。

(和田)そしてそれに端を発し極清会構成員川上義則による連続殺人が起きたものと考えます。
(田畑)朝陽新聞の田畑です。
1課長にお伺いします。
では柳井健斗がもくろんだ小林充の殺害もその後の一連の殺人事件も9年前の捜査の失敗。
さらには隠蔽がなければ起こり得なかったことと考えていいわけですね?
(和田)はい。
そのように理解していただいて結構です。
では警察はその責任をどのように取るおつもりですか?この捜査に携わった刑事部幹部はすべからくその任から退くべきであると考えます。
事件を未然に防ぐことができずまた市民の皆さまの警察に対する信頼を大きく裏切ることになりましたことを心よりおわび申し上げます。
長岡刑事部長。

(和田)心よりおわび申し上げます。
(記者)どうなってんだよ!
(記者たちの詰め寄る声)
(日下)空けて。
空けなさい。
(勝俣)はいどいた!
(日下)どいてどいて。
(勝俣)どいたどいた。
(日下)分かった分かった。

(心電計の警告音)
(医師)心臓マッサージ。
(看護師)はい。
(医師)救急カート急いで。
(看護師)はい。
(心電計の警告音)
(医師)DC!
(看護師)はい。
(心電計の警告音)
(心電計の警告音)みんな見事にばらばらになったわね。
(菊田)捜1に残ったのは勝俣主任と日下主任だけですからね。
所轄刑事としてはどっちとも組みたくないわね。
(菊田)池袋西署ですか?ええ。
菊田は北千住署よね?
(菊田)はい。
卒配以来二度目です。
姫川班。
4年と6カ月。
あっという間だったな。
(菊田)そうですね。
ねえ?菊田。
私あなたのこと…。
(菊田)分かってます。
もういいんです。
やめましょう。
じゃあ。

(阿部)『土曜プレミアム』をご覧の皆さん。
阿部寛です。
(上戸)上戸彩です。
(阿部)僕たちは完成したばかりの映画『テルマエ・ロマエ