安倍晋三首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)は、海外で戦闘中の多国籍軍に対して自衛隊が兵士の輸送や医療活動などの後方支援ができるよう、憲法解釈の変更を求める。5月の連休明けにも首相に提出する報告書に盛り込む。北岡伸一座長代理が明らかにした。

 憲法9条1項は、国際紛争を解決する手段としての武力行使を永久に放棄すると定める。報告書では「国際紛争」の解釈を「日本が当事者である国際紛争」と変更するよう求める。

 変更すれば、日本が当事国にならない自衛隊の海外派兵に憲法上の制約はなくなる。結果として、日本の領土問題などが絡まない国際紛争への多国籍軍に、際限なく参加が可能になる。