STAP細胞:小保方氏会見 主な一問一答(下)

2014年04月09日

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大勢の報道陣を前に記者会見する小保方晴子氏(中央右)=大阪市北区で2014年4月9日午後1時2分、貝塚太一撮影

  新たな万能細胞「STAP細胞」の論文に不正が指摘された問題で、理化学研究所の小保方晴子・研究ユニットリーダー(30)は9日、大阪市内のホテルで三木秀夫弁護士らと共に会見した。主な一問一答の後半部分は以下の通り。(回答者の敬称略)

 Q 再現実験あるいは作製実験を公開するか、お持ちの実験ノートを公開するか。イエスノーで。理由も併せて。

 小保方 公開実験につきましては、私の判断では何一つ決められることではないので、あの、ちょっとお答えすることはできないんですけど、あと実験ノートも、秘密実験等もたくさんありますので、すべての方に公開するという気持ちはありません。

 Q 公開実験できないのはなぜ?

 小保方 やはり時間も場所もいりますし、環境も整えなければなりませんし、そのようなことから、気軽に私が判断できる範囲ではないかと思います。時間もかかると思います。

 Q それ(再現)さえできれば疑義は晴れる。

 小保方 疑義とは何に関しての?

 Q 論文に関して、実際にSTAP細胞があったという証明になる。

 小保方 理化学研究所の判断では、第三者による再現が必要というお考えのようですので、そこはどちらがより正しくといいますか、実証になるか私はわかりかねますが。

 Q 今回の問題は論文の不正の有無だと思いますが、いまはSTAPの有無に話が移行している。改めて、小保方さんの口から聞かせてください。あるのかないのか

 小保方 STAP細胞はあります。

 Q 素人は何をもって信用したらいい?

 小保方 やはりSTAP現象が各地で再現できるようなふうになるべきですね。そのためには、やはり先ほども申しましたように今回の論文は、現象論を示したもので、最適条件を示したものではない。更に私自身はたくさんのコツや、ある種のレシピのようなものを、新たな研究論文として発表できたらと考えています。

 Q 「特殊なやりかたで突っ走ってきた」ことが論文の不備の原因にあると言っている。STAP細胞があれば、常識を覆す世紀の発見。独自のやり方でやってきたことが、このような常識では考えられない発見につながった点は、振り返ってみてあるか? 言いにくいかもしれませんが、独自のやり方できたことが悪いことのようになっているが。

 小保方 たくさんの方々に出会い、多くの先生方に支えていただいて歩んできた道ですので、いろんな未熟な点や不勉強な点は多々あったけれども、だからこそSTAP細胞にたどりついたんだ、と思いたい気持ちは正直ありました。今そのように考えるのは、やはり謙虚さに欠けるし、そう思いたい自分と、そうではいけなかったんだという自分が、混在しております。

 Q 逆にね、200回も成功しているんだから、切り張りなんて細かい話は別にいいじゃないかとは?

 小保方 いいえ、そのようなことはありません。

 Q 一連の問題で筆頭著者の小保方さんばかり責任をとる形になっている。「トカゲのしっぽきり」という記述が(申立書に)あるがどう思う?

 小保方 私自身が写真を取り違え、論文の疑義を呼んでしまったのは私自身ですので、他の方の責任やお考えについてコメントできる立場でないと思います。

 Q 理研の指導は十分だった?

 小保方 本当にいろんな先生方が協力してくださって、たくさん助けていただいたんですけれども、私の力不足だったと思っています。

 Q 1月に(成果を)発表された時、iPS細胞と比べてかなり優位性があるという発表のされ方でしたが、今でも優位性があると考えている? 理研はその後取り下げていますけれど、ご本人としてはどのように?

 小保方 そうですね、あの、STAP細胞が将来的にどのように発展するかについて、理化学研究所の方では多くの期待を寄せてくださっていたのだと思いますが、正直、私の気持ちと広報活動、iPS細胞との比較による広報活動は、私と開きがあったというのは事実だと思います。

 Q 本意ではなく、広報活動としてされた?

 小保方 私自身としてはiPS細胞との比較に関する広報活動に参加できる場でなかったので、ちょっと詳細はわかりかねます。

 Q 下世話な質問をさせてもらいます。理研では、特定国立研究開発法人に格上げされる直前にSTAPを打ち上げ花火として用意していたと。で特定法人になれば莫大(ばくだい)な金が入ってくる。そのことで、格上げされる前にこのSTAP細胞をなんとか成立さえてもらえないかという、言葉でなくても理研全体の雰囲気はなかった?

 小保方 投稿論文は、いつ受理されるかわからないものですので、そのようなことはなかった。

 Q 雰囲気は感じなかった?

 小保方 私自身は感じておりませんでした。

 Q アカデミー(学術界)における不正の認定は、一般常識や司法と異なる。疑いをかけられた者が(疑いを)晴らさないといけない。つまり立証責任は小保方さんにあって、しかもアカデミーの常識に照らして証明しないといけない。そういう観点にたつと、ここに書いてあるものは、アカデミーを納得させられるもの? これ以上強い証拠はありませんか?

 室谷 文科省の基準は、いったん捏造である、あるいは改ざんと認定された場合は、故意によるものでないことを自ら立証しないといけないと書かれている。それはそれでありまして、理研の不正認定の基準は先ほど申し上げた内容になっているので、文科省の基準もあるわけですが、今回も適用されるわけではない。

 Q これより強い証拠がある? これでアカデミアは納得する?

 弁護士 証拠に関しては、不服申し立ての準備を始めたのは3月31日以降。それまで準備をしてきたかというと、してません。わずか1週間で準備しました。その間も小保方さんと直接面談をする機会も非常に少なく、小保方さんは家から出られなかったので事務所に来られない。PCの中を見ながら証拠をああだこうだと検討もできない。実験ノートも理化学研究所の中にはあるけど、それを見ながらやるのも現時点ではできない。その状況で、電話とメールでここまで話を伺ってまとめた、というのが現時点ですので、これより強い証拠は今から調べてより堅いものを提出したい。再調査になれば、我々だけ一方的に出さなきゃいけないものではなく、再調査の中で調査委も調査していただくべきで、そこは共同関係。立証責任とありましたが、必ずしも敵対しているわけではない。

 Q アカデミアの常識に照らしてどうか、小保方さんに伺いたい。

 小保方 証拠が用意できるかどうかに関してでしょうか?

 Q この証拠が、アカデミアの人間にとって納得いくかということ。

 小保方 室谷先生との相談で、今回は調査が不十分と示すための不服申立書になっていると思います。これから実験的な証拠に関しては、私としては用意できると考えていますが、第三者が見て納得できるものでないといけないので、それに向けての準備を進めていければと思います。

 Q 実際に正しい画像がある、実際に実験が行われたから不正ではないと。実験ノートは4、5冊とおっしゃっていたが、多分最もすごい決定的な証拠は、あのネイチャー論文に掲載された、胎盤が光り、胎児も光っている標本だと思うが、それはどこにあるのか?

 小保方 保存してあります。

 Q 理研の小保方さんの研究室のフリーザーの中?

 小保方 フリーザーといいますか、固定液の中に保存してあります。

 Q そういうものを調査委員会に提出して、もっと詳しく調査をしてもらうのはどうですか?

 小保方 調査委員会はSTAP細胞の科学的な意味や存在という科学的なものではなくて、提示されているデータに関しての調査だと思いますので。今回に関しては、やはり改ざん、捏造と認定されたゲル写真に対するさらなる立証や、テラトーマのさらなる立証という点が問われてくるのではないかと理解しています。

 Q そうすると、ネイチャーに対して訂正なさったのは、画像BではなくCでしたよね? それはなぜ? 本来なら画像Bで訂正すれば良かったのでは。

 小保方 Bで訂正してもよかったんですけど、使用した接点がちゃんと保存されてありましたので、それで写真を撮り直して、データの100%の確実性と言いますか、絶対に同じ確実なデータをネイチャーに訂正版で載せるために撮り直したものを。

 Q 気持ちはよく分かるが、ネイチャーの規定を読むと「同時期に」という規定がある。やはりその染色の時期も変えたりしていること自体が、科学的な常識とちょっと違う。サービス精神が上回っちゃったと思っているが、いかがですか。本当はBを出せば良かったと私は思うが。

 小保方 その点につきましては、ネイチャーのエディターと相談を進めたいと思います。ありがとうございます。

 Q STAP細胞ではなく、ES細胞が混入したのではないかという指摘があるが、その点についての反論は? 実験室の状況、混入をどのように防いでいたのか。どういうことが表れているからES細胞ではない、という点からお願いします。

 小保方 まず、STAP細胞を作製していたころ、研究室ではES細胞の培養は一切行っていない状況でした。なので、ES細胞の混入は起こりえない状況を確保していた。STAP細胞であるという科学的な証拠をどのように考えているかについてですが、まず、イメージングで光っていない物がOct4陽性になってくる。そしてその光が自家蛍光でもないことも確認しております。そのできてきたOct4陽性の細胞が胎児側と胎盤側両方にコントリビューションするという科学的な特徴を持っていること。また、ES細胞とは異なり、あの培養中で、培養環境を変えない限り、増殖能が非常に低いこと、このような特徴を持っていますので、この点がSTAP細胞の科学的特徴であると認識しております。

 Q 混入はないと言い切れる?

 小保方 はい。

 Q 真正な画像があるという点について。調査委員会は、この真正な画像はどこに由来するのか、どこの細胞に由来するのか分からない、追跡できないという話をしていた。追跡できる記述はどのようなものか。実験ノートについても、「第三者が見てトレースできなくても私ならトレースできる」という話がありましたが、どういうところ、根拠、記述から、これは真正であると言えるのか。またどうしてそういう資料を提出しなかったのか。

 小保方 まず、自分でやった実験、自分で書いたノートですので、自信はもちろん当然ございます、ただ、実験ノートを第三者的な観点から記述していなかったということは本当に私が反省するところですけれども。そして真正な写真というのは、調査委員会の方にも報告しております。今後どのように立証していくかについては、第三者的な観点、それをどのように担保していくか。その点をぜひ弁護士の先生に手伝っていただこうと考えているところです。

 Q 僕が確認したかったのは、あの真正な画像というのはどういう記述を基にしているのか、具体的にお伺いしたい。

 小保方 写真を撮った前日に、記述がノートにございます。

 Q 具体的には?

 小保方 すいません、ぴったりとは記憶できていないので、少々間違っているかもしれませんが、あの、テラトーマを染色したとか、そのような記述だと思います。

 Q 不服申し立てに至った経緯で、理研の聞き取り調査が短期間で不十分だったと繰り返している。「詳しい説明ができなかった」「突然資料を求められて、そこにある物しか渡せなかった」とかやりとりが出てきているが、小保方さんは調査の最中、どういう思いだったか。理研に再調査を求めるにあたってどういう対応をお願いしたいか?

 小保方 私自身、調査にお答えすることが人生初の経験でしたので、どういうものが一般的な調査委員会調査の仕方なのかよく理解していないままだったんですけど、もうすこし弁明の機会を与えていただいたら、と願ったことはあります。そして、途中からだんだんと体調が思わしくない中での調査になってしまい、十分なお答えもできていなかったと思います。

 Q 共同執筆者とは、どのようなやり取りを?

 小保方 そうですね、今回の論文発表以降、すべての共同執筆者がそれぞれに大変忙しい状況になってしまったので、あまりコミュニケーションがとれていない。わたしからはとにかく、本当にこのような事態になって申し訳ないといっている。

 Q みなさんSTAP細胞の存在は信じている?

 小保方 はい。

 Q 今日の会見を迎えるまでの体調の変化は?

 小保方 そうですね……もう……絶不調でした。

 Q 家で過ごされていた?

 小保方 そうですね。メディアのみなさんもお仕事ですので仕方がないのかもしれませんが、やはりあの、家の周りにたくさん人がいる状態で外出もままならず、その上、体調も非常に悪かったので、家にいることが多かったです。

 Q 論文には笹井先生もエクスペリメント(実験)担当と書いてあったと思うんですけれども、理研の報告では小保方さんだけが実験担当とある。実際はどうか。

 小保方 笹井先生は実際にはコントロールに使うサンプルの抽出の仕方ですとか、取り出しですとか、あと顕微鏡写真のすばらしいフレーミングと言いますか、そのようなことを一緒にしていただきました。

 Q (STAP細胞作製を)200回再現したと言うが、第三者が再現に成功すると思うか。またどうしたら成功すると思うか。

 小保方 私は必ず第三者が再現実験に成功すると思っています。成功するには細かなコツを全てクリアできれば必ず再現できると思っております。

 Q コツというのは、小保方さんじゃないとだめなのか。

 小保方 いや、そういうのではありません。

 Q 例えばそういうのを(第三者に)教えてあげたり、協力したりとかいうお話はあるんですか。

 小保方 はい、今はこのような状態で研究室に行けてないですが、できるだけ細かなことも私が参加する形で公表できればと願ってはいるが、それが可能になるかは分かりません。

 Q 少なくとも200回ほど確認したと言うことだが、誰と誰がSTAP現象を一緒にご覧になったか、簡潔にお答えいただきたい。論文投稿前に、不正と見なされた前に防ぐことは可能だったか。理研の身近な先輩たちから、正してくれるようなアドバイス、助言はなかったか、

 小保方 私はいろんな研究室に居候という形でお邪魔しているが、周りの方々は私が実験しているのを見ていますし、細胞自体も見ていらっしゃいます。見ている人は結構、個人名とかは出せないですけれども、かなりいると思う。そして、今回の件が防げたか。私が自分のことをもっと謙虚に受け止めて、周りの方に全てのデータを確認してくださいと頼んでいれば、防げたのではと思う。

 Q 不正は小保方さん一人で、というの(報告書の内容)は衝撃だった、つらい思いをしたのではないか。先輩から後輩に「ここは正したほうがいい」とか改善する余地はないか。

 小保方 とても難しい質問なんですけれども、すみません、ちょっと改善するところがあったかわからないです。

 Q 4月7日の丹羽さんの会見は見たか。

 小保方 入院していたので見ていません。

 Q プロトコル(作製手順)を代筆した経緯を説明しているが、世界中で成功していない中で、「ちょっとしたコツ」を今まで発信してこなかったのはなぜ? 研究者の中には、不服申し立ての前に実験ノートを起こして詳細に証明することが科学者として最もしたいことではないかと質問が出ている。それを今までしてこなかった理由と、ちょっとしたコツとは何かを説明願いたい。

 小保方 詳細なプロトコルを発表するに当たって、私も積極的に参加したかったが、他に優先的にしなければならない、正直に言いますとネイチャーへの訂正原稿の用意なんですけれども、私の体調面、外出がままならない状況、いろいろあって今日までそれが間に合わなかっただけで、できたらこれからでも詳細なプロトコルをさらに詳細にしていく、アップデートしていくことにも参加していければと思います。

 Q 世界中で再現できなければ役に立たないが、その点で、今は説明いただけないのか。

 小保方 次の研究にも大きく関わることですので、できればメカニズムの解明や、それらの研究発表と同時に発表していければと思います。

 Q 再現実験をした世界の研究者に対して、自分の実験より再現実験を優先した世界の優秀な科学者に何か説明はないか

 小保方 問い合わせが来るものに関しては答えていく姿勢をとっていく。

 Q 理研に対し「裏切られた」という気持ちは少しでもあるのか。

 小保方 ……そのような気持ちは持つべきではないというふうに思っています。

 Q 通説と違う発見をした時は、かなり驚かれたと思うが、最初から確信を持たれていたのか。間違いではないかと不安に思ったことはないのか。

 小保方 最初から確信があったのではないが、STAP現象が起こりうると気付いた時は、どのようにそれを他の人が納得する形で証明したらいいか、ワクワクした気持ちは覚えている。

 Q そういう場合、第三者の追試が重要になる。小保方さんから積極的に別の方に追試をお願いしたことはあったか。

 小保方 若山研にいた時に若山先生が一緒にやってくださったり、そこにいた学生が一緒にやってくださったり、またハーバードでもそこの研究員がやっていただいたり。

 Q 小保方さんと一緒にではなく、やり方を共同研究者に教えて別にやってもらう確認は。

 小保方 インディペンデント(別個)にやっていただいたこともありました。

 Q それはどなたでしょうか。その方は成功したのでしょうか。

 小保方 その方は成功してます。

 Q どなたなのか教えていただけますでしょうか。

 小保方 個人名になってしまうので。

 Q 小保方さんが関与しない場では再現できないことが問題になっています。小保方さんとインディペンデントで他の方が再現できたという事実があるなら、積極的に出していただいたほうがいいのでは。

 小保方 はあ、なるほど。

 Q 実験ノートが4、5冊あるというが、追加のノートはなぜ提出しなかった? どこに保管している?

 小保方 調査委が資料を確認しにきた時、「何々の記述の部分を」ということだったので、すべてを用意していなかった。私は研究室を渡り歩いているので、残りはそれぞれに保管している。

 Q テラトーマの記述は、提出していないノートにある?

 小保方 提出したノートにある。ただ調査委は、詳しく「どこの部分に記載ですか?」という質問はなく、自分たちでノートを精査した。詳しく聞いてくだされば理解してもらえた。

 Q 小保方さんから記述について説明しなかった?

 小保方 はい、ノートを持って帰るという形だったので。

 Q 今後、別の調査委で構成すべきだ、外部、あるいは法律家にすべきだと。また理研関係者を排除すべきだと要望している。実際の理研の規程では、同じ調査委で同じ人に審査されてしまう可能性が大きい。どう思う?

 小保方 調査委の先生方も、この1カ月間、ご自分の研究を止めて調査に参加し、本当に申し訳なく思っている。一度出た判決は、同じ方々で覆るのは難しいのかなと、私の考えでは正直、思っている。

 Q ぜひ別の人、外部の人に客観的に審査してもらいたい?

 小保方 はい、そのような気持ちはございます。

 三木 「特段の事情がない限り」というのは確かにあり、別の委員会にかけるとも読める。規定上矛盾はしない。事実上、控訴審的な位置づけなので、同じ調査委が審査する不公平感、手続き保証として十分ではない。理研のためにもそうした方が信頼感が高まる。今回は科学認定、一見科学的な論争に見えるが、規定の解釈、事実が要件に該当するかどうか、そこが一番問題だ。科学的に先鋭的な争いがあるわけではない。事実認定について経験を積んだ人が入るべき、科学上の倫理を語るのは良いが、お受けするとしても、これほどの重大な不利益処分を科すなら、きちんとしてほしい。

 Q 日本を代表する理研が処分を下す方針だ。野依理事長は「未熟な研究者が無責任に扱った」と語った。どう受け止めたか。

 小保方 理研にはご迷惑をおかけし、申し訳ない気持ちだ。野依先生のお言葉も重く受け止めて、肝に銘じて生きていきたい。

 Q (再生医療応用に)期待した難病患者もいる。何か言葉があれば。

 小保方 もし私に、この先、研究者としての道があるなら、STAP細胞の研究をできるだけ早く進めて、希望を持っている人の思いに、少しでも応える態度を示したい。

 三木 彼女の体調の問題もあるので、あと3人にしたい。

 Q 週刊誌では、笹井先生と「不適切な関係」があったと。

 小保方 そのようなことはありませんし、そのような報道に戸惑っている。

 Q ポートピアホテルに1年泊まったが、お金はどこから? すてきなお洋服をお召しだった。理研の給料で考えられないような生活だ。どこからかお金をもらっていた?

 小保方 そのホテルに限らず、私はホテルで生活をしていた頃は、ハーバード大の研究員なので、ハーバードから出張という形です。

 Q 最終報告の前に「大きな力が働いている」というコメントが報道された。最終報告では「憤り」だったのに、今回は「申し訳ない」と。この1週間で心境の変化は?

 小保方 不服申し立てのコメントは、先生方が同席している中で、私があまりにも落ち込んでいるので、強い気持ちを表明するためのお手伝いを先生方がした。私はずっとあまりにも落ち込んだ状態だった。

 Q 「大きな力」とは?

 小保方 論文発表以降、予期しない出来事が次々と起き、私の力では何一つできないような、本当に大きな力に翻弄(ほんろう)された毎日を送っていた。そのような気持ちが出た。記者さんに突然囲まれ、気持ちが動揺してしまった。

 三木 憤りは、報告書の結論についてとうてい承服しがたいという気持ちは変わっていない。謝罪は、自分のミスでご迷惑をかけた気持ちで、両者は矛盾していない。変更があるわけではない。

 Q 理研の指示もあって家で過ごす中で体調も崩した、と。2カ月何をしていたのか。体調、大丈夫なようにも見えるが、どういう病状なのか。

 小保方 この2カ月間、めまぐるしく日々が変わっていくような状態で、だんだんだんだんと体調が悪くなり、最初の頃はSTAP細胞の作り方を他の方に教えたり、実験していたが、だんだんと具合が悪くなり、最後の方は家で静養している状態だった。

 Q 具合が悪いとは?

 小保方 心身共に消耗し、日常生活に支障が出るような状態だった。

 Q 体が動かないとか、嘔吐(おうと)とか、症状は?

 小保方 おっしゃったような状態で、3月の中旬ごろには医師から入院を検討するようにと言われていたが、調査委があったことからそのような判断もできず、どんどん具合が悪くなり、ついに入院することになった。

 Q ヒアリングの回数は、中間報告委後でも3月23日にテレビ会議と、3月19日にも理研神戸の現地調査でも話している。中間報告前でも3回ある。「中間報告後に1回」というのは間違いない?

 小保方 中間報告後には、委員が2人神戸に来て、資料の確認をしている。ヒアリングは23日に1回だった。

 Q 19日の現地調査は調査ではない?

 小保方 調査委員の方がどういう判断をしているか……十分な聞き取りはしていただいていない。

 Q 1回しかない、という部分をとると調査不十分に感じるが、中間報告でも詳細な内容が出ている。1カ月に十分聞き取られたかわかりませんが、1カ月に3回くらい、失礼しました、5回あれば回数的には不十分とは言い難いという印象がある。

 小保方 そうですね、質問に対する回答という形式が多かったので、私の説明や弁明をさせていただく十分な機会は少なかったのではないかと考えています。事実関係を詳細に聞き取るという意味では不十分だったと考えています。

 三木 小保方さんの体調の問題、医師から会見に臨むこと自体をとがめられている状態ですので、2時間程度で打ち切りたいと思っていましたが、今日はこれで終了とさせていただきます。

 Q こうした会見はほかに?

 三木 予定はございません。

 Q もうない?

 三木 現時点では医師に反対されて無理に出てきている。ご配慮いただきたい。彼女はこれから病院に戻る。約束はできかねる。誠に申し訳ございません。

 Q 小保方さん、最後に一言あれば。

 小保方 本当に申し訳ございませんでした。

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