四国遍路の休憩所に「『大切な遍路道』を朝鮮人の手から守りましょう」と印字した紙が相次いで貼られた問題で、新たに高松市、香川県観音寺市、愛媛県四国中央市、徳島県内の休憩所からも同様の紙が見つかったことが10日、徳島県の調査などで分かった。

 貼り紙があった休憩所は3県の12か所に上る。このうち徳島県では4市3町の休憩所9か所から計15枚の貼り紙が見つかっており、11日に県が対応を協議する。県警も勝手に貼り紙をしたとする軽犯罪法違反容疑で捜査している。

 貼り紙は「日本の遍路道を守ろう会」の名前で「最近、礼儀しらずな朝鮮人達が、気持ち悪いシールを、四国中に貼り回っています。『日本の遍路道』を守る為、見つけ次第、はがしましょう」と印字されていた。

 外国人が道に迷わないようステッカーを貼っているソウルの女性、崔象喜さん(38)の活動を中傷しているとみられる。

 韓国事情に詳しいジャーナリストの若杉大氏は「ステッカーは、韓国人参加者向けの道案内の矢印や、お遍路仲間を激励する文句を韓国語で示したもの。彼女が自費で4000枚を製作、お遍路の途中であちこちに貼っていったそうです」と語る。

 これ自体はほのぼのとした話だが、問題もあるようで「標識やカーブミラーなどの公共物にも貼られており、屋外広告物条例に抵触しかねません。美観論争も起こっているようです。また、道案内しているつもりで、かえって混乱を招くことになりかねないとの声も。彼女の遍路を愛する気持は理解できますが、残念ながら、どこか独り善がりなところがあるようにも思えます」(同)

 一方、貼り紙の内容は、差別を助長していると世界からバッシングされても仕方がない。

「“日本=差別主義”という印象を世界に発信しようとしている勢力に利用されかねない。また、京都の古刹や旧跡でハングルの落書きが見つかったり、対馬の寺院から盗まれた仏像を返還しないなど、一部の寺社関係者は韓国人の参拝に神経質になっているようです。だからといって韓国人一般が非常識かのような物言いは誤解を招きます」と若杉氏は指摘した。