第十七話:魔法術って凄い
ちょっとグロい描写有り、注意要
ゆらり、ゆらり、陽炎のようにその身を揺らしながら、マリーは静かに扉へと向かう。歩き方には全くと言っていいほど気合が感じられず、ともすればふざけているのかと邪推してしまう程だ。
しかし……今、この場にマリーを非難する者はいない。近づいてくるマリーに、サララたちが自然とその場を空けたのは、マリーから放たれる不可視の何かが、そうさせたのだ。
……あるいは、その美しさが言葉を奪ったのかもしれない。それが分からないぐらい、サララたちも状況を呑み込めていなかった。
ただ……今、この状況を脱するにはマリーの力が必要不可欠である。胸中を蕩かせる何かを振り撒くリーダーの横顔を見送りながら……それだけは、言われずとも理解した。
「さて、と……『女』から会得した魔法術の力……見せてやろう」
静かに、マリーの足が止まった。目の前を塞いでいる扉の隙間に己の手を差し込み、大きく息を吸い込み……吐く。ふわりと立ちのぼる魔力に、ゴクリと誰かの喉が鳴る。
全員の視線が、その身に浴びせられる。畏怖とも違う、尊敬とも少し違う。ある種の期待を孕んだその視線に、マリーは軽く笑みを浮かべると……力強く、奥歯を噛み締め――。
「――ぅん!!」
全力を込めて、腕を開いた。当然、その腕はビクンと痙攣をしてから動きを止める……扉は、ビクともしない。ざわざわと、その身から立ちのぼった熱気が銀白色の髪をなびかせながら、マリーの奥歯がギリギリと軋んだ。
びくん、びくん、と背丈が伸びても細いマリーの両腕が、蠕動する。徐々に筋肉が隆起し始め、太さが元の大きさよりも一回り以上大きくなった辺りで……扉に、変化が起こった。
「――と、扉が……!」
見ていた全員が、息を呑んだ。信じられない、と言外に込められた感情のままに、焔が両手で口元を押さえている。彼女たちの目の前で、少しずつではあるが……扉が、その隙間を広げ始めたのだ。
サララたちが全力を込めてもなおビクともしなかった、分厚い鉄扉。その重量だけを考えても、並大抵ではない。それを、たった一人でこじ開けようとしている……その光景に、サララたちは加勢という二文字がすっかり頭の中から飛び去っていた。
『扉に異常圧力を検知。突入の可能性が考えられます。職員及び患者は、ただちに扉から離れてください。繰り返します。扉に異常圧力を検知。突入の可能性が考えられます。職員及び患者は、ただちに扉から離れてください。繰り返し――』
ベキン、と金属が弾ける音が室内に響いた。『ジョイント部の完全破損を確認。扉の開閉機能が失われました』既に最初の時と同程度にまで開かれた扉に身を滑り込ませたマリーは、そこからさらに力を込める。
ベキン、ベキン、と不安になる音と共に、マリーの手が押し当てられた場所が、わずかに陥没する。それに伴って、扉の外で開くのを待っていたドラコたちが……姿を変えたマリーを見て、驚愕に目を見開いた。
徐々に、徐々に、扉が開かれていく。ドラコたちへと迫ろうとした大男たちも、その姿を見て何かを感じ取ったのかもしれない。ニタニタと気色悪い笑みを浮かべた彼らの表情が目に見えて凍りつき、まるでマリーを警戒するかのように彼らはその場に立ち止まった。
そして……!
「――うりゃぁああああ!!!!」
轟音すらかき消す雄叫びが一声。斑や源はもちろん、無憎やドラコが悠々と通れるまでに開かれた扉の中央に、幾多の視線が集まった。
その中で、大きく呼吸を整えながらも、マリーは確かな足取りで外に出る。俯いたまま大男たちへと歩み寄っていくマリーの姿に、ドラコや無憎たちは自然と道を開けていた。
駆け寄っていいのか分からないドラコが、「ま、マリー、なのか?」恐る恐る名残のある後ろ姿に声を掛ける。その声にピタリと足を止めたマリーが、最後に一つ大きく息を吐くと……勝ち誇った笑みを浮かべた。
「さすがは魔法術だ……想像以上の力に、自分自身が信じられないぜ!」
顔をあげたマリーは、にっこりと満面の笑みを浮かべる。美しさの陰に蕾をを思わせる満面の笑み。その笑みに見惚れたのは、何もドラコだけでは無かった。
「そ、それを魔法術と呼ぶには些か抵抗が……しかし、魔法術であるのは確かな事実……!」
遅れて出てきたイシュタリアの、憤りの籠った一言が有ったり無かったり。唸り声をあげる『時を渡り歩く魔女』の姿を他所に、マリーは「さて、と」改めて大男たちに向き直る。
今回現れた大男たちは一回目や二回目と違って、大剣は所持しておらず、代わりに棍棒と思わしき武器を所持している。だが、そのかわりと言わんばかりに人数が多く、光球の明かりが照らし出す暗がりの奥から向かってきている数を合わせれば、今やその数は二桁に達しようかと言う程であった。
その大男たちは、向けられた視線に肩をびくつかせていた。その震えは武者震いと捉えるべきか、それもと怯えと捉えるべきなのか。獣が如く涎を垂れ流し、唸りながら大剣を構える大男たちからは、判断することは出来そうになかった。
「さて、名前も知らぬ化け物ども。お前らが兄弟なのか、あるいは仲間なのか、そこらへんは知りたくも無いが、まあ最後に頭に刻んでおけ」
一歩、また一歩、動き始めたマリーの歩みは止まらない。悠々と、ドレスを押し上げる膨らみを弾ませながら、マリーはニヤリと笑みを浮かべた。
身体が、軽い。そう、マリーは思った。フルパワー状態になった時よりもずっと軽く、ともすれば両足が地から離れてしまいそうな気さえする。なのに、どっしりと足裏が捕らえている大地の固さが、いつも以上に感じ取れる。
とても、不思議な感覚であった。けれども、嫌な感覚では無い。いや、それどころか、これまでの生涯において、これ以上ないぐらいに……マリーの心は高揚していた。高ぶっていた。燃え上がっていた。
今ならば、あれが出来るかもしれない。これまでこっそり隠れて練習していたアレが……この身なら、出来るかもしれない……否、出来る!
「魔法術の力……思い知るがいい……!」
胸中に抱いた確信と共に、マリーは大男の一人に向かって、おもむろに握りしめた拳を向ける。それを見て敵意を向けられたと判断したのか、大男は「ぐがぁぁああ!!!」唾を撒き散らしながらこん棒を振り上げ――直後。
ぱちん、とマリーの握りしめられた拳から親指が弾かれた。
「――ごぁ!?」
ごつん、と重苦しい打突音。脳天を貫いたかと錯覚する程の衝撃が、大男の首を直角にへし折る。それでも抑えきれなかった衝撃に押されるがまま、大男の身体は真後ろへと吹っ飛んだ。
――っ!?
それに驚いたのは、はたしてサララたちが先か、あるいは大男たちが先か。驚愕という名の感情が初めて姿を見せた大男たちの瞳が、ぎょろりと、倒れ伏した似た顔をした男へ視線が向けられる。
倒れ伏した大男の首は、ものの見事に折れ曲がっていた。顔面にはピンポン玉大の陥没痕が見られ、潰れた眼球と混ざり合った鮮血が噴き出している。小刻みに痙攣しているその身体が、起き上がる素振りは……無かった。
まるで、至近距離で弾丸が着弾したかのようだ。もし、イシュタリアが大男の陥没した顔を見ていたら、そう感想を述べていたであろう。一瞬にして昏倒させられた仲間を前に、大男たちは一様に歯軋りをし……雄叫びをあげて、マリーへと駆けだした。
「がぁあああ!!!」
武器は原始的でも、身体能力は同じのようだ。巨体からは考えられない速度で迫り来る大男たちに、サララたちが一斉に迎撃態勢に移った。
「――遅い、今度は連続でいくぞ」
しかし、今のマリーを相手にするにはあまりに遅すぎた。拳を握りしめたマリーは、再び親指を弾く。それも、今度は残った片腕も使ってであった。
握って、弾く。握って、弾く。握って、弾く。握り、弾く、握り、弾く、握り、弾く、握弾、握弾、握弾、握弾握弾握弾握弾握弾握弾――っ!!
素早いなんてものじゃない速度で繰り返されるその行為のたびに、重苦しい打突音が通路の中を木霊する。最初の一体を吹き飛ばしたそれは、大男たちの足は一瞬にしてその場に押さえ付ける。見る間に鮮血と肉片を撒き散らしながら負傷していく彼らは、無様なダンスを踊ることしか出来なかった。
せめて弾き飛ばされないように、大男たちは腰を低く落とす。だが、それでも五月雨が如く降り注ぐ不可視の何かによって、一歩、また一歩、その足が下がり始める。
もはや、彼らは何も出来なかった。衝撃を受けた一体がその場に転倒した直後に、その身体目掛けて数十発にも及ぶ何かが着弾する。続いて倒れた大男にも暴力が降り注ぎ……次々に彼らは戦闘不能に至るまでダメージを負っていった。
「……もう、いいかな?」
十数分程、その攻撃を繰り返した後。そう一括りを付けたマリーが、攻撃の手を止めた頃には、例外なく全身の肉を削り取られた彼らが、立ち上がることも出来ずに地面に倒れ伏していた。
無言のままに、マリーは彼らを見つめ続ける。彼らがその程度でくたばるような存在でないことは、身を持って経験してきたことだ。油断なく、何時でも迎撃できるように意識を傾けながら、マリーの拳が彼らを捉えた……と思ったら――。
しゅう、と彼らの身体から煙が立ち上った。反射的に行った攻撃によって、彼らの身体が二転三転する。しかし、彼らからの反応は無く、立ちのぼる煙の量が増えただけであった。
「ひっでぇ臭いだな、おい……」
生臭さを伴ったえぐみのあるそれが、密閉された空間に広がる。思わずマリーたちは顔をしかめるぐらいなのだから、この中では最も鼻の利くドラコにとっては堪ったものではないのだろう。
マリーの後ろに駆け寄ったドラコが、勢いよく翼を羽ばたかせた。暴風、とまではいかなくとも、竜人が生み出す気流はかなりの風量を持つ。煙はあっという間に暗がりの向こうへと消えて行き、それに合わせて煙の発生量も減り始める。時間にして5分程翼を羽ばたかせた頃には、彼らの身体からほとんど煙が出なくなっていた。
…………?
一向に立ち上がろうとしない彼らの様子に、マリーは目を瞬かせた。一回目とも二回目とも違う結果に、得体の知れなさを覚える。後ろから様子を伺いに近寄って来たサララたちを片手で制しながら、明かりに照らされた彼らを見やったマリーは……首を傾げた。
そこに残されたのは、萎びて痩せ細った彼らの亡骸であった。あれだけ膨れ上がって隆起していた肉体は見る影も無く、その姿はまるで……ミイラであった。
……死んだのか? あれだけで?
死んでいるのは明らかであったが、疑問視してしまうのは仕方がないことだし、マリーは念には念を入れることを選ぶ。再び響いた打突音によって地面を転がる彼らの手足が、千切れ飛ぶ。飛び散った鮮血が地面に吸い込まれて行く中、それでも反応してこないことを確認して……ようやく、拳を下ろした。
それを見て、サララたちも脅威が無くなったと判断する。ため息を吐いて、一様に張りつめていた緊張感を緩めると、小走りにマリーへと駆け寄った。
「マリー、身体は大丈夫なの?」
隣まで駆け寄ったサララが、マリーを見上げる。何時もならほんの少しだけ見下ろされていたマリーも、今だけは見上げられる立場であった。
「ん、ああ、今のところはな。逆に調子が良すぎて身体が浮き上がりそうだ」
事実であった。実際、今のマリーはかつて経験したことが無い程の活力が、全身から溢れ出そうな感覚すらある。それはまるで、9時間ぐっすり睡眠を取り、これ以上ないぐらいに清々しく目を覚ました直後のような感覚に似ていた。
「さて、それはそうと、だ」
思い出したように、マリーが言った。
「今しばらくは、あんまり俺の手足に触れないように。まだこの体に慣れていないからな。反射的に手が出ただけで、多分人一人の身体が弾け飛ぶかもしれない」
「そうなの?」
首を傾げるサララに、マリーははっきりと頷いた。
「それに、この姿は思っていた以上に身体に負担が掛かるみたいだし、あんまり長い間この姿にはならない方が良いみたいだ」
「それも、なんとなく分かることなの?」
「説明出来ないけど、俺自身はそう理解しているのさ……というわけで、ちょっと元の姿に戻る為に集中するから、しばらく俺をそっとしておいてくれよ」
その言葉に、サララたちの動きがピタリと止まる。視線の色に不穏さが混じり始めていることに気づきもしないマリーは、ほう、と熱気の籠ったため息を吐いていた。
「頭では分かっていても身体が理解出来ていないのか、上手く魔法術が制御出来ねえ……さっきから頑張ってはいるんだが、どうも砂山を登っているみたいなやり難さでな……イシュタリア、俺の薬はまた用意できそうか?」
呼ばれたイシュタリアは、ハッと我に返る。「薬を作る材料さえアレに残っていれば、作れるとは思うのじゃ」と答えたイシュタリアに、マリーは「じゃあ」、と笑みを浮かべた。
「作れそうなら、今すぐ作るよう頼んできてくれ。後、元の姿に戻ったら俺はまた動けなくなりそうだから、その時は先に『女』から渡されたアレを俺に打ってくれ」
「――なに?」
聞き捨てならない一言に、ピクリ、とイシュタリアが、サララが、ナタリアが、ドラコが、反応する。しかし、マリーは大して気にした様子も無く、「言葉が足りなかった」と手を振った。
「さっきもそうだが、俺って少し動き回り過ぎだろ? ウイルスが身体の中で元気に活動しているのがなんとなく分かるんだ……まあ、戻ってすぐに特効薬が使えたらそっちの方がいいけど、駄目だったらアレでいいってだけの話だ」
「……分かった。ちょっと聞いてくるのじゃ」
「お願いする……と言っても、後10分ぐらいは戻れなさそうな感じがするけどな」
小走りに扉の向こうへと掛けて行くイシュタリアを見送る。心から不安そうに見つめてくるサララに苦笑しながら、マリーはその頭を軽く叩いた。兎にも角にも、まずは元の菅らに戻る必要がある。
……しかし、だ。一人うんうんと唸りながら集中しているその姿は……なんというか、アンバランスというか、ギャップを強く感じさせる可愛さがあることに、まだマリーは気づいていなかった。
その胸に何が実っているのか分かっていないのか、ドレスを押し上げる膨らみが、軽い身じろぎてたぷんと揺れている。ドラコに勝るとも劣らないサイズを前に、自然とサララたちの視線がそこに集まっていた。
この姿も、後十数分だけ……それなら、ちょっとぐらい……!
そんな考えが、サララたちの脳裏を過った直後。「――んん?」むにゅ、と己が膨らみを掴む感触に、マリーは視線を向ける。指先が埋もれ掛けている小さな手の主は……ナタリアであった。
「うわぁ……本物だわ。やっぱり本物だわ……しかも、マリアのやつよりも柔らかいのね……気持ちいい?」
もにゅもにゅと、縦横無尽に動き回るナタリアの指先。それを見たサララは、無言のままにマリーの背後に回った。
「おう、ナタリア。当たり前のように人様の胸揉むのはどうかと思うぞ……別に気持ちよくないから、ドレスの上から乳首を捏ねるな……くすぐったくて仕方がねえんだよ」
「――そうよナタリア。勝手に揉むのは良くない」
「サララ、お前もお前で当たり前のように人様のケツに顔を突っ込むな。息が当たっているっていうか、そこで深呼吸するな、無暗に開くな。さすがの俺も……ていうか、くすぐったいって言っているだろ」
「大丈夫、とっても香しい」
「そういう問題じゃねえってことを説明されないと分からんのかお前は……!」
振り払おうとも思ったが、すぐに止める。小さい身体の時ならまだしも、今のこの体では予期せぬ怪我を負わせてしまいそうで、マリーはされるがままであった。
「――ちょっと失礼するのじゃ。ナタリア、お主は私が行くまで、機械の傍で警備をするのじゃ。またよからぬやつらが薬を横取りするかも分からぬのじゃ」
「――ええ、分かったわ。それじゃあ、前を空けるわね」
そして、忘れてはいけない人がもう一人。超特急で戻ってきたイシュタリアが、平然とした様子でナタリアを送り出しながら、マリーの前に跪いた。
「失礼するな、おもむろに裾を捲るな、パンツをずり下ろすな」
「勘違いするでない。女体化してしまう魔法術なぞ、私とて初めて拝見する代物。肉体的にどのような変化が起こっているのか、一度観察させてほしいだけなのじゃ」
「お前、それ今考えた言い訳だろ……サララ、お前もさり気なく手伝ってんじゃねえよ。こういうときはお前ら本当に仲がいいよな」
なんという無駄な使い道なのだろうか。これまで培ってきた連携を駆使したテクニックによって、マリーの下半身はイシュタリアの眼前に晒されることとなった。源や斑たちに背を向けている状態なので、彼らには見られることは無かったのはせめてもの救いではあった。
「ほほう……ここの作りは私たちと一緒のようじゃな。股から小指が無くなった感覚はどんな感じなのじゃ?」
「どんなって言われても……なんか丸々抜き取られて穴が開いた感じが近いような気がする。あと、小指って言うな。地味に傷つくんだぞ」
「女になったのは確定のようじゃな……ずばり、正直な感想は?」
「人の話を聞けよ……えっと、言葉には言い表せられない股の涼しさが、妙な違和感を覚えるぜ……お、おう、こら、いきなり何だ、何をした、吃驚するだろ!」
「あ、すまぬ。ちょっと痛覚はどのようになっているかと思ってのう。ちょっと弄ってみただけじゃ。他意は無いから許せ」
「そう言いながら弄るのは止めないんだな、お前は……ああ、うん、イシュタリア……今、開いているだろ。今まで以上にひんやり来たぜ……」
「感覚も似たようなもの、か。少しばかり肉厚で、色も綺麗じゃな……銀白色はお主の肌の色と近いせいか、離れてみると薄く見えるのじゃ……まあ、元が濃くないようじゃから、大した違いは無いがのう」
「何だろうな、生えたのは嬉しいんだけど……嬉しいんだけど、すげえ複雑だぜ……!」
……とはいえ、そのシルエットと会話から、マリーがどういう状態になっているのかが見なくても想像がつく。むしろ、直接言葉にされない分、余計な妄想が働いてしまう。
「……斑?」
「言っておくが、ワシはもう歳じゃからな」
離れた所で、何やら不穏な空気を醸し出している幼女と、冷や汗を流している老人の姿があったが、誰もその間に入ろうとする者はいなかった。というか、気づいた者がいなかった。
「と、ところで、さっきはいったい何をしたんだ?」
呆然と見ているしかなかった源が、何とも言えない眼差しをマリーへと向ける。源だけでなく、その場にいる全員がそういえばと興味を向ける。それに気づいたマリーは、「別に大したことはしていないさ」軽く頭を掻いた。
「ただ、拳を握って親指を弾いただけだ」
「いや、弾いたって……そんなわけが……」
「いや、本当だって……ほら、見ろよ」
そう言うと、マリーはまた軽く拳を作ると、それを誰もいない壁へと向けて親指を弾いた――途端、ぼっ、と土が飛び散った。まん丸に見開かれた源たちの視線が捕らえたのは、ピンポン玉大のサイズで陥没した壁の穴であった。
「……えっ」
そう、陥没した穴である。そこだけまるで、何かがめり込んだかのように穴が出来ていた。ただただ呆然と、その穴とマリーを交互に見やることしか出来ない源たちを見て、マリーは困ったように首を傾げた。
「もしかして、見えなかったかい? よし、それなら何度か見せてやるから、よく目を凝らすんだぞ」
「あ、いや、そうじゃない、分かった。マリーくん、もう分かったから、それ以上ここを不用意に壊すのは止めるんだ!」
「……ん、そうか。なら止める」
再び繰り返される打突音の嵐。瞬く間に小穴が大穴へと大きくなっていく光景を見ていた源は、慌ててマリーを止めた。ほんの一瞬ではあったが、ここら一帯が壊されて生き埋めになる光景が脳裏を過ったのは、源だけでは無かった。
「それにしても……」
チラリと、横たわっている大男たちの亡骸を見やったマリーは、その傍へと歩み寄った。遅れて、サララたちも続き、一同は亡骸の前に立った。
「いったいこいつらは何者なのかねえ……ぶっ殺してもぶっ殺しても、どこからともなく現れて……いったい、俺に何の恨みがあるっていうんだ」
ひゅん、と空気をも切り裂く蹴りが、亡骸を真っ二つに両断した。「……軽く突くだけだったのに、どうも力加減ができん」と零す後ろで、同じように亡骸を突いていたイシュタリアが、ふむ、とマリーを見やった。
「お主、そこまで誰かから恨みを買うようなことしたのか?」
「そりゃあ、恨まれないような生き方をしたかと聞かれたら首を横に振るけどさ……さすがに、ここまでされるようなことした覚えは無いぞ」
うーん、とマリーは記憶の奥を探る。ラステーラの日々、イシュタリアと出会った時、サララたちと出会った時、その前の、マリーが今の身体になる前の……。
…………。
…………。
…………んん?
(……あれ、なんか……?)
そこまで考えて、マリーは首を傾げた。何とも奇妙な違和感が、脳裏を過る。それに目ざとく気づいたイシュタリアから「思い当たる節があるようじゃな?」と尋ねられて、マリーは首を横に振った。
「いや、それとは違うんだ。ただ、何か違和感が……」
「違和感?」
「この体になる前のことを色々と思い出していたんだが、何か変な気がしてなあ……なんだろうか、違和感がぐるぐるしているぜ……」
鮮明な映像が次々と脳裏を駆け巡っている。そのどれもこれもが今にして思えば、実に感慨深いものだが……なぜだろうか。その感慨深さが、不思議と胸の奥をチクリと刺激する。
この世界に足を踏み入れた時、まだ自分が親の庇護下に有った時、まだこの世界の広さが理解出来なかった時……アレも、コレも、ソレも……蓋を開いた途端に溢れかえって来た思い出に、マリーは唸り声をあげて考える。
深く、深く、深く……次々に浮かんでくる懐かしい顔。懐かしい笑顔、懐かしい怒り顔……浮かんでは消え、浮かんでは消える記憶の奥底に意識を潜らせ続け、違和感の正体に意識を傾け――。
「……んん? こいつ、この前私たちを囲んだ亜人の一人ではないか」
そんな時であった。亡骸の顔をジッと眺めていたドラコが、そんなことを呟いたのは。
「――えっ?」
ドラコの言葉に、マリーの意識は完全にそちらへと向けられた。
「ほら、こいつの顔をよく見てみろ」
ほら、豚顔。そういって指差した亜人の顔に、マリーたちの視線が集中する。蒸発しきった亡骸は、元の顔からはかなりかけ離れたモノになっていたが……「あっ」、と声を上げたのは、マリーだけでは無かった。
居た。
確かに、この豚顔の亜人とは以前に出会っていた。
バルドクとかぐちに連れられて、屋敷へと向かっていた時にマリーたちを囲んだ、ならず者たちの一人。ナタリアから熱烈なラブコールを向けられていた、二足歩行の豚、その彼であった。
……空気が、張りつめた。それを、全員が実感した。
「……いちおう聞いておくが、何か弁明はあるかのう?」
「そんな……信じられない……」
自然と、マリーたちの視線が……3人へと向けられた。胡乱げで、それでいて圧気が込められたイシュタリアの眼光に答えたのは、斑だ。その手と繋がっている焔に至っては、眼前の事実に声すら出せないようであった。
「貴様ら、まだ私らに何か隠し事をしているようじゃな」
「――ち、違う! ワシらもこんなことは知らない! こんな、こんなモノになれる仲間がいるなんて、ワシらも知らなかった!」
「ふん、どうだか。口では何とでも言えるのじゃ」
しかし、その程度でいちいち心を動かすイシュタリアでは無い。むしろ、信じられない、と呟いた斑をイシュタリアは睨みつけた。
「よくよく考えれば、腑に落ちないことは多々あった。依頼された『化け物』はいっこうに姿を見せぬばかりか、証言もろくに出てこない。そして私らが来た途端、それまで毎日のように出ていた被害がピタリと収まった……まるで、もう必要が無くなったかのように……貴様ら、口裏を合わせておったのじゃな」
「ち、違います! それだけは女神に誓って、断じてあり得ないことです!」
必死の形相で、斑はその場に膝を付く。けれども、冷ややかなイシュタリアたちの視線に変わりが無いと判断すると、額を擦りつけるようにして頭を下げた。
「お願いです! 信じてください! ワシらは、何も知らないのです!」
いわゆる、土下座であった。『地下街』の重鎮たる有様は、もう何も無い。斑は何度も何度も、イシュタリアたちに頭を……マリーへ頭を上げた
「――わ、私からもどうか! どうか、信じてください! どうか、どうか……!」
遅れて我に返った焔も、斑と一緒に土下座をする。老人と幼女が土下座をして許しを乞う姿は、中々胸に来る光景ではある。もしこれが地上で見た光景であったなあ、思わず辞めさせていたかもしれない。
だが、マリーたちにとっては今更であった。一度のみならず二度も襲ってきた大男の正体が亜人であり、さらには投獄すらされかけた。事実だけを抜き出せば、怒るのは当然であった。
そんな彼らから今更頭を下げられたとて、マリーたちの心には全く響くことは無い。同じ亜人であるドラコから、信じて貰えなくても仕方がないと内心思われているぐらいだ。
無言のままに槍を構えたサララが、動く。ゆらりと向けられた必死の刃に、それでも逃げようともせず頭を下げ続け――。
「全てを、話そう。俺が知り得ている、全てのことを……」
ポツリと呟かれた男の声に、場の空気が止まった。その場にいる全員の視線が、力無く肩を落とした亜人……無憎へと注がれた。
「だが、これだけは信じてくれ。本当に、その二人は何も知らないことなんだ。全ては、九丈……やつが、糸を引いているんだ。そして、俺もやつのしたことに関わっていた」
――九丈。その名前に、マリーたちは視線を鋭くさせる。固く眼を閉じ、眉間に寄った皺が、無憎の内心を……苦悩を、表しているように見えた。
「……今更、それを信じて貰えると思っているのかい?」
内心を探る、疑いの眼差し。マリーから向けられた鋭いソレに、無憎は固く目を瞑ると……ゆっくりと、武器を地面に置いた。
「俺を殺すのは、全てを知ってからでも遅くは無い……そうだろ?」
そう言って、無増はその場に腰を下ろした。しばしの間、互いの顔を見やるマリーたち。斑と焔も、どうしていいか分からず無憎を見つめることしか出来ない。
……重苦しい、沈黙が辺りを包む。
「――まあ、どっちにしろ、だな。まずは俺の身体を治してからにしようぜ」
これまで沈黙を保っていたマリーの身体が、ぽふんと煙に包まれた。突然の事態に目を丸くするサララたちをしり目に、煙が晴れた後に現れたのは……元の姿に戻ったマリーであった。
「ま、マリー、大丈夫? 顔が真っ赤になっている」
とはいえ、状態はマリー自身が口にしていた通り、かなり悪いようであった。
「いやあ……自分でも熱が出ているのが分かるぜ……」
トマトのように真赤になっているマリーの身体が、ふらふらと揺れる。慌てて肩を貸すマリーとイシュタリアにぐったりと身体を預けながら、マリーは力無く目を瞑った。
『地下街』の西側にある住宅街の、ひと際大きい建物。そこは強硬派の亜人たちがアジトとして共有している、一種の集まり所であった。
斑や焔の屋敷には劣るものの、それでも『地下街』の中では大きい部類に入る。何時もであれば、会議が有る時ぐらいしか使われないその建物から……奇妙な異臭が漂っていた。
何とも言葉にし難い異臭である。しかし、強い臭いでは無い。『地下街』に半日もいれば慣れて分からなくなる程度で、初めて足を踏み入れた人が感じ取れる程度のものであった。
その臭いに釣られたのだろうか。建物の周囲には老若男女の亜人たちがたむろしている。特に談笑をしているわけでもない彼ら、彼女らは、建物の周囲を取り囲むようにして大人しくしており、漂ってくる臭いにうっとりと頬を緩めているだけであった。
臭いは、建物の中に入ればいっそう濃くなっている。奥に進めば進むほど強くなる臭いに合わせて、徐々に亜人の数は減っていく。その中では最も奥深い場所に設けられた、一部の者しか立ち入りが許可されていない一室が有る。
その部屋の中は、異様の一言である。所狭しに並べられた棚には、小さめの樽ぐらいのガラス瓶がぎっしりと積まれている。どの瓶もしっかり封が閉じられており、中に入っている液体が何なのかをうかがい知ることは出来ない。
「……ふむ、一度目は不意を突けたが、やはり二度は無理ですか……何とか薬だけでもと思いましたが、まあそう上手くはいきませんか……」
その棚の奥。部屋の隅用意された小さな一角に、九丈の姿が有った。髭を軽く指で梳かしながら、九丈はゆっくりとキセルを吹かしている。その火種から漂う煙……建物周囲に漂っているモノよりも数百倍は濃いであろう異臭が、そこから立ちのぼっていた。
「おまけに、送り出した討伐部隊は全滅……ですか。いくら薬の量を薄めていたとはいえ、それでも再生力と身体能力は常人をはるかに超えるというのに……いやはや、どっちが化け物なんでしょうねえ」
かふう、と白い煙を吐く。コツコツと膝を叩く指先は、苛立ちの現れなのか、それとも癖なのか。こみ上げてくる何かを堪える様に、しばしの間ジッと目を瞑って……静かに、顔をあげた。
「それにしても、無憎のやつめ。何時かは裏切ると思っていましたが、まさかこうも早いとは……どうやら思っていた以上に頭の固い馬鹿だったようですね……」
ふふふ、九丈は笑みを零す。しかし、その瞳はどこまでも冷たく、どこまでも怒りに満ちていた。
かたん、と棚の一つが揺れた。もぞもぞと、地面を這うようにして近づく何かの気配。それは、千切れて粘液を垂れ流している、細くて長い触手であった。
ずるずると、のた打ち回る様にして触手が九丈へと近づいて行く。けれども、九丈はそちらに目を向けようとはしない……向けるまでも無く、ソレが何なのかを理解していたからだ。
「それにしても、まさかあんな小さな子に握りつぶされるとは思いませんでしたよ……見た目は子供でも、やはり油断してはならないということか……」
そう舌打ちをして、九丈は触手へと手を伸ばす。途端、飛び掛るようにして九丈の手を掴んだ触手は……まるで溶け込むようにして、九丈の身体へと入っていった。
「……とはいえ、斑や焔にばれたのもそうですが、あのマリーとかいう小娘どもにまで私のことがばれてしまったのは、痛手ですね……まだ私の支配は全体の半分しか進んでいないというのに……」
しかし、九丈は気にした様子も無かった。体内に潜り込む触手よりも、マリーから敵視されているという事実の方が、九丈は気になるようだ……異様な光景であった。
もごもごと、九丈の来ている着物が内側から盛り上がる。まるで服の下に巨大なヘビが暴れ回っているかのようだ。もし、誰かがその光景を見ていたら、腰を抜かしていたことだろう。
けれども、やはり九丈は気にも留めていなかった。美味そうにキセルの煙をくゆらせながら、傍に常備してある道具を手に取った。
それは『プッシュ・パス』と呼ばれる注射器の一つであり、イシュタリアがマリーに使用したやつよりも新型のものであった。
「しかしながら、無憎を失うのは惜しいものがありますね。ある意味無憎が居たおかげで、私もここまでやって来られたわけですから……まあ、要らなくなったら、それはそれですけど」
同じく傍に置いてある瓶へと、無造作に針の先端を浸す。それは棚に並べられているものと同じ物。目盛り一杯まで液体を抜き取ると、それを一息に……己の腕に突き刺した。
遠慮も加減も無い、慣れた動作。瞬く間に減っていく目盛りに合わせて、九丈の頬が目に見えて紅潮していき……全てを注入し終えたと同時に、深々とため息を吐いた。
「……まあ、ばれてしまった以上は仕方が有りませんねえ。ワクチンがあいつらの手に渡った以上、完治されれば余計に手が出せなくなるのは必至」
もごもごと、蠢いていたヘビの動きが収まっていく。ニタリと、見た者の背筋に怖気を走らせる笑みを浮かべた九丈は、おもむろに立ち上がった。
「あの方からせっつかれてもいますし、少々計画を早めるとしましょうか」
ふふふふふ……その不気味な笑い声は、しばらくの間続いた。
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