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専門家「渡り鳥が持ち込みの可能性」
4月13日 19時04分

専門家「渡り鳥が持ち込みの可能性」

鳥インフルエンザに詳しい京都産業大学鳥インフルエンザ研究センターの大槻公一センター長は、今回の感染は、この時期、南半球からシベリアなどに向かう渡り鳥などが途中で鳥インフルエンザウイルスを体内に取り込むなどして日本に持ち込んだ可能性があると指摘しています。

大槻センター長によりますと、渡り鳥は毎年秋になると、シベリアなどからインドネシアやオーストラリアなどの暖かい南の国へ移動します。
そして春になると、再び北へ向かって移動を始め、大型連休の時期までは、渡り鳥が日本などに立ち寄る時期に当たるということです。
このルートには、ベトナムや中国、韓国などH5型の鳥インフルエンザによる感染が発生している地域があり、大槻教授は、これらの地域で渡り鳥がウイルスを体内に取り込むなどして日本に持ち込んだ可能性があると指摘しています。
大槻センター長は「渡り鳥は日本を縦断していくので、熊本だけでなく今後、どこで感染が起こっても不思議ではない。渡り鳥の移動が終わる大型連休の時期までは厳重な警戒が必要だ。もし死んでいる野鳥などを見つけても、近づいたり触ったりせずに保健所などに連絡してほしい」と話しています。

「渡り鳥がウイルス持ち込みの可能性も」

熊本県の養鶏場からH5型の鳥インフルエンザウイルスが検出されたことを受けて、農林水産省は、13日午後、専門家の会議を開きました。
この中で専門家からは「感染の拡大を防ぐためウイルスが検出された養鶏場周辺の消毒を強化するほか、ほかの養鶏場でも発生がないかどうか確認してほしい」といった意見や「野鳥が鶏舎に侵入した形跡があるかどうかなど感染経路の特定を急いでほしい」といった意見が出されました。
委員長を務める鳥取大学の伊藤壽啓教授は、ことし1月以降韓国でH5N8型の鳥インフルエンザウイルスによる感染が広がっていることに触れ、「渡り鳥がウイルスを国内に持ち込んだ可能性は十分考えられる。渡り鳥が完全に帰って行く5月の中旬ごろまでは警戒が必要だ。衛生管理を徹底してほしい」と話しました。

環境省は野鳥の監視を強化

熊本県の養鶏場で、H5型の鳥インフルエンザウイルスが検出されたことを受け、環境省は、死んだニワトリが、周辺の「野鳥」を介してウイルスに感染した可能性があるとみて、養鶏場周辺で野鳥の監視を強化することにしました。
野鳥の監視が強化されるのは、熊本県多良木町の養鶏場から半径10キロ以内の区域です。
環境省は、今回死んだニワトリは、養鶏場の周辺に生息する野鳥を介して鳥インフルエンザウイルスに感染した可能性があると見ています。
このため14日以降、現地に専門家による調査チームを派遣するとともに、熊本県に対し、指定した区域の中で死んだり弱ったりした野鳥が見つかれば、ウイルスに感染していないか調査を強化するよう指示しました。

安倍首相「的確な情報発信を指示」

安倍総理大臣は午後2時半すぎ、山梨県富士河口湖町で記者団に対し、「鳥インフルエンザが確認された段階で、政府として情報の収集を行い、農林水産省をはじめ関係省庁がしっかりと連携をとって、徹底した防疫措置を迅速に行うとともに、国民に対して正確な情報を的確に出すよう指示した」と述べました。
このあと安倍総理大臣は、夕方、総理大臣公邸で、農林水産省の小林消費・安全局長らから、現在の状況や政府の対応について報告を受けました。

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