中国の新しい空母は、同国の増大する艦隊の中で最高位を誇るかもしれないが、実はかつてウクライナが持っていた船体を再装備したものだ。チャック・ヘーゲル米国防長官は外国人として初めて空母「遼寧」に搭乗する前、4月上旬のアジア訪問を利用し、中国の海への野望とクリミアの間に存在する、ずっと大きな関係を描いてみせた。
「勝手に境界線を再定義し、武力や威嚇、脅しによって領土の一体性と国家の主権を侵害してはならない。太平洋の小さな島であれ、欧州の大国であれ、同じことだ」。ヘーゲル長官は東京の観衆に向かってこう語った。「だから私はこれについて中国の友人たちと話したいと思っている」
■グローバル経済と領有権争いが共存
ウクライナ危機の影響は、欧州から遠く離れた場所でも感じられるだろう。最も重要な副次的影響の1つは中国が引き出す教訓であり、中国がアジアの現状を無視して何の報いも受けずに済むと結論付けるかどうかだ。
アジアには、21世紀のグローバル経済の最も高度な製造業のネットワークと、19世紀末期を強烈にほうふつとさせる要素、つまり、高まる国家主義と拡大する海軍、そして不快な領有権争いが共存している。アジア各地で、国境線を引き直すロシアの取り組みが中国を勢いづかせ、島に対する自国の主張を押し通すようになるとの懸念がある。ヘーゲル長官はアジア歴訪の1週間を、こうした不安に対処することに費やした。
あるレベルでは、ウクライナとアジアの海洋問題の間に密接な関係性を描くことには無理があるように思えるかもしれない。クリミアには、機を見るに敏な指導者が利用する特殊な条件がそろっていた。セバストポリの海軍基地のおかげで、ロシアの部隊は既にクリミアに事前配備されていた。ウラジーミル・プーチン大統領はキエフの政治不安とクリミア市民の本物の支持に助けられた。
何にも増して、地域の基本的な地形は、ロシアがクリミアに侵攻した時に欧米諸国には現実的な軍事的選択肢が1つもないことを意味した。だが、もし中国が東シナ海の尖閣諸島(中国名・釣魚島)を奪おうとしたら、日本と恐らく米国からの激しい反撃に遭うだろう。米国はウクライナと同盟を結んでいないが、日本、韓国、フィリピンとは同盟関係にある。
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