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専門家「200回以上作製」信用できない
4月9日 17時27分

専門家「200回以上作製」信用できない
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STAP細胞を巡る問題で、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーは9日、記者会見し、論文に疑念が持たれていることについて謝罪した一方、「STAP細胞は200回以上作製に成功している」と述べました。
これについて、専門家の1人は「手順が踏まれていないなかでは、小保方氏が成功したと言っても科学者の世界では信用できる話ではない」などと指摘しています。

「すべての証拠を示し発表する必要」

日本分子生物学会副理事長で研究不正の問題に詳しい九州大学の中山敬一教授は、小保方リーダーが会見の中で、「STAP細胞の作製に200回以上成功している」と述べたことについて、「作製に成功したというには、すべての証拠を示し正確な論文として発表する必要がある。こうした手順が踏まれていないなかでは、小保方氏が成功したと言っても、科学者の世界では信用できる話ではない」と指摘しています。
また、小保方リーダーが会見で「ねつ造」と認定された点に対して、「本物の画像については調査委員会に提出した実験ノートにも記載してある」と話したことについて、中山教授は、「実験ノートに記載されていたとしても、それが第三者が見て分かる形で書かれていなければ十分な証拠とはいえない。日付などの基本的な情報とともに、自分だけでなく第三者にも分かるように実験ノートを書くことは科学者としての基本だ」としていずれも本人の証言だけでは科学的には信用されないと指摘しています。

「かなり強引な主張」

研究不正の問題に詳しい大阪大学の中村征樹准教授は、小保方リーダーが理化学研究所の調査委員会から「改ざん」と認定された実験結果の写真の切り貼りについて、「画像を見やすくするために一部を挿入したが、正しい実験結果があるので『改ざん』には当たらない」と主張していることについて、「実験データに切り貼りを加えることは、科学的な結果の信頼性を担保するという点で問題がある。この状況で『改ざんではない』というのはかなり強引な主張だ」と指摘しています。
また、小保方リーダーが画像のねつ造と認定された点に対し、「正しい写真も存在しているので、研究不正の次元ではない」と主張していることについて、「科学的感覚からするとかなり無理のある論理だ」と述べています。
一方で、中村准教授は理化学研究所の調査について、「急いで行われたことによる不十分さが、小保方リーダーの主張が一般に真実と受け入れられる一因にもなっていると考えられる」として調査に課題があると指摘しています。

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