STAP細胞巡る問題 双方の主張は4月8日 19時13分
STAP細胞を巡る問題で、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーは、8日午後、理化学研究所に対し、ねつ造などの不正を認定した調査のやり直しなどを求める不服申し立てを行いました。理化学研究所の調査委員会がねつ造や改ざんと認定した2つの実験データについて、小保方晴子リーダーは、いずれも不正には当たらないと反論していて、調査委員会の今後の判断が注目されます。
写真の切り貼り
まず、STAP細胞が、体の細胞から出来たことを示したという実験結果の写真が一部、切り貼りされていた点についてです。
調査委員会は、実験結果の画像を一部切り貼りしただけでなく、縦の長さを変えるなどの操作が行われていたなどとしたうえで、きれいに見せたいという目的性を持って行われたもので、改ざんに当たる不正と認定していました。
これに対し、今回の申し立てでは、小保方リーダーは見やすくするために操作をしたが、操作を加えたからといって結果自体は、何ら影響を受けないなどとして、改ざんには当たらないと主張しています。
別の実験の画像
次に細胞の万能性を示す画像が、実際には、別の実験のものだった点についてです。
調査委員会は「画像を間違えて使ったという小保方さんの説明は納得できず、小保方さんが正しい画像があると主張したものについても、実験ノートが2冊しか存在しないなど、その由来を科学的に追跡することはできなかった」などとしたうえで、ねつ造に当たる不正と認定していました。
これに対し、申し立てでは、ねつ造は、存在しないデータや研究結果などを作成することだなどとしたうえで、小保方リーダーは誤った画像を使用したが、掲載すべき画像は、2年前の6月に撮影されており、存在しないデータや研究結果を作り上げた行為はなく、ねつ造には当たらないなどと主張しています。
理化学研究所の調査委員会は、今後再調査が必要かどうか審査を行いますが、2つの実験データを巡り、調査委員会の今後の判断が注目されます。
疑い晴らすには厳しい状況か
小保方リーダーの主張について、研究不正の問題に詳しい大阪大学の中村征樹准教授は「文部科学省のガイドラインでは、ねつ造などの疑いを持たれた場合、疑いを晴らす責任は、研究者の側にある。その際には、実験ノートなどの証拠を示すことが必要で、きちんとした証拠を示せないと不正行為とみなされてもしかたがない。小保方さんの場合、実験ノートの記述があまりにも不足していると指摘されており、ねつ造の疑いを晴らすのは厳しい状況にあるのではないか」と指摘しています。
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