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インメモリーDBで広がるリアルタイム処理の可能性(上)

2014/04/14

Joab Jackson IDG News Service

 企業向けにアプリケーションのパフォーマンス監視サービスを提供する米New Relicは2014年3月19日、新たなビジネスインテリジェンスサービス「New Relic Insights」のベータ版の提供を開始した。アプリケーションのデータをリアルタイムでマイニングできるようにするサービスだ。

 同社によると、このサービスは大きな支持を集めているという。1分当たり平均600億件の指標を扱うクエリーを処理し、レスポンスタイムは平均58ミリ秒とのことだ。

 同社CEO(最高経営責任者)のLew Cirne氏によると、この新サービスで鍵を握っているのはインメモリーデータベース技術だ。サーバーのワーキングメモリー(RAM)内だけで動作するリレーショナルデータベースである。

 Cirne氏は、New Relic Insightsのサービスが正式に稼働すれば、顧客サービス、セキュリティ、ターゲットマーケティングなど、あらゆる用途に対応できるものになると話す。業務の何らかの面に関して疑問が生じたら、このサービスにクエリーを投げることで、わずか数秒前に収集したデータから導き出した回答が詳細な指標値として得られるという。

 New Relicは、データベースを一から構築し、テラバイト単位のデータを洗い出して素早く答えを引き出すことができる大規模なクラスターを構成した。マシンが生成した膨大なデータを丹念に探って答えを見つけ出す場合であっても、インメモリー技術によって、ミリ秒単位で結果が得られる。

 かつては、インメモリーデータベースというと、潤沢な資金を持つ金融機関が高速な取引処理に利用するような専門的な製品だった。しかし現在では、用途が大きく広がりつつある。要因の1つは、サーバーのメモリーのコストが下がったこと、もう1つは、米Amazon.comのような高速なインターネットサービスを期待する企業側のニーズによるものだ。

 「インメモリーデータベースの技術を活用すれば、企業のビジネスは変わる」と、米MicrosoftでSQL Serverのマーケティングを担当するジェネラルマネージャーのEron Kelly氏は言う。

 同社のデータベース製品の新バージョン「SQL Server 2014」は、インメモリー機能を標準で搭載している。製品は既に製造工程に入った。また、ビッグデータ関連のソフトウエア製品を手がける米Pivotalも、同社のHadoop向けインメモリーデータベース製品で初の完全な商用バージョンとなる「Gemfire HD」をリリースした。

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