汚染水:バイパス「放射性物質目標値超えでもくみ上げ」
毎日新聞 2014年04月11日 18時58分
東京電力福島第1原発で汚染前の地下水をくみ上げて海に流す「地下水バイパス」計画で、東電は11日、地下水をくみ上げる井戸で、海への排水を判断するのに用いる目標値を超えた放射性物質が検出された場合でも、くみ上げは続けると発表した。
東電は、12本の井戸で地下水をくみ上げてタンクに集め、放射性物質濃度を測定したうえで、目標値未満なら海に放出する方針を示している。一方で井戸ごとでも週1回、測定しており、この段階で目標値を超えた場合の対応は決めていなかった。
東電はこの日の記者会見で、くみ上げた地下水を集めたタンクで放射性物質濃度が上昇して目標値に迫ってくれば、原因となっている井戸からのくみ上げを個別に停止する方針を表明した。
これに対し、佐藤雄平福島県知事は同日の記者会見で「井戸で目標値を超えた場合の対応については、(海への放出前に)あらかじめ明示すべきだ」と指摘。くみ上げ停止の判断基準が不明確とし、詳細な説明を求める考えを示した。【岡田英】