原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す青森県六ケ所村の再処理工場の稼働について、米国が「懸念」を日本に伝えてきている。原発が動いていない現状では核兵器に転用できるプルトニウムが増えるばかりで、オバマ政権が力を入れる核不拡散に逆行するからだ。

 非営利の報道機関センター・フォー・パブリック・インテグリティー(CPI、米ワシントン)と朝日新聞の共同取材でそうした実情が浮かび上がった。

 10月の完成を目指す六ケ所再処理工場は、年800トンの使用済み核燃料を再処理し、8トンのプルトニウム(うち核分裂性は5トン弱)を取り出す能力がある。これを原発で燃料として消費する予定だが、現在、そのめどが立っていない。これとは別に、日本がすでに保有しているプルトニウムは44トン(同29トン)あり、数千発の核兵器に相当する。