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2014.04.13

中国語には「木」がないの?

 中国語を学んでいて、ほお、と思うことがある。いろいろある。というか、なんで今まで学ぼうとしてこなかったのか悔やまれるというか、いや、思い返すに、中国語学びたいなとは思って、二三参考書などを買っても、なんだか雲を掴むような感じだったのだ。その点は今でも変わりないけど、もうちょっと中国語の世界に感覚を突っ込んだ気がしている。
 その一つ。中国語には「木」がないの?
 な、わけねーっしょと思う。もちろん。
 そこで読みもしないで罵倒コメントをいっぱつ書いておく、と、おいそこのきみ。
 いや、それはさておき。
 もちろん、中国語に「木」という漢字はある。
 ただ、意味がなあ。
 まったく違う意味ではないのだけど、「ノルウェイの森」と「ノルウェイ材」くらい違う。
 別の言い方をすると、中国語では、「木」のことは「樹」(树)という。"shù"である。
 じゃあ、中国語で「木」(mù)の意味はなにかということなのだが、これは、日本語で「木材」になる。
 つまり、「木」という漢字は中国語にもある。日本語の「木」の意味とはちょっと違う。歴史によって意味がずれたと言ってもいいのかもしれない。
 で、「樹木」はどうかというと中国語でも「樹木」。材木という意味合いではなさそう。
 なにが起きているのかというと、どうも、基本、一文字の「木」(mù)というのが中国語にはなさそう。
 なぜ「木」(mù)がないのかは、おそらく中国語が一文字を嫌うからだろうが、それだと、树(shù)の一文字もなさそうだが、それはある。
 同音異義語の問題かもしれない。目(mù)、墓(mù)、牧(mù)とこんがらかるからも。よくわからない。
 ところで、次のような会話を考えてみる。
 A「是什么?」shì shénme
 B「是树」Shì shù
 A「是什么树?」Shì shénme shù
 B「是杉」Shì shā
 A「是什么意思?」Shì shénme yìsi?
 B「是杉树」Shì shāshù
 早口言葉みたいだし、そういう会話が成り立つのかわからないが、「是杉」は意味をなさず、この場合、「杉树」としないといけない。
 というあたりで、昨日の「中国語の助数詞(量詞)って英語の不定冠詞みたいなもんか」(参照)の助数詞のように、「树」がなんの木かの助数詞のような働きをしている。もちろん、これは助数詞ではないのだけど。
 どうも中国語は、文法のレベルではなく、かといって造語法とも言いがたいが、ある中心概念とその個別化で熟語を形成したいという戦略みたいのが働くのだろうと思う。
 だとすると、なんでそうなるかなのだが、やはり一文字だと同音異義語が多いからだろう。
 話がずっこけるが、中国語には「木曜日」もない。「星期四」になる。4日目ということで、月曜日から数える。
 中国語では、木曜という言い方を排したのかなと思ったのだが、どうもよくわからない。それどころか、日本でも江戸時代に「木曜日」とか言ってるわけないよな。
 これってきっと、これというのは、つまり「木曜」とかいうのは、西洋暦の訳語として明治時代に日本で作ったんじゃないのか?
 フランス語だと"Jeudi"、つまり、«jour de Jupiter»なわけで、ジュピターであれ、木星なわけですよ。英語だと、このジュピターをトールにあてて"Thursday"なわけだが。
 日本人としては、「星期四」は味気ないなと思うが、そうはいっても、月のほうは「四月」とか数字を使っているわけで、もう「卯月」は使わないわけですよ。
 使ったほうがいい気もするけど、しかし、新暦で「卯月」といってもなあというのはある。じゃあ、旧暦にするかというわけにもいかない。
 
 

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コメント

⊃『日本語から学ぶ中国語・中国語から学ぶ日本語』
ISBN978-4-489-00693-7

凄いです!上記の参考書で、この問題を扱っていますです!

宮沢賢治の注文の多い料理店の訳比(P132)
------------------------------------------
風:大風
草:乱草
木の葉:落叶
木:樹林

ちなみに、自分的には上記で得た感想は、
『現代中国語も読み下せる?』(;゚∀゚)=3ムッハー!!!でしたw

書店で良さげだったのは他に以下です。
2)『美しい中国語手紙の書き方』
3)『中国語で歌おう!テレサ・テン編』www
4)『30日で学べる!中国語文法』

ちなみに、2)は簡易尺牘本(;゚∀゚)=3ムッハー!!!
あと、いつぞやの『支那漢』のが5)。
4)はとりあえず計画的に進めるためのテキトーセレクトw
当然、石川先生の『漢詩を読む』系はデフォwww
当面、遊べますwww

しかし、彼らは、松尾芭蕉とかをどのように
訳してしまっているのでしょうか?
余韻を感じているのでしょうか?と疑問に思う一方、
以前、自分が柳宗元の『漁翁』で3回『グホッ!』となったところを、
彼らは『三嘆』と称しているのを知りました。
ですから、最終的には伝わるんでしょうね。。。謎。

ともあれ、いつかは駢儷文な華麗で誇大でお耽美な世界を
読み下したいです(;゚∀゚)=3ムッハー!!!(;゚∀゚)=3ムッハー!!!

っていうか、中国語のが入力できない件wwwwww

投稿: SFな世界 | 2014.04.13 21:22

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