安倍晋三ファンページ | Facebook
「創誠天志塾」という謎の団体名をネット上で見かけたことがある人も多いのではないか。フェイスブックの安倍晋三ファンページトップには常にこの塾のアイコンが鎮座しているし、最近ではチャンネル桜が取り上げたこともありネトウヨ派にはお馴染みだろう。けれども、その実態についてはあまり知られていない。
実は、この創誠天志塾は青年真志塾という団体から分派してできた経緯があり、前身の青年真志塾は新興宗教団体「生長の家」の幹部信者が設立した政治塾だ。天志塾の塾長は真志塾で幹事長を務めていた人物である。こうなると天志塾も当然、生長の家との関係が疑われるだろうけど、そう単純な話でもなさそうで、こっちはこっちでまたワケ有りのようなのだ。
創誠天志塾とは
さて、現青年真志塾は親会でもあった日本経済人懇話会との話し合いの上、今回の2月14日の月例会をもちまして発展的解散をし、独立することになりました。
現青年真志塾は解散はいたしますが、2月11日、建国記念日の佳き日を期して、その発展的解消の場として、日本経済人懇話会から独立した新たな組織を設立いたしました。
その名も「創誠天志塾」です。
そこで今回真志塾最終月例会にて、神谷光徳塾長へ、これまでの活動をご指導下さったことへの感謝を表明いたしますと共に、天志塾塾長に就任する小川榮太郎より創塾のご挨拶を申し上げさせていただきました。
青年真志塾 – ~「青年真志塾」解散と「創誠天志塾」創立のご挨拶~ (リンク切れ)
創誠天志塾 – ~「青年真志塾」解散と「創誠天志塾」創立のご挨拶~…
上の引用からもわかるように、日本経済人懇話会を母体とする青年真志塾から派生したのが創誠天志塾。青年真志塾の塾長は神谷光徳という生長の家の幹部で、この塾には生長の家の信者が通う。真志塾は一度解散するが後に再始動。旧真志塾の塾生は真志塾に残った者と天志塾に移った者がいる模様。分裂した理由は不明。青年真志塾について詳しくはこちらのページ。
※創誠天志塾 創塾:平成24年2月11日
※創誠天志塾とは・・・
政治、経済、歴史、哲学、文学、思想等、様々な勉強会、諸行事、諸活動を開催し、日本をよりよくしていくことのできる、人格、識見を持つ第一級の人材の育成に寄与することを目的とする。
※創誠天志塾の活動
(1) 政治、経済、歴史、哲学、文学、思想等、学術の振興を図る活動
(2) 経済活動の活性化を図る活動
(3) 日本のくにづくり活動
※創誠天志塾 塾是
一.大和魂に則って生きるべし。(本質的な意味での母性原理)
一.人たるの基、仁義礼智信を重んずべし。(儒教・五常)
一.己を磨き、家族を大切にし、祖国を愛し、世界の平和に寄与する
人材たるべし(大学)
一.大事には、無私・奉仕の精神で臨み、小事にあっては、乱暴たる
を辞さず、思い切り自己の持味を発揮すべし。(以下は塾内心得)
一.学びは静かにどこまでも深く追求すべし。
一.議論は自由・活発にすべし。
一.仕事を自分で作り出し、結果の責任は進んで負うべし。
一.人生を全力で謳歌すべし。(エラン・ヴィタール(アンリ・ベルクソン))
塾長:小川榮太郎(文藝評論家)
創誠天志塾の塾長は『約束の日 安倍晋三試論』著者の小川榮太郎。小川は(旧)青年真志塾では幹事長を務めていた。天志塾を立ち上げた頃はまだ無名(?)の文藝評論家だった。
新興宗教のダミー団体は往々にして正体を隠すもの。幹事の張とコメントしている古池という塾生については後述。
塾生について
塾生A
天志塾の幹事は張(玉山)珉碩という在日韓国人(現在は帰化して日本人)。自民党の熱心な支持者であり反共・反左翼思想の持ち主。
安倍晋三とはフェイスブックで挨拶を交わす仲で、昨年4月には総理大臣主催の「桜を見る会」にも招待された。
塾生B
左(上)の写真の向かって右は世界日報の関係者で、統一教会系シンクタンク「世界戦略総合研究所」の事務局次長を務める小林幸司という人物。おそらく統一教会の信者(一般人はまず統一教会の機関紙では働かない)。この人は安倍晋三の支持者で嫌韓派。塾には旧真志塾の頃から通っている。写真は2012年2月に天志塾のメンバーが靖国神社へ参拝したときのもの。小林の隣は塾長の小川、左奥は幹事の玉山(張)。
塾生C
塾のアイドル的存在?
この塾生は純福音教会の信者のようだ。汝矣島純福音教会は統一教会と同じく韓国発祥のキリスト教系新宗教。政治的にも右寄りで北朝鮮に向けプロパガンダ風船を飛ばしたりもしているとか。これはキャッシュに残るページ。
サンケイに掲載
「Project J」という学生団体がサンケイエクスプレスに載り、その中に天志塾の塾生を数名確認できる。塾FBでの紹介のしかたから天志塾が「Project J」を名乗った可能性もある。産経は前身の青年真志塾のことも紙面で取り上げていて、母体の日本経済人懇話会では産経新聞の取締役や記者がたびたび講師をしている。また、産経は統一教会だけでなく汝矣島純福音教会とも関係が深い。
天志塾の特色
見てのとおり天志塾はいわゆる「安倍信者」。塾フェイスブックのエントリーは大半が安倍晋三を礼賛する内容で、安倍に批判的な記事を書いた新聞・雑誌への敵愾心をあらわにしたエントリーも多い。なお、塾の第1回月例回のテーマは「僕は、 安倍晋三を総理にする!」だった。
勉強会では塾生がこのような資料を用意してプレゼンしている。
こういった保守的な団体は大抵そうだけど天志塾もアンチ民主党。最近は宗教系の政治団体でも、かつてのように共産党だけでなく専ら民主党を批判することが多いように見受けられる。
政治家との関係
自民党総裁選での安倍晋三選出を受けて2012年9月27日に開かれた天志塾の祝賀会。中には涙を流して喜ぶ塾生も。左上で拳を突き上げているのは城内実。下でコメントしている小林久人(塾生の小林とは別)は世界日報の販売局長=統一教会信者。
翌10月には安倍事務所と天志塾の懇親会も開かれた。プレゼントされたネクタイは律儀に着用したらしい。創誠天志塾 – 約束通り、安倍総裁は 我々がプレゼント したネクタイを締めて会談に臨まれました! しかし、…
これは塾のチラシ。 長谷川三千子、竹本忠雄、伊藤哲夫は日本会議の役員。日本会議事務総長の椛島有三と日本政策研究センターの伊藤哲夫は生長の家の信者。日本会議は実質的に日本青年協議会(日青協)が動かしているといわれ、日青協は生長の家学生会全国総連合(生学連)が発展してできた組織。ちなみに衛藤晟一も生長の家を信仰する
。
前列向かって右から現内閣総理大臣補佐官で生長の家の衛藤晟一、天志塾塾長の小川榮太郎、純福音教会の塾生、その後ろは世界日報(統一教会)の塾生、左は元在日韓国人の幹事。天志塾第4回月例回にて。
これらをどう解釈するかは人それぞれだろう。青年真志塾の場合は塾長が生長の家の信者で、そこに通う塾生にも同じく信者がいたことから属性が分かりやすかったけど、創誠天志塾はいまいち判然としない。旧真志塾が、生長の家系の現真志塾と韓国宗教系の天志塾に分かれたのだとしても、現真志塾の勉強会にも統一教会員が参加していることや、天志塾で衛藤晟一事務所を訪問したり蜜月なことなど、うまく説明できない部分もある。宗教との縁を切るために天志塾が設立され、そこに後から宗教関係者が潜り込んだという見方もできなくもないが…。蛇足だが、安倍家は古くから地元山口の在日社会から支援を受けてきた事実があり、何より統一教会とは祖父の代から懇意。「自民=嫌韓=日本人」みたいなステレオタイプの固定観念で凝り固まっている人は、一度リセットしたほうが良いのかも知れない。(敬称略)
相関図
世界戦略総合研究所/青年真志塾とその界隈 | pipeo
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