新藤義孝総務相が12日、東京の靖国神社に参拝した。今年の靖国神社の春季例大祭は21~23日だが、その直後にオバマ米大統領が来日する予定だ。新藤氏は日米首脳会談を控え、自らの靖国参拝が外交問題化することを避けるため、参拝時期を前倒ししたとみられる。

 新藤氏は参拝後、記者団に「戦争で命を落とした方々に哀悼を捧げることはどこの国でも行われる」と強調。中国や韓国から反発が予想されることについて、「私的な行為であり、他国に制限されることには当たらない」と述べた。

 新藤氏は昨年、春季例大祭の前日と8月15日の終戦の日、秋季例大祭などに参拝している。太平洋戦争の「硫黄島の戦い」を率いた栗林忠道陸軍大将を祖父に持つ。今回は「全国硫黄島戦没者慰霊祭」に合わせて参拝した。

 安倍晋三首相は閣僚の靖国参拝を容認している。自らは昨年の春季・秋季の例大祭では神前に捧げる供え物「真榊(まさかき)」を奉納し、終戦の日には私費で玉串料を奉納していたが、年末の12月26日には現役首相として7年ぶりの参拝に踏み切った。中国や韓国の非難に加え、米国からも「失望」を表明され、外交上の懸案になっている。(斉藤太郎)