【AFP=時事】フランスで9日、キリスト教カトリック系の超保守派の神父が、悪魔払いの儀式中に強姦(ごうかん)や拷問をした容疑で訴追された。ベルサイユ(Versailles)の検察当局がAFPの取材に明かした。
検察によると、訴追されたのは聖ピオ十世会(Society of Saint Pius X)に所属する神父(40)で、パリ(Paris)西郊にある私立の宗教学校で教員3人に対し、加重強姦、拷問、「残忍な行為」を行った疑い。保釈は認めていない。
検察は被害者保護のためとして神父の身元も事件の詳細も公表していないが、10日の仏日刊紙パリジャン(Le Parisien)によれば、事件は2010年秋、聖ピオ十世会の運営する学校「ノートルダム・ド・ラ・サブロニエール(Notre-Dame de la Sablonniere)」で起きたという。
同紙によると神父は、女性教師の1人に対し、過去に受けた性的暴行の際にとりついた「悪魔」を排除するとして悪魔払いの儀式を行い、その儀式中に女性をレイプした。神父はさらに別の2人の女性教師にも「霊的な影響力」によって悪魔祓いが必要だと思わせ、同様の儀式を行ったという。
被害者は、儀式中にほうきや歯ブラシ、はさみで拷問されたと訴えているという。
警察の取り調べに対しこの神父は、行ったのは性交の「演技」のみで、暴行の事実はないと主張したという。
聖ピオ十世会は、1960年代に第2バチカン公会議(Vatican II Council)が導入したローマ・カトリック教会の進歩的改革に強く反対するカトリック原理主義の分派。1970年にフランスのマルセル・ルフェーブル(Marcel Lefebvre)大司教が創立し、現在は62か国に60万人の信者がいる。
【翻訳編集】AFPBB News
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フランス・パリ(Paris)で、手を合わせる神父(2006年6月24日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News |