出版不況が続く中、業界一丸となって雑誌の復権をめざそうと、講談社、集英社、小学館などの出版社9社が12日、一斉に雑誌を発売する。旅行や健康、ファッションなど内容はさまざまだが、サイズをそろえ、全誌がデジタル版も同時発売する。全国3千店以上の書店も協力し、キャンペーンを行っていく。

 集英社がキャンペーンに合わせて55歳から65歳の女性をターゲットにした「オニヴァ」を創刊するほか、既存の雑誌の増刊号を出したり、関連のムック本を出版したりする。

 キャンペーンは日本雑誌協会が企画。協会は昨年5月、女性誌8誌を連動させたプレゼント企画を実施し、販売売り上げを平均3割上げた。この経験から「出版社が垣根を越えて、合同のお祭りをやることは売り上げにつながる」と各社に呼びかけたという。

 雑誌の売り上げは消費税率が上げられた1997年以来、下降の一途をたどり、ピークの6割以下に落ち込んでいる。同協会の石崎孟理事長は「今回の増税の年は、新しい雑誌の復興の年にしていかなければいけない」としている。

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