2月末に経営破綻(はたん)した仮想通貨ビットコインの私設取引所「Mt.Gox(マウント・ゴックス)」に対し、米国などの投資家グループが1ビットコイン(約400ドル=4万円)で買収することを模索していると、米経済紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が10日、伝えた。

 報道によると、投資家グループは買収したあとに、取引所の運営を再開する方針という。取引所の利用者から徴収する手数料の50%分を保管し、コインを預けていた顧客や債権者に対して払い戻しができるとみている。ただ、買収には、日本の裁判所の認可が必要になるため、実現するかどうかは不透明だという。

 投資家グループが今回、買収の金額を「1ビットコイン」と設定したのは、消失したビットコインなどの詳細な情報がなく、価格を算定するのが難しいためとみられる。ゴックス社が破綻直後に公表した調査では、利用者から預かったコイン75万枚と、自社で保有するコイン10万枚の大半がなくなったとしていた。(シリコンバレー=畑中徹)