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STAP細胞「ゼロから追試」一問一答

 14日、理化学研究所が都内で開いた記者会見での一問一答は次の通り。

 -捏造(ねつぞう)はあるのか。

 (石井俊輔・調査委員長)「関係者のヒアリングをしないと判定できない。これまでの結果、『完全にこれは捏造だ』というものはない」

 -STAP細胞はあるのか、ないのか。

 (竹市雅俊・理研センター長)「第三者の検証によってしか科学的な答えはないと思う。私が知る限り、著者以外の人が(STAP細胞の再現に)成功した例は聞いていない。共著者の一人が『ゼロから追試する』と言っている」

 -チェック体制がずさんでは。

 (川合真紀理研理事)「不注意というにはあまりにも多い、ミスリーディングな処理があった。現実にあったのは大変ずさんなことだ」

 -故意だったのか、ミスだったのか。

 (同)「本人は間違いだったと言っている。未熟だったと反省の言葉を述べている」

 -厳しい目が注がれる。

 (野依良治・理研理事長)「科学の主張をするわけだから、それを説得させる客観的な物が論文に記載されるべきだ。極めてずさんなデータの取り扱いがあった。あってはならないことと思っている」

 -著者の小保方晴子・研究ユニットリーダーらは論文を撤回するのか。

 (竹市センター長)「私が(小保方氏など理研の3人に)撤回を勧めた。3人が同意したと理解している」

 -撤回を勧めた理由は。

 (同)「学位論文で使った研究の写真を、ネイチャー論文では別の実験の結果として掲載している。完全に不適切な図表だ。論文として体をなしておらず、撤回すべきだ。論文としては正しいデータを載せていない。こういうことは、通常の研究者は決してしない」

 -倫理に欠ける点はどこか。

 (川合理事)「生命科学の分野では、画像の切り貼りをすること自体が、研究者倫理に沿っていないという指摘を受けている。間違ったものを載せて気付かないのは微妙なところだが、(今回は)常道を逸していると思う」

 -研究を続ける資格はあるか。

 (野依理事長)「徹底的に教育し直さないといけない。あるいは氷山の一角かもしれない。倫理、教育を徹底してやり直し、指導していきたい。(共著者の笹井芳樹副センター長の)責任は大きいと思う。反省してもらわなければならない。これから研究者としてどう活動するか、表明してもらわないといけない」

 -なぜ初歩的なミスが見逃されたのか。

 (竹市センター長)「本来は共著者が対等にリスクを見つけて修正すべきなのに、それができなかった」

 -原因は何か。

 (野依理事長)「一人の未熟な研究者が膨大なデータを集め、取り扱いが極めてずさんだった。責任感が乏しかった。研究者間の連携にも不備があった。ただ四つのグループの結果を貼り合わせるだけでは、全体像は分からない」

 -未熟と言うが、なぜ小保方氏をユニットリーダーに就任させたのか。

 (竹市センター長)「STAP細胞の研究にインパクトを感じて採用に至ったが、過去の調査が不十分だったことを深く反省している。(自身の責任は)当然あると思っている」

 -撤回を勧めた際、小保方氏の様子は。

 (同)「心身ともに消耗した状態で、うなずくという感じだった。『はい』と言った。他の2人も『はい』と言ったと覚えている」

 -小保方氏は今どうしているのか。

 (同)「今、研究活動は行っていない。研究室にも来ていない状態だ」

 -なぜ論文の画像を切り貼りしたのか。

 (石井委員長)「小保方氏の説明では、『これはやってはいけないことという認識がなかった、申し訳ありません』という話だった。(切り貼りに)抵抗がなかったのか、倫理観を学ぶ機会がなかったのか、コメントするのは適切ではない」

 -当初、大々的に発表した。広報体制に問題は。

 (加賀屋悟広報室長)「一部不適切な点があった。今後改めたい」(共同)

 [2014年3月15日1時12分]

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